歴史的にもベテランが繰り返し勝利する傾向の強いロング・ビーチ。2年前の再現を狙う! Photo:INDYCAR (Chris Jones) |
ベストなストリート・コース、ロング・ビーチ
1996年にインディー・レーシング・リーグがレーシング・チャンピオンシップをスタートさせて以来、全274戦に出場して来ているのはAJ・フォイト・エンタープライゼスだけです。
今週末のロング・ビーチ・グランプリはフォイト・チームに取って275戦目、佐藤琢磨にとってインディーカーでの89戦目、ジャック・ホウクスワースにとってインディーカーでの20戦目にあたります。
佐藤はフォイトのチームで走り、2013年のロング・ビーチ・グランプリで日本人初のインディーカー・レース・ウィナーとなりました。
――ロング・ビーチのコースについて
佐藤琢磨:ロング・ビーチのコースは非常にバランスの良いレイアウトになっていると思います。高速コーナーと低速コーナーの両方を備え、長いストレートの終わりにはハード・ブレーキングが必要なデザインとなっているのでオーバーテイクのチャンスが産まれます。
コースのグリップ・レベルは低い方に分類されますが、週末に走行が重ねられると、天候という条件も整えばグリップ力は大幅に上がって行きます。コースの周辺はファンタスティックな雰囲気を持っています。ダウンタウンにもコースの近くにも素敵なレストランもあります。ロング・ビーチはストリート・コースのベストのひとつだと、多くの面から言っていいと思います。
――ロング・ビーチでの優勝が特別な意味を持つ理由
佐藤琢磨:ロング・ビーチにはレースの長い歴史があります。F1とインディーカーという偉大なるシリーズがレースを重ねて来て、人々はこのレースを愛しています。そうしたレースで勝てたことで、レース自体の価値が上がり、特別さも増していると感じています。
「セント・ピーターズバーグに似たセットアップになるので
今回もよいパフォーマンスが発揮できると思います」
――新しいエアロ・キットがドライビングに与える影響は?
佐藤琢磨:エアロ・キット装着でダウンフォースが増えていますから、セットアップに影響が出ますね。トレンドとしては開幕戦のセント・ピーターズバーグと似たものになると思います。ロング・ビーチと同じストリート・レースでしたからね。我々はセント・ピーターズバーグで高い競争力を発揮していたので、今回も良いパフォーマンスが発揮できると思います。どうなりますか。ドライビングという面で言えば、去年までと大きく変わるはずはないと考えています。そして、去年までよりも大きなダウンフォースは、より高いグリップをもたらしてくれるでしょうから歓迎すべきものと感じることと思います。ブレーキング・ポイントはより奥になる上、コーナーでのスピードもこれまでよりも高くなるでしょうから、とてもエキサイティングです。
「ダウンフォース量の設定がポイント」
――ロング・ビーチで成功するための鍵
佐藤琢磨:高いメカニカル・グリップが必要で、ダウンフォースをどの程度に設定するかも重要です。ダオンフォース大きめで走るチームも、少なめで走るチームもあるでしょう。ロング・ビーチには長いストレートがあるので、そこでの速さは重要なんですが、コーナーが続くセクションでも速さが欲しい。両方を満足させるバランスの良いところを見つける必要がある。そのためにダウンフォース量の設定が大事なんです。
――ロング・ビーチは経験の豊富さが重要と見える。ベテランによる複数勝利が多い(アル・アンサーJr.、ポール・トレイシー、セバスチャン・ブルデイ、ウィル・パワーなど)が?
佐藤琢磨:おそらく、コースのコンディションがずっと同じなのだと思います。ロング・ビーチは天候が基本的に安定しています。コースは様々な面で正確さを要求して来ます。これと逆の状況であれば、毎年ウィナーは違った人になっていても不思議はありません。ということで、歴史が繰り返してくれることを期待しましょう。
以上
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