「もうちょっとスピードが欲しかったけれど
良いレースが戦えていたと思います」
Jack Amano(以下――):スタートに臨んだマシンのハンドリングはどうでした?
佐藤琢磨:勝てるスピードは無かったですね。最後、ファン・パブロ・モントーヤやウィル・パワーの後ろでゴールした。シモン・パジェノーの前だった。そういう面から見ると、良いレースが戦えていたと思います。予選18位から8位でのゴールとなったし、ヨシとしなくちゃいけないですかね。もちろん、もうちょっとスピードが欲しかったけれど……。
――最初のピット・ストップをかなり早めにする作戦は成功していましたね?
佐藤琢磨:そうでした。でも、ピット・インのタイミングという作戦面は、やっぱり、うまく行った時とそうではなかった時がありましたね。1回、イエロー明けで6周しただけでピットってことがありました。そこでは順位を大きく落としました。決して良いストラテジーではなかったけれど、チームは頑張ってくれていました。
――すごい奮闘をしどおしての8位フィニッシュは素晴らしい結果と思います。応援のしがいがあったと言うか……。
佐藤琢磨:粘りましたよね、今日の僕らは。
――自分の周りにモントーヤとかパワーとか、チャンピオン争いをしているドライバーがいると、レースは難しくなっちゃいますよね?
佐藤琢磨:ホント、そうでした。例えばモントーヤは、もう先に行ってくれって、行かせちゃいました。パワーも最後、決死のダイブをして来た。あそこはもう、僕らとしては譲るしかなかったですよ。みんなタイトルが掛かってる人たちでしたからね。
「ソノマはスウィート・スポットが小さくて難しい
でも、結局強いチームが最後には上位に来た」
――色んな相手とバトルしたレースでもありましたね?
佐藤琢磨:はい。ディクソンも後ろことがあった。チャンピオンを争っている人なので、ブロックはしたくなかった。でも、僕もポジションを争っていたので、フェアに、クリーンに戦うことを心がけてました。チャンピオン候補じゃない相手とはハードにレースしていました。
――新しいタイヤが導入されたり、今年からエアロ・キットが使われるようになったり……と、ソノマ攻略は本当に難しいですね?
佐藤琢磨:ほんと、ソノマって難しいですよ。スウィート・スポットがすごく小さくて。だから、今日のレースでも、良かったと見えていたクルマが急にダメになったりで、ブッチギリのレースをやれていた人っていなかったと思うんですよ。逆に、ディクソンだって予選では全然飛び抜けた存在なんかじゃなかったですよね。それでも今日、彼は勝った。結局、強いチームが最後には上位に来たっていうところはあるけれど……。
「僕も、チーム全体もすごく多くのことが学べたシーズンでした」
――最後に、今年を振り返ってください。2カーへの体制拡大など、新たな局面だった今年のAJ・フォイト・エンタープライゼスだと思いますが、どうでしたか?
佐藤琢磨:オペレーションが変わったけれど、チームは成長を遂げることができていたと思います。体制を変更してすぐにパフォーマンス・アップをするっていうのは非常に難しいと思うんですけど、色んなことを僕も、チーム全体も学びました。すごく多くの事を学べた1年でした。特に、今年はエアロ・キットが入って来たりと、色々動いた年でしたから、チームは頑張っていたと感謝しています。僕らはまだ、もっともっと良くして行かなきゃならない面がたくさんありますけどね。
――思い出すレースとかは?
佐藤琢磨:ちょっと悔しい、勝てたかもしれないのにってレースが幾つかありました。勝てそうで勝てなかった。振り返るとハードなシーズンになってましたけど、良いシーズンだったと思います。
――長いオフ・シーズンですが、何かプロジェクトは?
佐藤琢磨:今はまだ決まってませんけど、来年レースが行なわれるロード・アメリカでテストが来月行われるかもしれないので、それに参加できれば……と考えてます。
――短い期間に凝縮したシーズンに今年もなってました。1シーズン、お疲れさまでした!
佐藤琢磨:はい。今年もありがとうございました。
以上
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