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カリフォルニアらしい好天の下で開催された最終戦の予選は熱いバトルとなった。
3段階の予選でファイナルに進んだのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、ジョセフ・ニューガーデン(CFHレーシング)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)の6人で、その中にチップ・ガナッシ勢は含まれなかった。
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著しいラップタイムの向上
ファスト6進出、セグメント2敗退は紙一重
ソノマ・レースウェイの現在のコース・レイアウトでのレコードは2014年にパワーが予選で記録した1分17秒2393だった。しかし、エアロ・キットが登場し、新しいソフトなファイアストン・タイヤという要素も加わったこともあり、そのラップ・タイムでは今日の予選でセグメント1さえ通過できないほどスピード・アップがなされていた。
今日の予選ではそのタイムの接近ぶりも凄まじく、セグメント2最速だったパワーのラップは1分16秒5571で、惜しくも7位となってファイナル進出を逃したキンボールのタイムは1分16秒6669と、両社の間には0.1098秒という小さな差しかなかった。ギリギリ6位でファイナルに進んだモントーヤと、そうできなかったキンボールの差となると、実に0.0038秒という僅差だった。
ニューガーデン、惜しくもロードコース初のポール・ポジションを逃す
ファイアストン・ファスト6によるファイナル・ステージも見応えある戦いとなっていた。タイヤ・ラバーは乗り、気温は下降傾向。タイム更新の実現し易い条件が整っていた。ポール候補筆頭のパワーは計測開始とともにユーズド・レッド・タイヤでコース・イン。1周のアタックで1分16秒6783を出したが、ブラック・タイヤ装着のニューガーデンが1分16秒6777でトップを奪った。パワーはもう1セットのユーズド・レッドで2回目のアタックを敢行、1分16秒5842を出してトップを奪い返した。
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2位はニューガーデン、3位はハンター-レイのものとなり、4位はパジェノー。ポイント・リーダーのモントーヤは5位、ランキング2位のレイホールは6位という結果となった。
ブラック・タイヤで大逆転ポール・ポジション!
「タイトル獲得のチャンスがある」とあくまで勝利を目指すパワー
パワーのブラック・タイヤ装着でのポール・タイム記録は予め計画したものではなかったはずだ。ニューガーデンがファイナル・ステージの最初にブラックで好タイムを出したことが大きなヒントとなっていたと見られる。レッドを2セット投入したのは、耐久性の低さからレースでは1セットしか必要ナシとの判断を下していたからと思われ、その英断がブラックでの大逆転に繋がった。ニューガーデンと彼を走らせるCFHレーシングはブラック・タイヤでトップに立ち、ユーズド・レッドでそれを上回るタイムをマークしてトップ奪還も果たした。そこまでは彼らの描いたシナリオ通りだったに違いない。しかし、レッドで2回アタックし、路面状況が一番良くなっていたセッション終盤にブラックで勝負を仕掛けたパワーの機転の利いた戦いぶりが一枚上手だった。ペンスキー、そしてパワーならではの見事な予選、そしてポールポジション獲得であった。
「ソノマは非常にテクニカルなコースで、予選アタックは思い切った走りをしなくてはならない。予選は僕が一番好きなもの。マシンの持つ力を最大限引き出してのアタックが求められるからだ。レースはまた別の話。明日はダブル・ポイントなのでタイトル獲得のチャンスもある。慎重に走り、そして優勝を狙う。僕らがタイトルを獲得するためには、とにかく勝たなくてはならないんだ」とパワーは語った。
佐藤琢磨、不運が重なり予選18位に
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は予選18位。「マシンは良くなっていた」と話した琢磨だったが、アタック・ラップ直前に直前を走るチームメイトのジャック・ホウクスワースのマシンからオイルや水が吹き出し、タイヤのグリップが下がった。さらに、アタック2周目にはルーキーのステファノ・コレッティ(KVレーシング・テクノロジー)がターン1で彼の目の前へと飛び出して来てアタックを妨害された。
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以上
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