2016年3月14日月曜日

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピータースバーグ 決勝:ファン・パブロ・モントーヤがセント・ピータースバーグ2連勝

モントーヤ、圧巻の走りで2年連続の開幕戦勝利 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
通算15勝目を飾ったモントーヤ、「今日のレースはほぼ完璧!」

 予選は4位、しかし、ウィル・パワーの欠場で3番グリッドからスタートしたファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は、チームメイト2人とのバトルを制し、終盤にトップに立ったルーキー、コナー・デイリー(デイル・コイン・レーシング)もパスしてセント・ピータースバーグでの開幕戦2連勝を飾った。この勝利はモントーヤのキャリア15勝目で、アレックス・ザナルディに並ぶ歴代31位の優勝回数となった。チーム・ペンスキーにとってのインディーカーでの179勝目。セント・ピータースバーグでのチーム・ペンスキーの勝利は8回目だ。



 「去年はチャンピオンシップを取り逃した。そのガッカリした状態から、またこうして開幕戦で勝つことができた。新しいシーズンのスタートとしては良いものが切れ、とても嬉しい。今日のレースはほぼ完璧だった。少々メカニカル・トラブルがあったけれどね。実は、ステアリングが壊れていたんだ。大きな問題にならずにすんだけど、終盤は5秒とかのリードも築けた。そこからはペースをグッと落として慎重に走り、ストレートで余っていたプッシュ・トゥ・パスを押してタイムを稼いでゴールにマシンを運んだ」とモントーヤは語った。

「ごく小さなミスで勝利を逃した」と悔しがるパジェノー
ハンター-レイ、シボレーの表彰台独占を阻む3位

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

  ポール・スタートだったシモン・パジェノーは、チーム・ペンスキーでの初勝利目前だったが、モントーヤにパスを許し、2位でのゴールとなった。「インディーカーのレースで勝つためには、すべてが完璧じゃないとならない。今日は老獪なモントーヤにやられた。リスタートでトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)に近づき過ぎちゃったのが失敗だったかもしれない。そんなごく小さなミスで勝利を逃したともいえる。しかし、シーズンのスタートとして2位は悪くない結果だ」とパジェノーは話した。
レース終盤カストロネヴェスをパスしハンター-レイはホンダ最上位の3位に Photo:INDYCAR (ChrisOwens)
  3位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)。最終スティントにニュー・レッド・タイヤを温存する最もオーソドックスな作戦を採用したことで、ひとつ前のスティントでニュー・レッドを使っていたエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)をパスすることに成功し、チーム・ペンスキー、及びシボレーの表彰台独占を阻んだ。
 「このレースで好い成績を残すと、そのシーズンは良いものになる。今年もそのパターンになるといいね。これでセント・ピータースバーグは4回目の表彰台のはず。フロリダ出身の自分にとって、このレースはホーム・レース。いつか絶対に勝ちたいと思っている。去年よりずっと良いスタートが切れた。マシンが明らかにいい。去年のマシンは自分のドライヴィング・スタイルに合わなかった。今年のマシンは自分が望むように走らせることが可能になっている」とハンター-レイは語った。

佐藤琢磨、スタート直後のパンクで
最後尾に落ちながらも6位フィニッシュ!

今回のビッグムーバ―、アレシン。終盤まで安定した速さを見せた Photo:INDYCAR (ChrisJones)

  フロント・ロー外側グリッドからスタートしたカストロネヴェスは4位でゴール。5位は17番スタートから大躍進を実現したミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。10番手スタートからタイヤを傷めて最後尾まで落ちながら、大きく挽回してみせた佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が6位。7~10位はディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)だった。
序盤、アクシデントでポジションを下げたのちセルヴィア、ロッシを追う琢磨 Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大

 ルーキー最上位はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)の12位。琢磨はレース後、「スタート直後にタイヤがパンクしちゃいました。誰かにぶつけられたのか、マシンの破片を踏んだのか、理由はわからないけど。あれで最後尾まで落ちたけれど、何とか周回遅れにならずに済んだからよかった。マシンはとても良い仕上がりになっていて、おそらくブラックでもレッドでも、安定したペースで走るという点でもトップ3に入れるぐらいのパフォーマンスになっていましたね。最初のレースでまずまずのポイントも獲得できました」と開幕戦6位フィニッシュを喜んでいた。

パワーの体調不良の原因は金曜のクラッシュでの脳震盪

 体調不良で欠場したパワーだが、今日インディーカーのメディカル・チームの再検査を受け、金曜のアクシデントで彼が軽い脳震盪を起こしていたことが判明した。インディーカーの発表によれば、金曜のアクシデント直後に行なった診断では、脳震盪の症状は何も出ていなかったという。イヤー・プラグ内に装備しているセンサーからのデータでも、更なる検査は必要ないと判断された。しかし、予選後のパワーが示した症状から、インディーカーのメディカル・ディレクターであるジェフリー・ビロウズ医師が検査を実施し、軽い脳震盪が認められた。この結果、パワーはインディーカーの脳震盪に関するルールに従い、次のレースに出場する前に、もう一度検査を行ってマシンをドライブしてよいかの確認をしなければならないこととなった。

ポイント・スタンディング(暫定)
1  モントーヤ 51点
2  パジェノー 43点
3  ハンター-レイ 36点
4  カストロネヴェス 32点
5  アレシン 30点
6  佐藤 28点
7  ディクソン 26点
8  ムニョス 24点
9  カナーン 22点
10 キンボール 20点

ルーキー・ポイント(暫定)
1  ロッシ 18点
2  デイリー 18点
3  ピゴット 16点
4  チルトン 13点

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