2015年6月1日月曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R7・8 シボレー・デュアル・イン・デトロイト Day3 Race2 その2:「最終ラップまでどうなるかはわからないので、ずっと攻め続けていました。そういう意味では、今回表彰台に上れたのは、本当に雨のおかげ。シーズンのこのタイミングで表彰台に上れたっていうのは、、チームにとってもものすごく意味のあることだと思います」

Photo:INDYCAR(Joe Skibinski) クリックして拡大
「リスタートのたびに気合を入れてポジション・アップを目指してました」
Jack Amano(以下――):レース終盤にはステイアウト組が3人が先頭にいたシーンもありましたが、あの辺で表彰台の可能性が見えて来てました?
佐藤琢磨:うーん、そう……でしたかね? あそこでは8〜9番手ぐらいだったと思います。それで、先頭の3台がステイアウトでウェット・タイヤ装着だったんですよね? あそこのリスタートは、すごく慎重に行きましたが、チャンスだとも感じていました。トップの3人がピットに入ったら5番手まで上がれる。5番手になったら、"あとは表彰台目指して頑張るぞ!”ってなれますからね。そういう風に自分の中では考えてましたけど、でも、その状況になるまでは本当に何がどうなるかなんてわからないですからね。あとはもうその場任せというか、リスタートの度に気合いを入れてポジション・アップを目指してました。

「グレアムと並んだままにしてたら
どっちかが壁にぶつかってたでしょうね」


――レイホールとのバトルではかなり激しくドアを閉められ、接触しましたね。車体半分ぐらい、もう並びかけてましたけど。あそこでマシンが壊れなくてよかった。
佐藤琢磨:そう、グレアムはかなり来ましたよね。僕はもうオフロードじゃないけど、縁石に上るとこまで寄せられちゃって、”ちょっと待ってよ!”って感じでした。彼がターン・インを始めた時に、こっちはブレーキを踏んで引いた。僕としては、あのままサイド・バイ・サイドでコーナーを走る予定にしてたんだけど。並んだままにしていたら、どっちかが壁にぶつかってたでしょうね。僕とすればグレアムを押し出すこともできたけど、ホンダ同士だし、元自分のチームだし、あんまり酷いことはしたくなかった。でも、アレはちょっとドキッとしました。
――さらに強烈なブロッキングもありました。
佐藤琢磨:あれは酷かったね。昨日のカラムと一緒だった。インディカーがアレをちゃんとペナルティにしてくれたからよかったけど。
――レース後、表彰式の前に話してましたが、グレアムから何か言われましたか?
佐藤琢磨:何も言ってましせんでした。ペナルティを彼の方は受けたんで、いいんじゃないですか?

「最後のリスタートは、あまり美しくなかったですね
あれもあったから何とかブルデイをパスしたかった」


――次にモントーヤのリスタートでのパスについて、聞かせてください。
佐藤琢磨:アレは、ブルデイのチェック・アップが原因ですね。僕もブレーキしてましたよ、あの時。
――あそこは徐々にスピードを上げて行くことがセオリーというか、マナーというか、インディーカーから指示が出ているんですよね? でもレース・リーダーがそうはしていなかった。やった者勝ちって感じですか?
佐藤琢磨:そうですねぇ。でも、ちょっと難しいですよね、アレは。最後、グレアムは僕に追突してたし。あんまり美しくなかったですね、スタートとして。結構ヨーロッパでは日常茶飯事だけど、アメリカでは結構綺麗に整列して、1コーナーからが勝負ですよ……みたいな感じがあります。まぁ、しょうがないんじゃないですか? でも、それがあったから余計に最後のリスタートでブルデイを喰ってやろうって思ってたんだけど、最後もブレーキを踏まざるを得なかったから。ちょっとヤラレちゃったかな? あと、スタート・ラインに行くすぐ前にキンクがあるじゃないですか。そこに行く前に勢いをちょうど合わせなくちゃいけない。それはもう、ほとんど不可能。だから届かなかったですね、今日は。

「最後、ラップ・タイム的にブルデイに離されちゃったのは残念
これからも、もっとクルマを速くできるよう頑張ります」


――モントーヤを抜いて2位に上がってからレッド・フラッグ。アレ無しでレースが続いてたらトップに出るチャンスがあったんじゃないですか?
佐藤琢磨:うん、そうでしたね。彼らは燃費が非常に厳しかったはずだしね。プッシュ・トゥ・パスと周回数を考えたら、可能性はありましたね。ところがタイム・レースになってて、2時間でゴールとなると、再スタートから3周しかないって変わっちゃった。それでチャンスも半分になっちゃってました。
――1回、ブルデイの背後に迫りましたが?
佐藤琢磨:願わくば、あそこでもうちょっと深く入りたかった。でも、ターン7の内側は湿ってたんですよ。ラインじゃないところでのブレーキングはリスクが大き過ぎましたね。
――後ろにはレイホールが来てましたが?
佐藤琢磨:そっちはそんなには心配してなかったです。でも、あの辺りからクルマがあんまり曲がらなくなって来てました。最後まで戦って、今日は力を出し切ったって感じでしたね。ウェットからドライに変わって行くだけの展開だったら、2位まで順位を上げることなどできなかったと思います。でも今日は雨が途中で激しくなったり、何回もリスタートがあったり、結構荒れたので僕としてはチャンスがいっぱいあった。リスタートでうまく順位を上げたりもできました。最後はもう、ラップ・タイム的にブルデイに追いつけなかった。離されちゃったでしょ? それは残念でした。これからも、もっとクルマを速くできるよう頑張ります。ホントに頑張りたいですね、そこは。
「また勝ちたいなぁ、という気持ちはさらに強くなっています」

――今シーズンはエアロキットが新たに登場しました。そういう状況下、シーズン前半戦の間に今日のようなレースができ、表彰台に上れたことは意義が大きいのでは?
佐藤琢磨:そうですね。非常に嬉しいです。マシンのスウィート・スポットがすごく狭いから、完全にうまくオプティマイズというか、最大値のところに仕上げられればライバル達といい勝負ができると思うんだけど、全体的には、やっぱりシボレー勢に押され気味で来てる。状況は非常に難しいとも思ってたんすけど、雨が降ればこうしてチャンスが産まれるし、昨日の第7戦の序盤にはペンスキー勢3台を抜いて行けた。あれは本当に気持ちがよかったですよ。また勝ちたいなぁっていう気持ちは更に強くなっています。今日も雨のスタートになったのは内心嬉しかったし、レース前半には順位が思うように上がらなかったけれど、最終ラップまでどうなるかはわからないっていう話をドン(・ハリデイ)と話をしてたから、ずっと攻め続けていました。そういう意味では、今回表彰台に上れたのは、本当に雨のおかげでした。チームもミスなく、しっかりバック・アップしてくれてました。だから、シーズンのこのタイミングで表彰台に上れたっていうのは、、チームにとって物すごく意味のあることだと思います。
以上

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