ターン16にアプローチする佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
抜けたと思った雨雲の端っこが引っかかったのか、インディーカーのプラクティス1とプラクティス2の間の午後2時頃、短時間だったが雷を伴った激しい雨が降った。これで路面は完全ウェットになった。しかし、インディーカーの前にスケジュールされていたプロ・マツダ・プレゼンテッド・バイ・クーパー・タイヤズの予選が始まる前に空は快晴に変わった。そして、20分遅れの3時20分にインディーカーのプラクティス2が始まると、もうコースはほとんどドライ・コンディションに戻っていた。
気温は21℃、路面温度は28℃。午前中のプラクティス1でオルタネーター・トラブルから6周しか走れなかったトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)らがウェット・タイヤで先ずは走行した。間もなくカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)がスリックで走り始め、他も追従。プラクティス1でトップだったセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)が1分8秒台を出すと、次々とマシンがコース・インして行った。
佐藤琢磨、タイヤセーブのため、残り35分、21人中20番目にコースイン
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、1分15分のセッションが残り35分に近づいた頃、21台エントリー中の20番目のドライバーとしてコース・インした。タイヤをセーブするために、ギリギリまで走り始めるのを我慢したのだ。
プラクティス1で投入した2セット目のタイヤで走り続けた琢磨は、1分8秒1396を3周目に記録して6番手につけた。しかし、周回を重ねたタイヤでタイムを縮めるのは難しく、そこからはジリジリとポジションを下げて行くしかなかった。
フロント・サスペンションの調整を重ねた琢磨は、残り時間が12分となった時に4輪を新品のブラック・タイヤに交換してコースへと戻った。
この時点で彼の順位は14番手まで下がっていたが、ジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が1分7秒4354を出して2番手に浮上していたとおり、フォイト・チームのマシンはなかなか仕上がりが良い様子だった。トップは昨年度のバーバー戦ウィナー、ジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)の1分7秒3871だった。
フォイト・レーシング、2台体制となって初の1-2
琢磨はコース・インした次の周が1分9秒後半で、その次の10周目、1分7秒3382でトップに躍り出た。まだプラクティス時間は8分少々残っていた。
11周目、琢磨のタイムは1分7秒2157へと更に短縮された。P1を保ったままタイムを更新したのだ。この後すぐにホウクスワースが1分7秒2197をマークし、2番手となった。ふたりの差は1000分の4秒。プラクティスとはいえ、昨シーズンに2カー体制へと復帰して以来初めてとなるAJ・フォイト・エンタープライゼスによる1-2が記録された。
ヒンチクリフが3番手につけホンダ1-2-3に
空力的にもホンダ優位か!?
さらに、セッション終了間際にジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が1分7秒2455で3位に飛び込んで来て、ホンダの1-2-3となった。シボレーのトップはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。タイムは1分7秒3434。
5番手はホンダのグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)と、ホンダ勢がトップ5に4台。シェビーは6、7、8、9、10番手にニューガーデン、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、ブルデイと続いた。
プラクティス1で好調と映っていたアンドレッティ・オートスポート勢だったが、プラクティス2ではライアン・ハンター-レイの11番手がベストで、カルロス・ムニョスが12番手。マルコ・アンドレッティは15番手、ルーキーのアレクサンダー・ロッシは最後尾21番手だった。
高速コーナーが多く、路面がスムーズなバーバー・モータースポーツ・パークでは、ホンダ勢のエンジン&エアロ・パッケージが戦闘力で優っているのか? それとも、両者の差は実は非常に小さく(琢磨とパワーの今日の差は0.1277秒)、チーム・ライン・アップで上回るシェビー勢が明日の予選では形勢逆転を達成するのか?
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