Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
僕らは前のほうからスタートできていたはず」
Jack Amano(以下――):長いレースになってましたね。
佐藤琢磨:いやぁ長かったね、確かに。最後はタイム・レースになっちゃったぐらいだったし。コンディションも目まぐるしく変わってました。でも、今日の予選の話まで戻るけど、なんでアレって20分になってたの? あのルールっておかしいよね?
――なんで12分だったものを20分にしたんでしょう?
佐藤琢磨:12分のままだったら予選2グループともできてたのに。で、予選ができてたら僕らは前の方からスタートできてたはず。ホント、わからなかった。
――15番手という後方スタートだったので、序盤は慎重にならざるを得ないですよね?
佐藤琢磨:そうでした。特に、昨日も僕らは好いリザルトに繋がらなかったし、今日は長いレースになると思っていたので、いつも以上に慎重にスタートしたし、その後もリスクがありそうなところでは何度かバック・オフして順位を落とした時もありました。ジックリ行きましたね。
――スタート時から周りにはトニー・カナーンやライアン・ハンター-レイといったウルサ型というか、抜きにくい相手も多かった。
佐藤琢磨:そうですね。でも、彼らの場合は勝手知ったるじゃないけど、いいバトルができるんで心配なかったんでう。それよりもセイジ・カラムだとか、ルカ・フィリッピとか、コナー・デイリーとか、若くてあぶなっかしいのがいっぱいいたので、気をつけてました。
「本当は早めにスリックタイヤにする予定でしたが
ウェットタイヤでステイ・アウトしました。それが良かったですね」
――レースがスタートしてから、雨は降らないと見られていたのに降り出しました。強くはないけれどコンスタントに降り続けたました。
佐藤琢磨:そうでしたね。だから、ジェイクスがスリック・タイヤにして、ラップされてたでしょ? あの時にジェイクスがすごい閉めて来ちゃって、あの影響で2台に抜かれちゃいました。アレを見て、僕らも本当は早めにスリック・タイヤにする予定にしてたんだけど、あの時点で更に雨が降り出すとは思いもよらなかったので、ウェット・タイヤでステイ・アウトしました。それが良かったですね。なんだか今日の僕らはウェットになればなるほど周りと比べてペースが良くなって行きましたね。路面が乾き出して来ると結構厳しかった。それがクルマの差なのか、タイヤの使い方なのか、内圧なのかわからないんだけど、そういう傾向がありました。だから、雨が降り出して来た時に僕はどんどんゲインできた。ハンター-レイも抜けたし、他にも何台かをパスできました。その後またドライになって来て、最後はドライ・タイヤにしました。あのタイミングでスリックに換えたる時には、まだ路面が結構濡れていたし勇気が要りました。でも、換えてからは思い切り行きましたね。
――トップ10 に入るまでに今日はかなり時間がかかりましたよね?
佐藤琢磨:はい。ホントはもうちょっとレインでズバズバ行きたかったんですけど、今日のコンディションはすごく抜くのが難しかった。多分周りもそんなに動きがなかったと思います。みんな1列になっちゃってた。意外にオフ・ラインが、ウェットだとグリップしてくれなかった。
「ピットは昨日も今日も良かったです」
――そういう状況ではピット・ストップでポジションを落としてなどいられないワケですが、今日はピットが良かったんじゃないですか?
佐藤琢磨:はい。ピットは昨日も今日も良かった。素晴らしい仕事をしてくれて、よかったです。今年のこれまでのレースではちょっと不運にも見舞われて、ピット・ストップがあんまり速いのがなかったんですけど、本来みんなデキる人たちですから、本来の力を出せて来たというか、クルーも本当に頑張ってくれました。今日の場合、前の方を走ってクルーにもプレッシャーがかかっていたと思います。トップグループだと緊張感が全然違いますからね。もちろんいつだって手を抜くことはないですけど、今日のようなすごい緊張感の中で、みんながイエローで一斉に入って来るような戦いでも非常に素早い作業をしてくれていました。彼らがバック・アップをしてくれたので、レースがやり易かったです。
「最後のピット・ストップでは僕がレッドだって言い張りました」
――最後のピット・ストップの後が激しいポジション争い、それも上位陣でのバトルになりました。どんな気構えというか、モチベーションで終盤を戦ってたんでしょうか?
佐藤琢磨:あの時、チームはブラック・タイヤで行くって言ってたんですよ。昨日もブラックを使ってたし。でも、今日は僕がレッドだって言い張りましたね。
――気温、路面温度ともに低かったからですか?
佐藤琢磨:そうです。100パーセントのドライにはもう絶対にならないと思ったから、そういうコンディションではレッド・タイヤの瞬発力が絶対に必要だって考えたんです。心配されたグレーニングとかも、路面の温度が低いから今日は絶対に大丈夫と思ったし。”レッドにして!”って頼んだのがギリギリのタイミングで、ピットに入る前のラップのターン11とか12のところで話したから、クルーたちは大慌てだったと思うけど、ちゃんとレッドを履かせてくれました。
――あそこでウェットを選んだチームもありましたが?
佐藤琢磨:あそこはもう絶対にスリックでしたね。もう1、2周引っ張る話もありましたけど、そういう意味で、今日はラリー・フォイトといっぱい無線で話しながらレースをしました。チームとしても、非常にレスポンスがよかったです。
その2に続く
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