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パック・レーシングがほぼ復活していた。2011年ほどではなかったが、それに近いワイルドさになっていた。その裏には幾つかの事情が絡んでいた。
まず、今回のフォンタナは日中のレースとされたので、インディーカーがウィングのルールをテキサスとは違えた。バンクの傾斜角度が14度とフォンタナは小さい(テキサスは24度)ので、リヤ・ウィングのアングルを0度まで立ててよいことにした。今年のテキサスではマイナス6度~マイナス10.5までとされていた。
次に、テキサスで摩耗の激しかったタイヤを、ファイアストンに依頼し、右フロントを摩耗の少ししにくい仕様にしてもらった。
そして、各チームはというと、テキサスで欲を張り過ぎて痛い目に遭った=ダウンフォース少なく設定し過ぎてハンドリングがおぼつかなかった=面々が、今回は日中のレースということでダウンフォース不足に陥ることを警戒し、ウィングを立てて行っていた。
レース序盤から終盤まで3ワイド、4ワイドの展開が続いた Photo:INDYCAR (Chris Jones) |
レイホール、2008年開幕戦以来の勝利!
そんなレースを制したのはグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。ピット作業のミスで給油ホースが繋がった状態で発進し、燃料をバラまきながらピットアウトしたレイホールは、給油リグをコース上に落とす事態を巻き起こしたが、ペナルティは発せられなかった。インディーカーの最近の新ルールにより、レース後の審議でペナルティは決するということのようだ。
「やっと勝てた。初勝利から2勝目までが本当に長かった」とレイホール。2008年の開幕戦セント・ピーターズバーグ以来となる勝利は、父ボビーのチームで記録する初めてのものともなった。
「チームが本当に頑張って来ている。ホンダも休み無く働いて来てくれている。今年はシボレーに完敗しているが、エンジンはすごく良くなっているし、エアロでも彼らは努力を続けてくれている」とレイホールは語った。
「レースが楽しかったとは言えない」とリスクを憂えるカナーン
2位はトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)。豪快な走りを冷静な状況判断で行える彼ならではのパフォーマンスだった。「今日のレースが楽しかったとは言いたくない。リスクが大きなレースになっていたからだ。しかし、僕らは与えられたマシンで戦うために雇われている」とカナーンはコメントした。
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アンドレッティ、ニュータイヤで勝負をかけたが及ばず
3位はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。予選3位。スタート直後にトップに立った通り、マシンの仕上がり具合は非常によかった。レース中盤は燃費セーブも心がけて大人しくしていた。彼は残り3周でのリスタートを前にピットロードへと滑り込み、フレッシュ・タイヤへと交換。グリーンフラッグにどうにかギリギリ間に合って、タイヤの高いグリップ力を武器に3位まで浮上。しかし、優勝には届かなかった。
「あそこでインに行くべきじゃなかった。グレアムがそう出るのを見越してアウトに行くべきだった。そうしたら勝っていたのは僕だった」と彼は悔しがった。
レースを通じてトップ争いを演じた琢磨だったが……
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)はパック・レーシングで生き生きと戦っていた。1回目のピットストップ後にトップに立ち、レース中盤に一時ポジションを落としたが、そこから復活。さらにはリヤ・ウィングのダメージ(フロントも1回ダメージ=ともにセイジ・カラムが接触して来たため)によって周回遅れに陥ったが、そこからリード・ラップに返り咲いた上、三度トップ争いへ。そのファイターぶりは素晴らしいものがあったが、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)のサンドイッチになってパワーとともにクラッシュした。優勝の可能性充分だっただけに、残念な結果だ。
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ホンダは今シーズン3勝目。シボレーとのヘッド・トゥ・ヘッドでの戦いを行っての勝利を地元フォンタナで飾った。
以上
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