2016 INDYCAR :ニュース 4月26日：セルヴィアとウィルソン弟で第100回インディー500のエントリーは33台がほぼ確定か？

開幕戦では急遽パワーの代役を務めたセルヴィア。ヒンチクリフとアレシンとともにSPMで今年のインディーを走る　Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)

セルヴィアはSPMとマロッティ・レーシングのジョイント・チームで

　この月曜、スペイン人ベテラン・ドライバーのオリオール・セルヴィア（41歳）が第100回インディー500にシュミット・ピーターソン・モータースポーツ（SPM）から、マロッティ・レーシングとのジョイントでエントリーすると発表した。マロッティ・レーシングとは、ウィル・マロッティというキリスト教牧師が主催するレーシング・プロジェクトだ。カー・ナンバーは「77」だ。
　「昨年、ジャスティン・ウィルソンの代役としてソノマを走った時、自分がどれだけレースが好きなのかを思い知った。同時に、自分の体力が大きく衰えていることにも気づいた。すぐにハード・トレーニングを始め、今年の3月にセント・ピータースバーグでウィル・パワーの代わりにペンスキーのマシンに乗った時には、もう体力面は何の問題ともならなかった。インディーはプラクティス期間が長いので、チームとドライバーがお互いを理解するための時間がある。今年はこれまで以上に良いパフォーマンスを発揮できそうな気がしている」とセルヴィアは意気込んでいる。

兄のカーナンバー25で、ステファン・ウイルソンがインディー500デビュー

26日、発表会場で撮影に応じるステファン・ウイルソン。Photo:INDYCAR (Chris Owens)　

　続いて火曜日、KVSHレーシングがイギリス出身のステファン・ウィルソン（26歳）を起用して3台目のエントリーをするとの発表がなされた。昨年ポコノで事故死したジャスティンの実弟であるステファンは、インディー・ライツを戦った後、2013年のボルティモアでインディーカー・デビューを果たしていたが、これがインディー500へのデビューとなる。カー・ナンバーは兄ジャスティンが最後に使っていた「25」だ。

　故ジャスティンはドナー登録をしており、5人が彼からの提供を受けたという。それによりウィルソン家とインディアナ・ドナー・ネットワークの交流が始まり、ステファンのインディー500参戦を実現するための共同プロジェクトが立ち上がった。彼らは、「Driven2SaveLives」＝救命のためのレース＝をモットーに、アメリカ国内でドナーを新たに2,500人獲得することを目標に掲げている。
　ステファンのチームメイトは、ベテランのセバスチャン・ブルデイと、オーストラリア出身ルーキーのマシュー・ブラバム（22歳）。ブラバムのエントリーはマレイ・レーシングとのジョイントだ。冒頭のSPMとマロッティ・レーシングの関係に似ている。
　「セバスチャンとマット、ふたりのチームメイトとともにできる限りの準備を進めてインディー500に臨みたい。ジャスティンと一緒に出場できないのは残念だが、彼を讃えるためにも僕は全力を尽くす。ジャスティンに感銘を受けていた人々も僕を応援してくれる」とステファンは語っている。

AFSレーシング、今年は独自のチームでサーヴェドラをエントリー

　まだ正式な発表はされていないが、ゲイリー・ピーターソンのAFSレーシングが今年は独自のチームでエントリーを計画し、すでにマシンの準備に取りかかっている。ドライバーは今年もセバスチャン・サーヴェドラ。マシンはシボレーになる。そして、彼らを加えるとエントリーは33台に届く。
　「主要スタッフは全員女性で、ドライバーはキャサリン・レッグ！』と、去年のインディー500開催期間中に大々的な記者会見を行ない、第100回大会への出場に意欲を見せていたチーム・グレイスは、参戦資金を集め切ることができずに計画を断念した模様。
デイル・コイン、4台目を走らせる可能性も
　デイル・コイン・レーシングは、4台に増える可能性アリかも。その前に、開幕からレギュラーとして走っているルカ・フィリッピだが、その立場はまだフル・シーズン・エントリーと確定していない。だから、インディー500は出場の可能性が現時点では高いとはいえ、確定はしていない。もし、スポンサー持ち込みドライバー（例えばピッパ・マンとかギャビー・シャヴェスとか）が現れたら、DCRはその人を4台目に乗せるのか、それとも、資金付きドライバーを先ず19号車に乗せるのか。ホンダは17台への供給希望と発表しているので、彼らが4台に増えても体制的には問題ナシのはずだ。
　ワン・オフ参戦のドレイヤー＆レインボールド、ラジア＆パートナーズもAFS同様にシボレー・ユーザーとなる。

予想エントリー

チーム・ペンスキー（４）＝モントーヤ、カストロネヴェス、パワー、パジェノー
チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ（４）＝ディクソン、カナーン、キンボール、チルトン
エド・カーペンター・レーシング（３）＝ニューガーデン、エド・カーペンター、JR・ヒルデブランド
AJ・フォイト・エンタープライゼス（３）＝佐藤琢磨、ジャック・ホウクスワース、アレックス・タグリアーニ
アンドレッティ・オートスポート（５）＝アンドレッティ、ハンター-レイ、ムニョス、ロッシ、タウンゼント・ベル
KVSHレーシング（３）＝ブルデイ、マシュー・ブラバム、ステファン・ウィルソン
シュミット・ピーターソン・モータースポーツ（３）＝ジェイムズ・ヒンチクリフ、ミカイル・アレシン、オリオール・セルヴィア
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング（２）＝グレアム・レイホール、スペンサー・ピゴット
デイル・コイン・レーシング（２～４）＝デイリー、ブライアン・クロウソン、フィリッピ（？）　＊候補：ピッパ・マン、ギャビー・シャヴェス、キャサリン・レッグ
ラジア＆パートナーズ＝バディ・ラジア
ドレイヤー＆レインボールド・レーシング＝セイジ・カラム
AFSレーシング＝セバスチャン・サーヴェドラ