2015年6月14日日曜日

2015 INDYCARレポート R10 ホンダ・インディー・トロント Day2 予選:ウィル・パワーが今季5回目のポールポジション

通算41回目のポール・ポジションを獲得したパワーは、リック・メアーズを抜いて生涯通算PP獲得数で単独5位に Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
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ファスト6をシボレー・ドライバーが独占!

 
 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がチャンピオン争いに踏み留まる強い意志を見せた。今季5回目のポールポジション獲得! 「シリーズ最速は今も俺だ」と走りでアピールした。


 ファイアストン・ファスト6に進んだのはいずれもシボレー・ドライバーだった。チーム・ペンスキーはエリオ・カストロネヴェスがセグメント2で7番手となって惜しくもファイナル進出を逃したが、ランキング・トップのファン・パブロ・モントーヤ、シモン・パジェノー、パワーの順で悠々とトップ6入りをしてみせた。チップ・ガナッシ・レーシングからは先週のテキサスで今季2勝目を挙げたばかりのスコット・ディクソンがファイナルに駒を進め、昨年トロントで優勝しているセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)、ストリートで光る走りを見せて来ているイタリア人ドライバーのルカ・フィリッピ(CFHレーシング)が二強以外からファイナル進出を果たした。

路面温度が高くなる中での予選だったが、予想外にタイムは伸びず

 朝から曇り空の広がっていたトロントだが、予選を前に一気に青空が広がり、気温、そして路面温度が上昇した。午前中のプラクティスではブラック・タイヤ使用で59秒台が出ていたので、予選は58秒台に入るものと見られていたが、意外やタイムの縮み率が小さく、ファイナルでのトップ争いですら59秒台で繰り広げられた。
 
 トロントではエントリー23台で上位と下位の差が激しくなっており、予選で第2セグメントに進めなさそうな顔触れはかなり的確に予測できる状況にあった。アンドレッティ・オートスポートはセッティングで深い闇に陥っていたし、デイル・コイン・レーシングはドライバーたちの経験不足もあって苦悶。そのほかのチームで走るルーキーたちもトロントの路面には完全にお手上げ状態だったからだ。

レッド・タイヤ温存のチャンスをもらった第一セグメント2組目だったが

 そうした中、今日は難しい方のグループとされた2組目にちょっとした幸運が提供された。大半のドライバーたちがブラック・タイヤ装着でセッションを走り始め、終盤にレッドへとスイッチするというセオリーで戦うのだが、ブラックでのアタック完了から少し経過したタイミングでルドルフォ・ゴンザレス(デイル・コイン・レーシング)がクラッシュ。レッド・タイヤでのアタックが始まった……ぐらいのタイミングで赤旗が出され、そのままセッション終了となってしまった。
 この時点まででトップ6に入ってさえいれば、レッド・タイヤはほぼ未使用でセグメント1をクリアできることとなったのだ。その幸運に浴したのはカストロネベス、ジョセフ・ニューガーデン(CFHレーシング)、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、ディクソン、ジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、そして佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。彼らは残るセグメント2、そして予選ファイナル・ステージにレッドを1セットずつ持っているに近い状況が与えられることとなったのだ。しかし、このチャンスを活かしてファイナルに進んだのは、ディクソンひとりだけだった。

「モントーヤのセッティングで走った」

 セグメント2まではトップ6に入りさえすればよい。セグメント1の59秒9494、セグメント2での59秒8077、パワーはどちらも3番手だった。誰かのアクシデントによるトップ6入り確定という幸運に今回恵まれなかったパワーだが、ファイナル進出までは敢えて最高のパフォーマンスを出し切らず、タイヤへのダメージをできる限り小さくしてファイナル・ステージでポール獲得に全力を注いだ。終盤になって59秒5920を出し、トップに立った彼は、最後のラップで59秒4280をマークした。強烈な連続2ラップでキャリア通算41回目のポール・ポジションを掴んだのだ。
 「まさかポールが獲れるとは……。4位から6位になるだろうと考えていたんだ」とパワー。彼は、「モントーヤのセッティングで走ったが、それがとても良かった」とも話した。ファイナル・ステージ直前にパワー陣営はセッティングを変更した。その決断は正しかった。
 パジェノーは0.1815秒差で予選2位に。「ファスト6には進めているが、任務を完全に遂行できていない。一番大事なセッション終盤にベストのラップを完成させることに成功していない。今日も攻め過ぎた走りとなってタイムをロスしてしまった」とポールを逃した彼は悔やしがった。
 3位はポイント・リーダーのモントーヤ。「今日の予選はまずまず。マシンの仕上がり具合は非常に好かった。しかし、自分がドライビング・ミスをして、マシンの実力通りのラップ・タイムを出せていなかった。それでも予選3位になれたのだから文句はない」と彼はコメントしていた。

 パワーのPP獲得回数と同様、ペンスキーは今シーズンだけで予選1-2-3がこれで5回目。ライバル勢の奮起を望みたい。
 今日の4番手以下は、ディクソン、ブルデイ、フィリッピという順になった。

ホンダ最速は佐藤琢磨の8番手
しかしトップ10入りは琢磨とレイホールの2人だけ


 今回のホンダ最速は佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)による予選8位。グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が予選10位と、ホンダ・ドライバーは2人しかトップ10入りしていない。
 琢磨はセグメント2にレッド2セットを注ぎ込み、2セット目で59秒
をマーク。しかし、チェッカード・フラッグの振られたラップで3人が彼のベストを破ったため、8番手となってファイナル進出を逃した。
 「今日はポールは狙えなかったけれど、ファイナル進出は狙っていました。自分としては全力を出し切った予選が戦えたけれど、500分の1秒足りなかった」と琢磨は悔しがっていたが、手応えも同時に掴んでいた。
以上

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