フルウェットで予選を走る琢磨 Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 |
Jack Amano(以下――):ウェットコンディションとなった予選、琢磨選手の組み入れられていたグループ2はほとんど走れませんでしたね? 本当は思い切り戦いたかったところじゃないですか?
佐藤琢磨:そうでしたね。クルマのセットアップを換えたこともあってドライのプラクティスがうまく行っていませんでしたから、雨のコンディションでならもちろん番狂わせもあるだろうし、結構もがいている中で雨は救いになるかなって考えていました。
Photo:Masahiko Amano |
佐藤琢磨:まぁ、そうですね、ペンスキー勢はみんなグループ1でしたし。確かにそういう意味では良い方のグループだったと思うんですけど、僕らはまったくうまく行ってなかったんです。
――クルマの話の前に、コースのコンディションについて聞きたいんですが、どんな状況でしたか?
佐藤琢磨:グループ1の方では結構みんなが走っているラインは見えるような感じだったでしょう? だけど、グループ2では完全なフル・ウェットになっていて、水溜まりもかなり深くなっていたし、もう雨量は全然比べ物にならないぐらい多くなっていましたね。
――そのせいもあってクルマが良くなかったんですね?
佐藤琢磨:はい。良い悪いの前に運転できない状況でした。単純にライドハイトが低過ぎていて、車体がアクア・プレーニングを起こしてました。フル・ダウンフォースで走って、5速に入る前ぐらいぐらいからホイール・スピンをしてた。7秒ぐらい遅かった。有り得ないことですよね。最後のラップではストレートで抜かれちゃいました、全然アクセルを踏めない状態だったので。取りあえずピットに戻って、ライド・ハイトを上げて、タイヤ・プレッシャーも上げて、そうすれば通常のウェット・コンディションとして走れたでしょうから、まぁそうすればもちろんもっと上を狙えたと思います。
――結果的にほとんど走れずに予選は終了となり、ポイントでグリッド決定となると13番手からのスタートとなりますが、どうでしょう?
佐藤琢磨:微妙なポジションですよね。明日もまた今日みたいなコンディションだったとするならば、今日はもちろん僕らは残念な状況になってたんですけど、今日がまったくダメだったっていうことを逆に良く捉えたいですね。今日までがずっとドライで、明日のスタートが今みたいな状態だったら、僕らってこの状態でスタートしてたら、もう1周目にいなくなってるか、2周目にピットに戻って来て車高を変える作業をして……となったら、もうレースを捨てなきゃなんなかった。そういう意味では、明日がもしウェット・レースになっても、その雨量に関わらず準備ができるようになったのだから、今日の予選は決して無駄にはならなかったと
思います。
「順位をジャンプ・アップできる可能性のある雨のレースの方がいいですね」
――ウェットとドライ、今の状況ではどっちを希望しますか?
佐藤琢磨:明日のウォーム・アップがドライだとして、ここまでダメだった点に関して幾つかアイディアを投入してうまく行く可能性はありますけど、でも、大きなジャンプ・アップは望めないと思うんですね。20番手とかだったでしょ、今日のプラクティスでの順位が。レースはトップ10に入れればいい……ぐらいの感じですよね。そう考えると、雨のレースになって、大きく順位を上げて上位へと進出できる可能性がある方が僕としては良いですね。
――ニュー・オリンズは初開催のレースですから、ウェットになるにしろ、ドライにしろ、インディーカーとしては是非ともエキサイティングなレースをこちらのファンに見せたいところですよね?
佐藤琢磨:そうですね。せっかく初開催でたくさんお客さんが来てくれるのに、ウェットじゃ大変だとは思います。けど、逆に言うとドライだったら、もしかしたら誰も抜けないかもしれない。1コーナーに入るところってみんなマシンがボトム・アウトしちゃってて、ブレーキをロックさせてたでしょ? あそこは抜けないですよ。1コーナーで抜けないとなると、3コーナーか4コーナー……それかバック・ストレート・エンドでしょ? 前のクルマが「どうぞ」って協力的な走りをしてくれない限り抜けないですよね。よほどタイヤの違いとか、ストラテジーの違いがない限り。そうすると、雨の方がレースはおもしろくなるかもしれないですよ
ね。
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