2015年6月16日火曜日

2015 INDYCARレポート 佐藤琢磨コメント R10 ホンダ・インディー・トロント Race Day 決勝:「結構短く感じたレースでした。イエローも2回しか入らなかったし、意外にアッという間に終っちゃった。ちょっと雨が足りなかったですね」

パジェノーを従えてターン1にアプローチする佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
「今日は上のほうを走っていたので
タイヤを変えるタイミングは先手を打てませんでした」


Jack Amano(以下――):ポジション争いの激しいレースになってましたね。

佐藤琢磨:そうでしたね。ウェット・コンディションでは良かったと思います。スコット・ディクソンの列でずっと走っていて、その中でファン・パブロ・モントーヤがミスしてポジションを上げたりで序盤は6番手を走ってました。ソコソコ良かったと思うんですが、タイヤを換えるタイミングは、今日は上の方を走っていたので先手は打てませんでした。周りの様子を見ながらになってました。ただ、もう1周ぐらい早く入ってても良かったかな、とも思いましたね。アレで何台かに先に行かれてしまったので。
 次のピットストップはフルコース・コーション中で、ブラック・タイヤに換えたわけですけど、あそこでふたつぐらいポジションを落としてしまいました。ちょっと、うまく回っていないかな……という気がしましたね。
 路面が完全に乾き始めてからは、僕らのペースが今一歩でした。特にブラック・タイヤではかなりクルマがナーバスで、あんまり速くなかったですね。ただ、ブラックにする前のレッド(ユーズド)ではリーダーよりも速いラップを刻めていて、前を追いかけることができていました。

「今日は一回ブラックを使わなくてはならなかった
ブラックも速いタイヤですが、僕のクルマにちょっとあっていなかった」


――その時のラップが暫くレース中のファステスト・ラップになってました。

佐藤琢磨:そうでした。だから、あの時はレッドで行けるんじゃないか? って思ってたんだけど、今日は1回ブラックを使わなきゃいけなかったんですよ。ルールによってではなくて、タイヤのセット数が足りなくなってたんです。レッド・タイヤを1セット、ホイールから外しちゃってた。雨のレースだったからレッド・タイヤを3セット使いたかったんだけど……。ただ、ブラック・タイヤだってバランスさえ合えば、すごく速い、コンシスタントなタイヤだった。ただ、僕のクルマにはちょっとバランスが合ってなかった。そして、最後のピットでレッドに戻した。新品のレッド。ところが、その最後のストップで何か問題があって燃料が全部入り切らなかったんですよ。それで、最後は燃料をセーブしながら走らなきゃいけなくて、余計にペースが上がらなかったです。

「決勝はフル・ドライとウェットの中間ぐらいのセッティング
フル・ドライになってからはもう一押しのスピードが欲しかったです」
 

――序盤にはエリオ・カストロネヴェスとのスリリングなバトルがありましたね?

佐藤琢磨:彼のタイヤはすでに暖まっていて、僕は出て行って1周目の1コーナーでした。彼がコースのイン側に入って来たんだけど、まだ路面は濡れてるところに彼の方は足をすくわれたというか、曲がり切れない、止まり切れないで僕の内側に入って来た。ただ、エリオらしく最善の方法でアクシデントは避けてくれましたね。ドリフトしながら僕のマシンにちょっとだけ当たって、お互いに態勢を崩したけどスピンには至らず、みたいな感じで助かりましたね。

――次にモントーヤが攻めて来ました。

佐藤琢磨:モントーヤとのバトルは結構激しくやったけど、あそこで順位を上げられたのは良かったかな。

――さらにレイホールがずっと後ろにつけてましたね。

佐藤琢磨:はい。突っついてましたね。彼の方がちょっとメカニカル・グリップ、トラクションが良くて、なおかつ彼らはダウンフォースを僕らより低く設定していたので、ストレートが結構速くてね。何度も何度もディフェンスしたけども、シモン・パジェノーがピットから出て来て、コールド・タイヤで、僕が彼の後ろでにっちもさっち行かなくなったところをうまく前に出られちゃって、僕らは順位を落としました。今日も彼らは相変わらず速かった。そういう意味では彼らには今日届かなかったけれど、もしパジェノーとの一件のところでうまく抑え込むことができていたら、そのままでゴールまで行けたかもしれないね。

――レイホールが前に行ってからは燃費のこともあって追うのが難しい状況になってたんですか?
佐藤琢磨:そうですね。もちろん全力で追いかけてはいたんだけれども、やっぱり出来ることにはちょっと限りがあったというか……。パワー・ベスト(という燃料セッティング)も使えなかったし、オフ・スロットルしながらの走りとしなくちゃならなかった。でも後ろにパジェノーがいたから、あんまりノンビリもしてられなかったです。

――それにしても、本当に気の抜けない85周になってましたね?

佐藤琢磨:そうですね。だから結構短く感じましたね、レースも。イエローも2回しか入らなかったし、意外にアッという間に終っちゃった。ちょっと雨が足りなかったかな。

――ドライのセッティングはもうちょっとのところがあった。

佐藤琢磨:はい。今日の午前中のプラクティスでちょっと濡れたコンディションからドライよりのものを試したんだけども、小雨が降ってた中だったこともあって、あのコンディションでは足回りをソコソコ柔らかくしてった方がグリップ感があったので、決勝もフル・ドライとウェットの中間ぐらいのセッティングで行ったんです。だから濡れてる状況からドライに変わって行っている時は良かったんだけど、フル・ドライになってからっていうのは、もう一押しのスピードが欲しかったですよね。

――75周ぐらいで小雨が降り出した時は?

佐藤琢磨:ザーッと降れ! って思ってましたね。もう1回ピットに戻ってウェット・タイヤにする、そういう感じになったら、ちょっと前は離れてたかもしれないけど、コーションでも入れば一気に良いチャンスになって、また上位入賞の可能かと思ったけど、そうは行かなかったですね。

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