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最後のピットインで痛恨のロスタイム
寒さの中での熱いレースだった。
難しいコンディションで名手たちも次々クラッシュを演じた。気温はレースを通じて10〜11℃しかなく、路面は13℃という冷たさ。ファイアストンのエンジニアも、「レースを行なえるギリギリの路面温度」と話していた。
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ところが、最後のピット・ストップでモントーヤが勝機を手放した。フロント・ウィングを立てるセッティング変更にクルーが手間取っている間にスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)とセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)が先行したのだ。
しかし、ディクソンはここでウェット・タイヤを装着する理解しにくい作戦だったため、案の定リスタート後に優勝争いから脱落した。モントーヤにはまだ運が残っているように見えた。はブルデイさえ攻略すればよい状況となっていたからだ。
ブルデイ、トリッキーなリスタート
スロットルを戻したモントーヤは後退し佐藤琢磨が2位に浮上!
逃げるブルデイ。追うモントーヤ。元CARTチャンピオンで元F1ドライバー同士の戦いは、ウェット・コンディションを得意とするブルデイが先行している分だけアドバンテージがあった。
抜き切れずに苛立っていたモントーヤは、リスタート前のスピード・コントロールでブルデイの術中に嵌り、アクセルを戻したために佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)にパスされた。さらに続けてグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)にまで抜かれて4位に下がった。
70周のレースは、度重なるコーションにより、スタートから2時間でゴールとなった。インディカーがレースをグリーン下で終らせるために赤旗を出し、レースは一旦ストップ。再開後の3周の勝負にグリーンフラッグが振られ、琢磨は逆転優勝を目指してアタックした。しかし、ブルデイはミスなくゴールまで走り切った。1.7644秒の差でブルデイは今シーズン初勝利。CARTシリーズから数えて通算33勝目を記録した。
「精神的に厳しいレースだった。路面のコンディション変化がすごく、グリップの低さがドライビングを難しくしていた。こうして勝てて本当に嬉しいよ。琢磨のアタックも最後まで警戒し続けた」とブルデイは胸を撫で下ろしていた。
2年ぶり表彰台の琢磨「チームのためにも今回の2位はいい結果」
琢磨は2013年のブラジルでの2位以来、久しぶりの表彰台。
この週末、ラリー・フォイトは的確なレースストラテジーで琢磨を支えた Photo:INDYCAR(Bret Kelley) クリックして拡大 |
最後のリスタートでペンスキー2台そろってウォールにヒット
5位まで挽回して来ていたパワーだったが、土壇場のリスタートでトゥリスタン・ヴォーティエ(デイル・コイン・レーシング)にインに入られて接触。スピンするとチームメイトのエリオ・カストロネベスを巻き込み、2台そろって壁にヒットする最悪の結果に。パワーは18位、カストロネベスは19位にランクされた。
3位はレイホール。今季3回目の表彰台で、ポイント・スタンディングでエリオ・カストロネベスを1点差ながら抜いて4番手に浮上した。
燃費に苦しんだモントーヤ、ライバルの脱落に助けられ
結果的にポイントランキング2位との差を広げることに
モントーヤはゴールを目前に燃費の苦しさもあり、10位まポジションを下げてフィニッシュ。それでも、ランキング上位の多くがリタイアしたのでポイント・リードを保ち、パワーとの差は21点に広がった。 「いいマシンとできていた。特に雨の中で速かった。10位でのゴールとはなったが、ウィル・パワーとのポイント差は広げることができた」とモントーヤは語っていた。一方のパワーは、「ステアリングのトラブルで作戦はみんなと違うものになった。そこからはリスタートで順位を上げて行った。最後にクラッシュしたのは残念だった。ガッカリしている。しかし、テキサスで好結果を残すつもりだ」と話した。
ホンダは2年前のようなデトロイト完全制覇こそならなかったが、レース2でも2人がポディウム・フィニッシュ。しかも、今日のレースでホンダ勢は2位から9位までを占めた。8人もがトップ10でゴールしたのだ。
以上
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