2016年5月23日月曜日

2016 INDYCARレポート 第100回インディアナポリス500 5月22日 ポール・デイ:第100回インディー500のポール・ポジションはジェイムズ・ヒンチクリフとシュミット・ピーターソン・モータースポーツ

記念すべき第100回インディー500のポール・シッターとなったヒンチクリフ。前日トップの速さは衰えることがなかった Photo:INDYCAR (Chris Jones)
4番手アタッカーのニューガーデン、1周目231mph台に入れ暫定トップに

 ファスト9シュートアウトは、夕方5時過ぎに始まった。気温は28.3℃と高く、路面も45℃あった。
 最初のアタッカー、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は、4ラップ平均が229.139mph(ベストは1周目の229.649mph)にとどまった。
 カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)は230mph台をキッチリ出してトップに立った(230.287mph)。


 3番目のアタッカー、ミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)は229mph台中盤。それでもパジェノーより速かった。
 次のジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)が1ラップ目に231mph台を叩き出し、アベレージ230.700mphでトップに立った。
 タウンゼント・ベル(アンドレッティ・オートスポート)はチームメイトのムニョスを上回りはしたが、230.481mphで2番手に。


カストロネヴェスは230mph台を出せず
パワー、モントーヤも不発とペンスキー勢は期待はずれな結果に


 この後にペンスキー勢が2人アタック。10番手以降の戦いでファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は意外にスピードが伸びていなかった。ファスト9で最初に走ったパジェノーからの情報は得ていただろうが、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)のアタックは229.115mph平均と完全な不発に終わった。この時点での最下位だ。
 続くウィル・パワー(チーム・ペンスキー)も229.669mph。4番手止まりで、今年のペンスキー勢はフロント・ロウ獲得も叶わなかった。
 トップはニューガーデン=シボレー。2番手はベル=ホンダ。3番手はムニョス=ホンダという状況で、残るは2人。どちらもホンダ・ドライバー。彼らがニューガーデンの数字を上回ることはできるのか、先ずはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がコース・インした。


ラスト・アタッカー、ヒンチクリフが逆転PP獲得

 2014年インディー500ウィナーのハンター-レイは、1周目が230.595mphでニューガーデンの1ラップ目より明らかに遅かったが、2周目にスピード・アップして230.858mphを記録。2周平均でニューガーデンを上回った。3周目は230.738mphで、3周平均は230.730mphで、ニューガーデンの230.700より0.03mph速いだけだった。勝敗を決する4周目、ハンター-レイのスピードは230.401mphまで下がり、アベレージは230.748mph。0.048mphの差で暫定ポール・ポジション獲得はならなかった。

Photo:INDYCAR (Mike Finnegan) クリックして拡大

 ギリギリのところでトップに生き残ったニューガーデン。最後のアタッカーは昨日最速だったジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)だ。
 1周目は230mph台後半の230.885mph。ニューガーデンの平均よりは速いが、彼の1ラップ目よりは遅かった。
  2周目は230.940mphへとアップ。2ラップ平均は230.913mphでトップを維持。
 3周目は230.738mphへ少しダウン。それでも平均は230.864mphと、ハンター-レイの3周目終了時よりもニューガーデンに差をつけていた。
 そして、勝負の4周目。ヒンチもスピードが下がった。230.450mph……4周平均は230.760mph。0.07mph差でカナダ人ドライバーのインディー500での初ポール・ポジション獲得がなった。


アタックを終え、祝福の人垣の中、ハンター‐レイと握手 Photo:INDYCAR (Mike Finnegan)
  シュミット・ピーターソン・モータースポーツにとっては、インディー500における二度目のポールとなった。2011年に彼らはアレックス・タグリアーニのドライビングでPP奪取を果たしている。

ホンダ、記念すべき第100回インディー500のPP

 最後の最後のドライバーによって、ホンダは記念すべき第100回インディー500のポール・ポジションを手に入れた。ホンダのインディー500PPは、2011年以来である。あの年はホンダ・エンジンのワンメイク最後のシーズンで、シボレーとのマニュファクチャラー・バトルが2012年に始めってからは、今回が初めてのPP獲得となる。
 

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  「去年のこと(プラクティスで大アクシデントを起こし重傷)があったから、今日スピードウェイに来るとき、語り草になるような新しいストーリーを作り上げることができたらいいと考えていた。僕らはそれを実現した。信じられないことだけれど、すごいことをやってのけたと思う。言葉も無い。そんなこと、みんなも知っての通り、おしゃべりな僕にとっては珍しいことだ」

Photo:INDYCAR (Jim Haines)
 「限界ギリギリで走れるマシンに仕上がっていた。チームのエンジニアたちが最高の仕事をしてくれたんだ。チームの全員、オーナーたちからクルーまでもがポール・ポジションを獲得できるマシンを用意してくれた。僕らのチームは3台とも予選でトップ10入りをした。これはすごいことだ」とヒンチクリフは語った。

ポール・ポジションを逃し、悔しがるニューガーデン

TVインタビューでヒンチクリフと健闘をたたえあうニューガーデン Photo:INDYCAR (Chris Jones)  クリックして拡大
  全長2.5マイルもあるコースを4周走って、0.0758秒差でポールを逃したニューガーデンは、「受け入れるのが難しい結末となった」と悔しがった。「しかし、今日こうしてPPを競い合うことができたのは、とても楽しい経験だった。最後の2人が速いだろうことはわかっていた。それでも、僕らのスピードは非常に速かったから、ポールを獲れたと思っていたんだ。ヒンチクリフの走りは素晴らしかった。シュミット・ピーターソン・モータースポーツも。彼らを讃えたい。戦いは今日だけでは終わらない。来週末のレースで勝つことが一番の目標であることを忘れてはならない」とコメントした。

ペンスキー&チップ・ガナッシ、シボレーの強豪チーム、苦境に
 
Photo:INDYCAR (Jim Haines)
ポールはホンダ。予選2位はシボレー。その後ろは、3、4、5位がホンダ(7位も)。今年の予選ではホンダ勢が優勢だった。

 シボレー・ユーザーではチップ・ガナッシ・レーシング・チームズが予選2日目にも苦境から抜け出し切れず、スコット・ディクソンの13番手が最上位グリッド。チーム・ペンスキーはファスト9に3人いたが、コンディションを読み誤ってベストはパワーの6位だった。
以上

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