Photo:Naoki Shigenobu |
Jack Amano(以下――):この2日間で少しは休めましたか?
佐藤琢磨:まぁ、そうですね。トラック・アクティビティはなかったですから。でも、その分、いつも通りメディア・ワークというかがありました。今年は1日も休みがないんですよね、そういう意味では。毎日何かがあって。ただ、昨日と今日は比較的にタイム・スケジュール的には割とゆっくりしています。火曜日は移動がちょっと多かったですけどね。
――今年はオハイオ州のシンシナティに行ったんですね?
佐藤琢磨:はい。クルマで2時間ちょっとで行ける距離なので、そんなにキツくはなかったです。
――それでも往復4時間以上ですから、大変と思います。
佐藤琢磨:まぁ、1日潰れますね、やっぱり。朝の10時半ぐらいに出て、帰って来たらもう夕方の6時半でした。晩ご飯食べて1日が終わりました。
「今年は初めて決勝に向けて予選後のプラクティスで
大きくクルマを変えずに決勝に臨めそうな感じです」
――リラックスをしつつ、クルマのことを色々と考えたりもしちゃうものですか?
佐藤琢磨:クルマのことというか、レースのことは頭から離れないですね。特に、メディア・イベントでテレビに行ったりラジオに行ったりすれば、結局そこではレースことをの話すし、自分自身でもこれまでのプラクティスのフィーリングと、それから予選の後の月曜日のパックでの走りを何回も何回もリピートして、実際に僕らがやって来たセッティングは本当に正しいのか、まだ何かができるのか、それを明日のファイナル・プラクティスに向けて、エンジニアたちと最終総括をこの後にするわけです。そういうことをこの3日間はずっと考えていました。
――思いついたこととかは今日のミーティングまで言わないんですか?
佐藤琢磨:そんなこともないですよ。すぐに意見を聞きたいような場合には電話します。実際、昨日もドン(・ハリデイ)とは話しました。クルマに乗ってたら電話がかかって来てギヤの話をしたりとか……って感じです。月曜日の走行を終えてから、僕はまだジックリとデータを見ることができていないんですよ。今日、さっきまで少し見てたんだけど、これから最終的な確認をします。クルマ自体はもう大きく変えることもないですから。微調整だけなんですよね。パニックにはなっていないです。今年は予選が良くなかったかもしれないけど、初めて決勝に向けて予選後の月曜日、そして金曜日のファイナル・プラクティス、このふたつで大きくクルマを変えずに最終確認をし、決勝に臨めそうな感じですね。
――セッティングの揺れ幅が小さいまま決勝まで進めて来れているってことですか?
佐藤琢磨:そうですね。その点はプラクティスからずっとその点は意識しなくてないといけないんですよね。初めてDW12を走らせた2012年、レイホールのチームでの年とかは、最初の1週間と最後の2日間とで、もう本当に180度考え方の違うクルマの作り方になってました。あの時は半分パニックになってましたから。予選後のパック走行で”俺たちちょっとマズイんじゃないの?”って焦り出して、金曜日のカーブ・デイで新しいセッティングを試しました。それで、カーブ・デイで作ったクルマがまだ良くなくて、決勝に向けてもう一歩進めなくちゃならなかった。結果的にその一歩が良かったんですけどね。
――あの年の決勝はすごい走りでしたよね。あと一歩で……。
佐藤琢磨:ああした経験をしてるから、ここ2年ほどのプラクティスでの走り方っていうのは、やっぱり決勝をかなり強く意識してクルマ造りをしてます。
「新しいエアロ・パッケージの今年、自分たちは
非常に好いポジションにいるんじゃないかなって感じてます」
――今年はエアロ・キット導入で、DW12登場の時と同じようにクルマが大きく変わりました。そういう意味では難しい年でしたよね?
佐藤琢磨:はい、そうでした。決勝を目指して……ということを幾ら考えていても、実際に集団で、タービュランスの中を走らなければわからないことってたくさんあります。本当だったら、そういうのが週の始めにもっとたくさんできていたら良かったんですけど、チームメイトたちのクルマも最初から用意ができていなかったから、その希望は叶わなかった。それでも、月曜日に集団の中を走って確認した時、クルマの動きっていうのは、ある程度満足の行くものになっていた。今年は手応えのあるクルマ造りができたと感じています。あとはカーブ・デイに最終確認をするだけです。
――6回目のインディー500は、仕上がり具合としてはベストにランクされますか?
佐藤琢磨:そうですね。特に、新しいエアロ・パッケージの今年、自分たちは非常に好いポジションにいるんじゃないかなって感じてます。
以上
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