周囲と同じようなピットシークエンスになってしまい、思うように順位を上げられず Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
イエローが出ず、難しいレースになってしまいました」
Jack Amano(以下――):20番手からのスタートでしたが、序盤のマシン、そしてレースはどんな状況でしたか?
佐藤琢磨:もうちょっとうまく順位を上げたかったですね。特に最初にイエローを使って上げたかったんですけど、あの時にウィル・パワーとルカ・フィリッピがエンストして、後ろが全員玉突きみたいになっちゃったんですが、あそこでうまく前に出たかったんですけど、それがうまくできなかった。
――それでブラックからレッドへの換えるピット・ストップを迎えましたが?
佐藤琢磨:そこでタイヤ交換がちょっとうまく行かなくて、10秒ぐらいロスしちゃって、なんだか今回はピット・アウトのたびに最後尾に下がる……みたいな感じでした。そこから、とにかくレッド・タイヤで追い上げを図ったんですけど、その後はイエローが出ず、難しいレースになってしまいました。
――ブラック・タイヤでスタートし、少ない周回数でレッドにスイッチしたらゴールまでレッドで繋ぐ、というのは作戦通りだったと思いますが、コナー・デイリーの後ろに回る展開となったり、なかんなか前に行かせてもらえませんでしたね?
最初のピットストップ直前、パワー、ホウクスワース、チャベス、ジェイクス、琢磨、デイリー、コレッティのパック Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大 |
――イエローが今回は序盤の1回だけでしたから、作戦利用でジャンプ・アップというのは不可能でした。
佐藤琢磨:みんなと同じピット・シークエンスでコースに戻ることを繰り返していると、同じようなペースで走っているドライバーをパスするのは至難の技でした。
「ホンダ勢で1分8秒台に入ったのは僕らだけだから、マシンは悪くなかった」
――レースでのクルマのハンドリング、フィーリングはどうでしたか?
佐藤琢磨:ファイナル・プラクティスですごく良い手応えを掴んだので、それをレース内容に対してもうまく出して行きたいと考えてたんですが、いろんな事のタイミングとかもあって、マシンの良さがうまく順位を上げて行くことに繋がりませんでしたね。ただ、ホンダの中ではラップ・タイムが最速だったので、1分8秒台にレース中に入ったのは僕らだけだから、そういう意味ではマシンは悪くなかったと思います。そうは言っても、決して良くはなかったです。タイヤのデグラデーションとか、ひとつのスティントを速さを保って走り切るっていう点で幾つか課題が残りました。
――最後の最後はアレ、ガス欠だったんですか? そして、チャーリー・キンボールがぶつかって来ちゃったのは、佐藤選手の方がガス欠で急減速したから……といった事情でしたか?
佐藤琢磨:そうでした。エンジンが息付きを起こし始めたのはバック・ストレートでした。キンボールがそれに対して正しい認識を持っていたかはわかりません。僕が燃費をセーヴする走りをしているためのものなのかを判断できなかったんでしょうね。それで最終コーナーに行って、あのヘアピンを立ち上がって1速から2速に上がったところで完全に失速しちゃったので、彼としてはホントに避け切れなくて当たっちゃったんだと思います。アレはチームの燃料計算ミスです。1周多かったみたい、レースが(笑)。
――終盤も順位を上げるべくアタックを続けてたので、燃料がなくなっちゃうのは奇妙だなって見えてました。
佐藤琢磨:燃料は全然ないって状態で、むしろアリ過ぎだった。だから使おうってなって、ミクスチャーを濃くしてどんどん燃やしてたんです。でも、燃料計算に問題があったみたいで、レースが1周多かった……というか、エンジニアの計算だと1周少ないことになってたらしく、レースが終わった……と思ったらまだ1周残ってた……っていう。だから、しょうがない。人為的なミスというか、ソフトウェアの使い方を含め、今回は何かちょっとうまく行ってなかったみたいです。そこは次回には直っていると思います。今週末はなんだか全部歯車が合ってない感じでしたね。
「アラバマはシーズン前にテストをしているので
それを基に今週末はコンペティティブに走りたいですね」
――3戦が終わり、次は合同テストで走っているアラバマですが、自分たちのポジショニングなど、どう捉えていますか?
佐藤琢磨:まぁ、ここ3戦全部がキャラクターの異なるサーキットでした。ストリートが2戦含まれてますが、セント・ピーターズバーグとロング・ビーチではここまで違うのか! という感じでした。今年のエアロ・パッケージはパフォーマンスを最適化するのが非常に難しい。でも、少なくともアラバマはシーズン前にテストをしているし、ある程度良いデータが残っているので、それを基に今週末はコンペティティブに走りたいですね。もう数日後には走り出すワケですけど、チームがそういうマシンを準備してくれると思います。
――ロング・ビーチで苦しみながら最後に良くなるポイントを見つけた、それはアラバマでも使えるものですか?
佐藤琢磨:アラバマってい言うよりも、やっぱりその後のストリート・コースでしょうね。デトロイトとかトロントとか、かなりバンピーなコースが控えてますから。デトロイトは意外とハイ・グリップで、トロントは逆にスリッパリー。特性の異なるコースが幾つかあるワケですけど、今週末に色々見つけたコトっていうのは、それらのコースで助けになると思います。
――一般的に言って、常設ロードコースでのフォイト・チームのマシンて、今年はどういう状況にアルと捉えていますか?
佐藤琢磨:ウーン、まだあんまり良くないですね。でも、正直まだニュー・オリンズしかロードコースは走ってなくて、しかもレースがあんな風に天候不順になってたので……。まぁ、どうでしょう? バーバーに関してはテストをしていて、自分たちのポジションもある程度わかってるし、クルマのセッティングがどうなるのかもある程度わかっています。あとは週末をどう戦うかですね。ただ、アラバマは2デー・イベントになったんだよね。走行時間が極端に少なくなるので、どれだけマシンをまとめ上げられるかは気になりますし、そこが鍵になると思います。
――では、アラバマも頑張ってください。
以上
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