Q1でレッド2セットを使用する奇策でフィリッピはQ2進出を果たした Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) |
ルカ・フィリッピ、レッド2セット仕様でQ2進出
今回のQ1のグループ2は、グループ1に比べてかなり厳しい戦いになっていた。強豪多数の中でウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がトップ。シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が2番手で、3番手は昨年度バーバー・ウィナーのジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)。ここまでが1分7秒を切り、コース・レコードの1分6秒7756(2013年のQ1でのディクソン)を上回った。
4番手は1分7秒1972のトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)で、ガナッシ勢がプラクティス3から予選に向けてレベルを全体的に押し上げてきた印象。4人ともQ2へと進出した。
5番手はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)=1分7秒2048。そしてQ2へと進める最後のスポット=6番手はルカ・フィリッピ(デイル・コイン・レーシング)が掴んだ。デイリーと同様にQ1からレッド・タイヤを2セット両方投入する、Q2進出に徹底的に拘る戦い方には少々の疑問も感じざるを得ないが、1セット目でのベスト=1分7秒7919から、2セット目で1分7秒2243へと大きくタイムを更新、狙い通りのQ2進出を達成した。
フィリッピの奮闘(?)で割りを喰ったのがジャック・ホウクスワース(7番手)と佐藤琢磨(8番手)だった。フィリッピとはホウクスワースが0.0117秒、琢磨が0.0142秒という超・僅差。金曜に1-2で速さを示していたフォイト勢だったが、暑いコンディションにセッティングをアジャストし切れなかったようだ。
「予選のマシンはハンドリングが良くなかった」と落胆するモントーヤ
Q1のグループ1では開幕戦セント・ピーターズバーグのウィナーで、ロング・ビーチでも予選5位/決勝4位の好成績を残してきているファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)も敗退。それも、1分7秒5627しか出せずに最下位に終わった。「プラクティス3での僕らのマシンはとても良かった(7番手)。レッド・タイヤにしても速いだろうと期待していた。ファイアストン・ファスト6への進出が可能と考えていたぐらいだ。ところが、予選でのマシンはハンドリングが良くなかった。何がどうなっていたのか、まったくわからない」とモントーヤは話した。最後尾の21番手スタート(!)。明日は彼の走り、そしてチーム・ペンスキーがどんな作戦を駆使して順位のゲインを果たすのか、注目したい。
Q1敗退組でもレッド1セットのみ使用のドライバーは決勝レース優位!?
Q2ではブルデイがトップ。ディクソン、パワー、レイホール、パジェノー、ニューガーデンもQ3進出を決めた。
Q2を走る前の段階で新品レッドを残していないフィリッピは、当然のようにQ2最下位の予選12位に。これでは、Q1敗退組の上位で、Q1でレッドを1セットしか使っていない面々(つまりはフレッシュ・レッドを2セット有している)の方がレースで有利になると考えられるが……。グループ1で7番手だったミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)もQ1でレッド2セットを投入。フィリッピほどではないが、レースではレッド3セットのうち2セットがユーズドという状況だ。彼らの後ろに並ぶホウクスワース、ムニョス、琢磨は所有レッド・タイヤの優位を使って彼らの前へ出たいところだ。そのためには、どんなタイヤ・ストラテジーがベストとなるのだろうか?
Q3で5人のドライバーがレッドを2セット使用
今回の予選では、Q3で2回のアタックを、2セットのタイヤを使って行なうドライバーが5人も現れた。通常なら、Q2までで使った2セットのうちのどちらか1セットで一発勝負のアタックを行なうが、バーバーでのレッド、あるいは今回のような温度の高いコンディションでの走行では、2周続けてのアタックでの好タイム連発は望めないため、1周のアタックを別々のセットのタイヤで二度行なったということだ。そして、二度目のアタックでパジェノーは1分7秒7262を叩き出し、ポール・ポジション獲得を達成した。
以上
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