2015年7月20日月曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R13 アイオワ・コーン300 Race Day 決勝 その2:「スタート時のタイヤ・プレッシャーをシッカリ合わせ込む難しさを痛感したレースでした。ショート・オーバル2戦はクルマをうまく合わせ込むことができず、悔しいです」

Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
「マシンがよくなるのが少し遅すぎました」

Jack Amano(以下――):厳しいレースになってましたね。

佐藤琢磨:スタート時のタイヤ・プレッシャーをシッカリ合わせ込むっていうのが本当に難しい。それを痛感しましたね。合わせるのに2~3スティントかかっちゃった。空気を入れ過ぎて、今度は落として……と行ったり来たりしてました。


 1回、ミドル・スティントですごくいい時があったんですよ。セバスチャン・ブルデイを追いかけてる時で、18秒5でコンシスタントに刻めてました。あの時のクルマはとても良かったんですけど、ちょっとでもバランスが崩れるとアクセルを踏んで行けなくなる、そういうレースでした。ラップ・タイムがちょっとでも落ちると、そこから戻れませんでしたね。ホントに厳しかった。それでも最後のスティントはピシャリとタイヤの内圧がコンディションに合って、フレッシュ・ラバーですごくいいペースで走れてました。もちろん、気温も路面温度も下がってたから、最後のスティントがいちばんよくなるっていうのはあるんですけど……。ただ、少し遅過ぎましたね、マシンが良くなるのが。

――それでアクシデントになってしまったワケでしたが……。

佐藤琢磨:はい。右フロント・サスペンションが壊れてウォールに一直線でした。ちょっと怖かったアクシデントでした。

「ダウンフォースの差でスピードの違いが生まれていました」

――全般的にオーバーテイクは多いレースになっていたと思います。戦っていた身としては、どう感じていましたか?
Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)

佐藤琢磨:1列で走ってることもありましたけど、タイヤのシークエンスがちょっとズレていたってコトもあったし、あとやっぱりダウンフォースの差でスピードの違いが産まれてましたね。ダウンフォースがコンディションに合ってるドライバーは速くなっていたけれど、コンディションが変わって最終的に遅くなっちゃう……ってコトも起きていたように見えていました。
 優勝したライアン・ハンター-レイは、グリッドで見た限り、今日、ホンダ勢の中でいちばんダウンフォースを着けていました。アンドレッティ・オートスポートは、ダウンフォースを4人が別々の着け方にしていたんですよ。そして、おもしろいことにダウンフォースを多くしていた順に決勝のフィニッシュ順もなってました。
 ダウンフォースは、もちろん着け過ぎたらスピードが伸びないんだけれど、ハンター-レイのパッケージが今日は結果的にベストだったってことですね。僕らは彼らより2段階ぐらいダウンフォースが少ないセッティングにしてました。でも、その実際の違いっていうのは、リヤのガーニー・フラップの大きさとか、そんなものなんですよ。ホントにほんのちょっとの、数パウンドのダウンフォースが効いて来るんですよ、1スティントの60周とかを走ると。

――苦しいながら、かなり粘って戦っていましたよね。1ラップ・ダウンも取り戻したし。ピット・ストップも今日は好かったんじゃないですか?

佐藤琢磨:いや、ピット・ストップはあんまり良くなかった。遅かったと思う。ミルウォーキーよりは良かったけれど、1回すごく遅い時があった。その1回以外もソコソコでしたかね?

「次戦のミド・オハイオはもともと好きなコースなので
またトップグループで戦いたいです」


――今年のショート・オーバルは2戦連続で開催され、これで今年はもうないんですが、チーム及び自身に対する評価はどんなものでしょう?

佐藤琢磨:うまく行かなかったから悔しいし、残念です。色んな理由がありましたけど、クルマをうまく合わせ込めてなかったですよね、僕らは。オーバルという面で言えば、フォンタナは勝てるレースをしていたけれど、外的要因でリタイアとなった。その後のショート・オーバル2戦は、ちょっと自分たちがセッティングなど、フォンタナと同じような体制を整え切れかった。反省点が多くあったと思います。

――ミルウォーキーでいい感じがあったので、アイオワは期待が持てていたところもあったと思うんですが?

佐藤琢磨:そうでしたが、実際にはとても難しかったですね。やっぱり、コンディションにマシンを合わせるのが、元々テストをしてじゃないと無理なんですよ。ナイト・セッションなしでレースだったから。そこはチームのリソースの大きさとかが物を言って来る。アンドレッティは4台全部のダウンフォース・レベルを違えるなんて戦い方をしていた。彼らでさえ、今日のレースでどんなダウンフォースがベストなのかはわかってなかったってコトですよ。4人のドライバーたちが自分の好きなようにセットアップしたんだと思います。今日はペンスキーも速い人と遅い人がいた。それだけ難しいってことだと思います。

――さぁ、次は1週間お休みの後にミド・オハイオですね。抱負を聞かせてください。

佐藤琢磨:久々のロードコースですね。バーバー以来ですね? ここ数年、ミッド・オハイオはあんまり良くないんですけど、元々は結構好きなコースです。インディーカーに来た頃はかなり前の方を走ってましたから、今回はまたトップグループで戦いたいですね。
以上

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