2015年5月20日水曜日

2015 INDYCARレポート 第99回インディー500 5月19日:心配されるヒンチクリフの容態

5月19日、スコアリング・パイロンにヒンチクリフへのメッセージが表示されている
Photo:INDYCAR(Chris Jones) 
伝えられているより重傷だったヒンチクリフ
しばらくはレース欠場を余儀なくされる状況


 ジェイムズ・ヒンチクリフの昨日のアクシデントでの負傷は、実はかなり大きなものだったようだ。今日、インディーカーは彼の容態の続報を以下のように発表した。「昨日のインディアナ大学ヘルス・メゾジスト病院で手術を受けたヒンチクリフは快復基調で、容態は安定している。負傷したのは左大腿上部及び骨盤周辺。集中ケア・ユニットに入っている彼は、今後暫くはインディーカー・シリーズのレースに出場することができなくなった」。
インディーカーが受傷状態の情報操作か?
 今日のリリースでは、手術を行なった医師本人が「かなり危なかった」とヒンチクリフの当時の状況を吐露していた。ヒンチは命にかかわるほどの怪我をしていたということのようなのだ。しかし、昨日の事故直後からのインディーカーは、「大腿上部に負傷があった」程度の情報しか流さなかった。怪我の程度は不明で、リリースに「手術が行なわれた」とあったので、「骨折してたんだろうな」ぐらいの推測をしていた。
 インディーカーは敢えて二度の容態発表を行なったが、2回目も「大腿上部の骨折」しか書かなかった。彼らは事故後の状況、搬送、手術、その後の様子……のすべてを把握しているはずなのに。
 「ヒンチクリフは軽症でした」というイメージを世間に植え付けようと、インディーカーは情報操作を行った。
 その上、インディーカーが今日発表したリリースの中でヒンチクリフは、「ホルマトロ・セイフティ・チームのみんなには、言葉では表せないせないほどの深い謝意を感じています。彼らと、病院の医師やスタッフは私にとって英雄です。インディーカーのファンや、私の家族、そしてドライバー仲間たちの溢れ出るようなサポートに関しても、言葉では現し切れないほどの感謝をしています。私たちはひとつの大きな家族なのだ、と今日感じました」というコメントを病院から発していた。手術を担当した医師も、「ヒンチクリフの容態は安定しており、快復して来ています。病院に到着した時の彼は危機的状況でしたが、インディーカーの優れた救急チームと医療システムは、ドライバーをこのような危機から脱出させるのに役立ったようです。それはおおいに賞賛されるべきだと思います」というコメントをリリースで発していた。負傷したドライバーの症状といういちばん肝心な情報は十分に流さず、ドライバーと医者の2人に「インディーカーのセイフティ・チームはすごいデス」という文言を発信させる……。メチャクチャだ。勿論、セイフティ・チームが迅速かつ的確な仕事は高く評価し、拍手を贈るものだが……。
以上

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