2016 INDYCAR レポート R2 フェニックス Race Day:ウィル・パワーの戦いぶりは？

予選順位9位のパワーは、今季初の決勝でどんな走りを見せるのか？　Photo:INDYCAR (Chris Owens)

開幕戦決勝キャンセルから窮地に??

　ウィル・パワー（チーム・ペンスキー）、予選は9位と意外に振るわなかった。
　ウォーム・アップは19秒6882で、予選3位になったファン・パブロ・モントーヤ（チーム・ペンスキー）より速かったが、アタック1周目のターン1～2で大きく“リフト”（＝アクセルを戻した）。2周目に若干のスピード・アップはしたものの、それでは全く不十分で、グリッドは5列目に。


　パワーは開幕戦の決勝レースを休まねばならなかったことから、ちょとした精神的窮地に追い込まれているように見える。「ポール・ポジションの1点だって逃したくない！」と少々ダウンフォースを削り過ぎたセッティングをトライしていたみたいだ。その結果、「プッシュ（アンダーステア）が大き過ぎた。エアロの前後バランスが取れていなかったからターン１でアクセルを戻さねばならず、スピードをロスした」と悔しがる羽目に。
　パワーの決勝に向けたマインド・セットは、いったいどんなものになっているのか。今日は彼にとって今シーズン初のレースとなるが……。

最大のライバル、モントーヤとの争いに注目

　開幕戦ウィナーのモントーヤが第2戦の予選で1点追加……とならなかったのは、パワーにとっては救いだった。「今年もタイトル争いの最大のライバルになるのはモントーヤ」と彼自身考えているはずなので。去年のパワーは開幕戦でモントーヤにしてやられ、インディー500でも逆転を許して完全に精神的安定を奪われてしまった。そのままシーズンを過ごした彼は、実力をフルに発揮できないままに終わった。

　ということで、今日のレースではモントーヤとパワー、ふたりの戦いに注目。パワーが最大ポイントを獲得できる優勝を狙って行くのは当然だが、それが達成できなかった場合、「モントーヤより上位でのフィニッシュならオーケー」と考えるのか、それとも、「宿敵（……というか天敵？）ひとりを強く意識し過ぎることなく、上位フィニッシュなら上々」ぐらいまで自らの合格ラインを下げることができるのか……。

　 レースでは、トニー・カナーン（予選2位）、チャーリー・キンボール（予選4位）、スコット・ディクソン（予選6位）のガナッシ勢3人も手強いだろうし、エド・カーペンター・レーシングの2人（予選5位＝エド・カーペンター、予選7位＝ジョセフ・ニューガーデン）もパスしないことにはパワーは優勝争いへと絡んで行けない。
以上