2015年6月9日火曜日

2015 INDYCAR レポート R9ファイアストン600:エアロ新レギュレーション考察


ホイールガード前後を塞ぐ新レギュレーション導入
エド・カーペンターのリヤ・ウィング。テキサスでのエアロ・ルールにより、DW12の純正メイン・プレーンを使用。エンド・フェンスが今回のパッケージングでは採用されている。 Photo:Masahiko Amano
 もう御存知のとおり、テキサスからホイール・ガードが前後ともカバーされることになった。リヤ側はほぼフラット。タイヤ側はやや丸みを持った形状。両マニュファクチャラーは各エントラントに2組ずつを大急ぎで供給。構造が複雑ではないので1週間ほどで完了したようだが、この追加パーツの代金を彼らがチームに請求することは、おそらくないだろう。


バーティカル・ウィッカーを装着しているのはホンダのみ


ジェイムズ・ジェイクスのマシン・フロント部。ノーズ・ピースが終ったところからコクピットの前まで、マシン中央部に装着された浮上がり&横転防止エアロ・ピース(正式名称不明:ウィッカーなどとも呼ばれる形状)。これをシボレーも装備すべき。彼らはマシン後部のエンジン・カバー部も浮上がり防止能力に長けていないのだから。Photo:Masahiko Amano
 インディー500のプラクティスで回って飛んで裏返ったのはシボレーの3台だけ。ホンダのエアロ・キットにはこのカバーの装備は必要がないのかもしれない。しかし、安全対策は慎重に……ということでホンダにも装着義務が課せられた。それはいい。しかし、マシンの浮上がり防止策であるマシン・センターを走るウィッカーがオプショナルとされているのはいかがなものか。ホンダ・ユーザーはインディーから装着していたが、シボレー勢は着けなかった。3台がスピンし、飛び上がり、裏返った後もウィッカーの装備は行われていない。ホンダ勢はテキサスでも装着している(写真はジェイクス車のノーズ)が、シボレーはゼロ。マニュファクチャラーが作っていないということなんだろう。

佐藤琢磨はプラクティス1でも試した左右非対称ウィングレット仕様でファイナル・プラクティスを走った。マシン右側はスーパー・スピードウェイ用の小型のもの、左側はロードコースでも使われるホイール・ガードを縦方向に伸ばしたようなボックス形状のものを装着している。 Photo:Masahiko Amano
Photo:Masahiko Amano

 インディーの予選専用サイド・ポッドと、エンド・フェンスなしのリヤ・ウィングというコンビネーションでなければマシンが浮上がる心配はナイということなんだろうが、インディーカーはホンダにもホイール・ガード・カバーの装着という負担を依頼する前に、シボレーにウィッカー装着を強く指示するのがスジだろう。ホンダはエンジン・カバーもスピンしたマシンを浮上がらせないノヴァイ・ウィング・デサインになっている。シボレーのは丸みを持たせたデザイン。そこにも真ん中に1本、浮き上がり防止ピースを装備させるルールとすればいい。

トップ4のシボレー・リヤウイングをチェック
2位のTKは両サイドのウィングレットを装着。勝ったディクシーも同じセッティング Photo:Masahiko Amano


3位のエリオは左右非対称セッティング=ウィングレットは外側だけ。ペンスキーでは一番ダウンフォース多め Photo:Masahiko Amano
4位のモントーヤはウィングレットなし(!) パジェノーもパワーも同じセッティングだった。Photo:Masahiko Amano

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