開幕戦終了後のシモーナのマシン。ノーズの傷がコースのあちこちで接触が発生した乱戦ぶりを物語る Photo:INDYCAR(Chris Owens) |
エアロ・キット装着での初レース、ファイアストン・グランプリ・オヴ・セント・ピーターズバーグでは、ホンダのロードコース用フロント・ウィングが接触に弱いと判明したが、コレってインディカーの未来にプラスに働くかもしれない。
接触でフロントウイングの右エンドプレートを破損したシモーナ。琢磨も同じようにフロントウイングを破損し、ホンダ・エアロキットの接触に対する脆弱性が露呈した Photo:INDYCAR (John Cote) |
「多少の接触があるのは仕方ない。それもレースのエキサイティングなところのひとつ」とインディーカーでは言われて来た。確かに、タイトなストリート・コースでは接触もレースの一部と言っていいかもしれない。しかしね、このところの何シーズンかって、インディーカーのレースがどんどん荒っぽくなって来てた。いや、荒っぽい以上だ。雑になっていたとさえ思う。リヤ・タイヤを覆うホイール・ガードなんてものが産まれてからはその傾向が更に助長されちゃって、あっちこっちでドッカン、どっかん。ブツケた者にいくら厳しいペナルティを課しても、ダメージを受けた者、リタイヤに追い込まれた者は救われやしない。
いくらアメリカでストックカー人気が高いからって、インディーカーは彼らの流儀でレースをやるべきじゃない。インディーカーの魅力は、オープンホイールならではのスリリングなバトル。一触即発の切れ味鋭い戦いだ。オーヴァルで220mphで走りながらホイール同士を僅かに触れ合わせ……なんて競り合い、見ていて鳥肌が立つようなすざまじいドッグファイトこそがインディーカーのレース。エアロ・キットの導入で、アグレッシブでありながら紳士的な戦いという本来の姿をインディーカーは取り戻すことになって欲しい。
以上
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