2016年5月24日火曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第100回インディアナポリス500 5月22日 ポール・デイ その2:「これまでのインディー500では満足した予選ラップはなかった。そういう意味で達成感があります。ここからは僕らに足りてないスピードを探しつつ、決勝では力強く走れるクルマにして行きたいです」

Photo:INDYCAR (Eric McCombs) クリックして拡大

「この予選で決勝用マシンの非常に良い土台ができました」
――決勝用セッティングは、木曜日までにやっていたことの延長線と考えていいんですか?

佐藤琢磨:はい、そうです。木曜の延長にあります。でも、実際のところは、予選からの延長でもあるんですよね。予選ていうのは、たしかに予選4周を速く走るためダウンフォースですけれども、足回りに求められるものっていうのは基本的に同じなんです。とういのは、メカニカル・グリップがないとダウンフォースを削って行くことはできないからです。



Photo:INDYCAR (Dana Garrett) クリックして拡大
  ダウンフォースを削っている状態っていうのは、実は集団の中で走っている状態と似てます。ただ、大きく違うのは、集団の中では……英語ではダーティー・エア(Dirty Air)っていってますけど、要するに乱気流ですよね……ただダウンフォースがないだけじゃなくて、乱気流に揉まれるんですよ。その時のクルマの動きをなるべく穏やかにしてあげて、ダウンフォースが抜けちゃわないような、そういうマイグレーション(移染=色移り……などの意味から外乱を意味する)が一番小さいセッティングというか、空力のコフィギュレーション(各要素の配置)を作っていかなくちゃいけないなって感じです。

――自分たちのレース・セットアップのデキ具合っていうのは、そこそこいいレベルにあると考えているんでしょうか?
佐藤琢磨:まだ集団の中でちゃんと走れていないので、少なくとも、水曜日、木曜日の時点では、全然上に上がって行けるようなクルマにはなっていなかったですから、そういう意味では正直、まだわからないですね。ただ、この予選で非常によい土台ができたと思うので、ここから確実なクルマ造りをして、明日は集団の中でたくさん走って、そこで感覚を体に覚え込ませて決勝を迎えたいと考えています。

「ホンダの新しいエンジンは非常にパワフル!」

――ホンダ・エンジンですが、10番手からの予選でトップ3を獲得し、ファスト9ではポール・ポジションを手にしました。トップ9に5人が入った上に、トップ12の8人がホンダ・ドライバーということになりました。インディー500に来てから、実は大きな進歩が達成されたんですか?
佐藤琢磨:素晴らしいですね。インディーでの今回の新しいエンジンが非常にパワフルになっていて、間違いなく、それは後押しをしてくれていました。レギュレーションによる制限が非常に多くある中で、エアロ・パッケージの改善も行い、それが正しい方向に向かっていたとも思います。ですから、去年の状態から比べると、もちろん相対的なことでもありますけど、絶対的なパワーがものすごく上がったので、それはやっぱりホンダのすごさです。HPDとの協力によって、素晴らしい仕事ぶりを見せてくれています。

「今年はポジション以上にクルマの完成度を
ここまで持って来れたというのが大きいと思います」
 

――7回目のインディー500挑戦で、自己最高の予選10位(2011年)と同じグリッド4列目獲得ですが、その点については?

佐藤琢磨:うれしいですね。ヤッパリ、これまでは2回目のアテンプト(予選アタック)に行きたいけど行かないっていうチームの方針がほとんどでした。予選のフォーマットが変わってきているっていうのもありますけど、これまでは満足した予選ラップっていうのはなかったんですね。そういう意味で今日の予選は、たかだか12番手という結果だったとはいえ、やっぱり僕としてはガッツ・ポーズが出たし、チームも凄く喜んでくれた。自分たちの置かれていた状況を考えれば、非常に良い予選になっていたと思います。そういう意味で達成感があります。自分はベストを尽くせたと思う。ここからは僕らに足りてないスピードを探しつつ、決勝では力強く走れるクルマにして行きたいです。

――今年は第100回目のインディー500ですが、グリッドもまずまず上位で、気分良く決勝に臨めそうですか?

佐藤琢磨:そうですね。今年はポジション以上にクルマの完成度を、ここまで持って来れたというのが大きいと思います。だから、後は月曜日の走行などで失敗をしないように。ここからエンジニアとジックリ着実にクルマを作り上げて行きたいです。
以上

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