ドームスキッドによる安全性は確認されたが……
インディアナポリス・モーター・スピードウェイで先週行われたテストは、ドーム・スキッドを装着しての走行=車高を高めて走る必要性があり、作り出されるダウンフォース量が減る=が期待した効果をどれほどもたらすのかを見ることが一番のテーマだった。そして、狙い通りの安全性向上が果たされそうだ。
午前と午後、プラクティス・セッションはふたつが行われたが、最大時速40mphという強風が吹き荒れ、雨による中断もあり、テストにはまったく適さない天候となっていた。気温が低く、湿度も高かった点では、インディー500のプラクティスが予定される5月半ばとはコンディションがかなり異なってもいた。
不自然なホンダ勢とシボレー勢、2mphもの差
そんな状況下で最速ラップを午前中に記録したのはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)で、平均時速は223.427mphだった。ただし、このベストは大きな“トウ”を得てのものだった、とチームは認めている。2番目に速かったのはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)による222.047mph。こちらにも但し書きが着く。予選用ターボ・ブーストで、空力も予選トリムを施しての走行だったのだ。決勝用セッティングで走っていた他のマシンとスピードを比較する意味はない。
開幕2戦でアドバンテージを見せてきているシボレー勢がインディーでの合同テストでも上位独占……とならなかったのは、彼らがそうならないよう注意を払っていたためかもしれない。ボウタイ軍団のベストはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)による221.293mphだったのだが、ライバル陣営との間に2mphもの差が開くこと自体がそもそも不自然だ。
「シボレー勢は三味線を弾いている」
シボレーは今シーズンになってから一度プライベート・テストをインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行っているが、彼らはその日に225.8mph台のベストを記録しているという。その同じ日には、マルコ・アンドレッティもテストを行っていたということで、彼のベストは225.1mphで、シボレー勢よりも遅かった。結局のところ、セント・ピータースバーグのストリートやフェニックスのショート・オーバル同様、インディアナポリスというスーパー・スピードウェイにおいても、現在優位にあるのはシボレーなのだ。昨シーズンに空力で優位に立った彼らは、ホンダ以上にスーパー・スピードウェイのエアロ・キットの性能向上に力を注ぐ体制を敷くことができたのだから、当然と言えば当然だ。
テスト後のマルコ・アンドレッティは、「今日のシボレー勢は三味線を弾いていた。223mphなんて、5月のプラクティス初日ですでに遅いラップになってるはずだ。彼らの狙いは、ホンダとの実力が拮抗しているとインディーカーにアピールすること。しかし、実際の僕らは彼らほど速くない」と話していた。
ホンダ陣営は、来月のインディー500プラクティス開始までに空力性能アップの対策を施さなくてはならない。エアロ・キットはホモロゲーション・パーツであるため、何か新しいパーツを投入するというのは不可能。現有パーツの組み合わせでスピードを上げる方法を見つけるしかない。以上
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