2015年8月25日火曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R15 ABCサプライ500 Race Day 決勝 その1:「ミディアム・ハイぐらいのダウンフォースで出て行きましたが、バランスが悪かった。それでピット・ストップでロー・ダウンフォースに変更しました」

ロー・ダウンフォースに変更したものの、序盤はチームメイトと後方で苦戦。3セット目のタイヤでようやくマシンがよくなってきた! Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
 「9番手から徐々に上がっていくはずが逆方向になってしまいました」

Jack Amano(以下――):本当に厳しく、大変なレースだったでしょう? 序盤に大きくポジションを下げて、なかなか上がって来ることができませんでした。

佐藤琢磨:うん。今日は9番手からのスタートだったので、そこから少しずつ上がって行くというのが理想だったんですけど、逆方向になっちゃいましたね。ダウンフォースとしては、ミディアム・ハイぐらいで出てったんだけれども、バランスが悪かった。バランスが悪い上に集団の中では結構な空気抵抗を感じていて、とにかく前に上がって行けなかった。ダウンフォースがなくて近づけないし、近づけたとしてもバランスが悪いからコクピット内のツールももう使い切っちゃってましたね。クルマをうまくターンさせて行くことができない状態でした。

誰かに並びかけることができても、抵抗がすご過ぎて前に出ることができなかった。それで、ピット・ストップではロー・ダウンフォースに変更し、それを試すことにしました。同時に、タイヤの内圧のセットもコンディションやセッティングに合っていなかったので、酷い目に遭いました。最後尾まで行っちゃった。

――まさか、あんなに急激に後方まで下がるとは想像もしてませんでした。

佐藤琢磨:本当に何だかわからないけど、チームメイト同志で一番後ろを走ることになりました。とにかく、あの時点は苦しかった。グリップ・レベルもバランスも、スピードも全部が厳しかった。で、3セット目でようやくタイヤの内圧を良くすることができました。ダウンフォースはそのままキープして一気に良くなりました。でも、スピードとしては速いんだけれども、やっぱり集団の中、前に10台以上がいる状況では、ダウンフォースがないと前にくっつけない。だからポジションを上げて行けない。そういう話をピットにして、今度はハイ・ダウンフォース、マキシマムに近い状態までダウンフォースを上げました。そうしたら徐々に、徐々にポジションを上げて行くことができました。

「結局、ダウンフォースは3つのグループに分かれていた!」

――もうレースがかなり後半戦に入ってからのことでしたね。
佐藤琢磨:そうでしたね。リスタートで大きく順位を上げたシーンがありました。しかし、一端前に出たら、今度はつけたダウンフォースが重過ぎて……という状況に陥りました。結局、今日のレースではグループが三つに分かれてたってことだと思います。ひとつは前の方で常に戦ってたグループで、軽いダウンフォースだったんですよ。前に2~3台しかいないと、空気もちゃんと当たるので走れちゃうんですよね。真ん中のあたりの人たちは、そこを行ったり来たりしてました。そして、後ろにいる人たちが上に上がって行くには、よっぽどクルマが速くなくちゃダメだった。ヘビー・ダウンフォースにして……ということですよね。僕らは、もうポジションを大きく上げた後の、最後のピット・ストップでリヤのダウンフォースを落としたいってチームには言ったんだけれど、イエローで集団で一気にピットに入る状況だったので、チームはウィングは変更しないことに決めました。だから僕は最後のバトルは、かなりダウンフォースをつけた状態で戦わなくちゃならなくなった。

――コース幅いっぱいに広がったすごいリスタートもありましたね?

佐藤琢磨:あそこは今日の僕のレースではハイライトでした。8台が並んだってレース後に誰かが言ってたけど、すごい戦いになって僕は一気に4番手にまで上がることができました。その上、あの時点で自分の前を走っていたクルマというのは、ゴール前に一度ピットに入る必要があった。

――燃費も重要なファクターというレース展開になってましたね?

佐藤琢磨:もうレース終盤、多くのドライバーたちは燃費をかなりセーブしないといけない状態でした。みんなフューエル・セーブをしてましたよね。僕もリーン・ミクスチャーに切り替えていて、前に誰かを行かせて引っ張ってもらう作戦にしてました。それが、セイジ・カラム(チップ・ガナッシ・レーシング)のクラッシュによって、長いフル・コース・コーションが出たから大丈夫になった。アレで燃料はまったくオッケーということになった。前にいたのはギャビー・シャヴェス(BHAウィズ・カーブ・アガジェニアン)しかいなかった。あの時は、コレはもう行けるぞ! って思ってたんだけどね。
(その2に続く)

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