Photo:Naoki Shigenobu |
「カーブ・デイに備えてマシンのファイン・チューニングを施しました」
Jack Amano(以下――):火曜、水曜と走行がありませんでした。プロモーションなどで忙しくもしていました。そうした中でもエンジニアとのやり取りをして、マシンを進歩させる努力をしているのでしょうか?
佐藤琢磨:もちろん、もちろん。毎日彼らとは連絡をとっています。実際には、火曜日の僕は早朝からカナダのトロントに行って現地のメディアに会っていて、帰ってきたのが夜だったこともあって、その日もエンジニアと話はしていないんですけどメールで情報はもらっていたし、水曜はエンジニアリングのミーティングをやって、プラクティス、予選で得たもの全部をシッカリ分析、解析をして、復習して、明日のカーブ・デイに備えてクルマに最後のファイン・チューニングをしました。
「これからはもう前進だけなので、非常にポジティブです」
――何か決勝に役立ちそうな、良いものが見つかりましたか?
佐藤琢磨:そうですね。まず、自分たちがなんで良かったのか、なんで悪かったのか、セオリーと、実際の数字=データと、ドライバーのフィーリングの全部がちゃんと合うことが必要。マッピングじゃないですけど、それらを関連づけて理解することで次にどうしたらいいかっていうのはおのずと見えてくる。本来なら、それをもうちょっと早くにできていたらよかったんだけども、今年はクルマにドーム・スキッドが装着されたのを含め、色々と変わったこともあって、少し自分たちはマシンの理解に時間がかってしまいましたね。それでも、今はかなりいいレベルに近いところまできたと思うし、これから僕らがやろうとしていることは、ホントにもう前進だけですから、非常にポジティブに感じています。
――明日走る時には、新しい項目というか、トライというか、何か用意しているんでしょうか?
佐藤琢磨:そうですね。もちろん、月曜日の特に最後の1時間は非常にいい走りができたと思うんですけど、それが明日、まったく同じフィーリングになるのか、それとも更に良くなるのか、悪くなるのか……確認する必要がありますし、まぁ、明日も暑い日になりそうですけど、決勝が行なわれる日曜日は、こないだの月曜日よりも更に暑い1日になりそうなので、そのあたりも考慮しながら、慎重にクルマを作って行きたいと思います。
「決勝は前の方のグリッドなので、安心して状況を見て走りたい」
――12番手スタートだと、最初からトップ・グループで戦えますよね?
佐藤琢磨:非常にクォリティの高いドライバーたちに囲まれているので、まずはスタートから100周が終わるまではキッチリと、そこまでの条件の中でのクルマを理解してって、いいクルマに、戦える準備をして行きたいですね。そして、残りの100周回で勝負をして行く。常にトップ10にいることが大事と思いますけど、少しずつ順位を上げてって、最後のふたつスティント=60周は非常に熾烈なバトルになると思うので、その時に思いっきり行けるような状態にしていきたいと思ってます。
――今年の傾向として、自分たちのマシンは暑い中でより、涼しいコンディションで良かった感じはありますか?
佐藤琢磨:ウーン……気温でもちろんバランスは変わりますけど、予選本番は暑く、風が強いコンディションでしたが、自分たちはそこにセッティングを合わせ込むことができていたと思ってます。プラクティスの最初の方は寒かったんですけど、暑くなるとどんどんダウンフォースがなくなっていく。そうするとどんどん苦しくなるから、メカニカル・グリップが足りないとなると、それがハイライトされちゃう(目立っちゃう)状況になります。優秀なチームであっても、なかなかマシンを最適化するのがすごく難しい中でコンペティティブなスピードを出せたのは大きな自信に繋がっています。
――去年は1周回目に接触、アクシデントがありましたが、今年は用心していきますか?
佐藤琢磨:セイジ・カラムは今年、後ろの方なので、大丈夫と思いますよ(笑)。
――琢磨選手が、1周目に接触したということに関しては? 今年は慎重に行くんでしょうか。それとも、いつもどおりなんでしょうか?
佐藤琢磨:いつもどおりというか……いつも慎重ですよ(笑)。
――では、今年も変わらず……ですか?
佐藤琢磨:変わらずというか……より慎重に……。でも、慎重にレースするっていうのが、よくわからないので(笑)。もちろん大事に行きますよ。無理はしないです。前の方のグリッドだし、横に並んでいるドライバーたちの顔触れが全然違うから。そういう意味では安心して、状況を見て走りたいですね。
(その2に続く)
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