Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大 |
Jack Amano(以下――):かなり速いですね、いきなり。インディーらしく雨で始まったプラクティス初日でしたけど。
佐藤琢磨:一昨年、シボレーが出て来た最初の年って走り出してからの数日間て216mphとかでトップ・タイムだったの、覚えてます? 去年、エンジンのパワーが大分上がって速くなった。だけど、こんなレース用ダウンフォースをすごくつけた状態で224mphとかって、ホントに危ない。クルマの軌跡がワーッと外に行っちゃうんです、遠心力が強過ぎて。だから、速く走ることはできるけど、曲がり切れるかどうかわからない。予選はすごいシビレる戦いになると思いますよ。今リヤについている“うさぎの耳”みたいのを外したり、ウィングをマイナス10°とかやったら……チビると思う。
――アレは外せるんですか。
佐藤琢磨:取りたければ取っていいって言われてます。アレ取ると速くなりますよ、ダウンフォースもなくなるけど。
次のエンジンは、グレアム・レイホール・スペシャル
――5時間ある予定が、半分ほどになったプラクティスでしたが、どんなことをやれた1日目でしたか?
佐藤琢磨:今日の僕らは元々エンジンのマイレッジを使い切る日になってたんです。早めに次のジェネレーションのエンジン――グレアム・レイホール・スペシャル――を搭載しなくちゃいけないから。それをメイン・テーマにしてました。エンジン交換は時間もすごくかかるので。今日は短めの走行で、エンジン交換をやって明日から本格的に……という考えでした。でも、ただ走るだけじゃ勿体ないので、ちょっと変わったテストをやりました。タイヤとダンパーの関係性を見る……といった感じのものです。パフォーマンスを追求するというより、色々な点の確認作業的な意味合いでのテストでした。
――風も強い1日でしたが、テストの成果は得られましたか?
佐藤琢磨:はい。良かったと思います。色々と確認ができたし、僕がフィーリングを得ただけじゃなくて、エンジニアにもデータが残ったので。今日は本当に風が強かったので、空力関係のウィング・スゥープとかは絶対できないって状況でした。そういう意味では、コンディションが悪いのを逆手にとって良いプログラムを消化できたなって感じてます。
「マシンが前にいるときといない時で全然バランスが違う」
――なるべく前を走るクルマがいないようにって心がけてたように見えてましたが?
佐藤琢磨:特に意識はしてませんでしたけどね。前にクルマがいたら追いかけて……という感じで。もちろん、2台並んで走るようなことはしませんでした。1、2回、今日は前のクルマを追いかけて走りましたね。それで、ベストをだしたのはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)の後ろを走ってた時でした。エアロ・キットをしたマシンはやっぱりトウが効きますね、遠くても。去年のクルマよりもセンシティブっていうのかな? ストレートのトウの効き具合はともかく、コーナーでも効いて来ちゃって、遠く離れてると感じるマシンのトウも効いているもんだから、マシンが前にいる時といない時で全然バランスが違うんですよ。だから、レースでコレ、団子で走ったらどうなるのかな? っていうのを強く感じましたね。ちょっとだけ、今日は不安でしたね、その点は。
(その2に続く)
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