2015年4月1日水曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント6 R1 セント・ピーターズバーグ Race Day 決勝:「上位入賞を実現できなかったのは非常に残念です。それでも、ある程度の手応えを掴むことはできました」

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
「ウイング交換後、クルマのバランスがかなり崩れてしまって……」
Jack Amano(以下――):お疲れさまでした。残念な展開になってしまいました。
佐藤琢磨:AJ・コイン……。

――デイル・コイン・レーシングからフロント・ウィングをアッセンブリーで借りての走りになってたんですね。しかし、そこが厳くなってたようでした。パーツ不足の折り、よく貸してくれるチームがあった……と言うこともできると思いますが?
佐藤琢磨:ホントそうでした。最初のアクシデントでジャックがフロント・ウィングを壊し、彼の方がスペアを使っちゃったので、フロント・ウィングがもう残ってないって言われて……。
(*注)開幕直前に行なったセブリングでのテストでジャックはフロント・ウィングを壊し、チームとしてスペアが1個しかない状況に陥っていた。コインが貸してくれなかったら、琢磨は2014年モデルのダラーラのウィングで走らねばならなかった。当然エアロ・バランスは大きく崩れ、パフォーマンスが期待できなくなる。他チームにも旧いウィングをピットに用意しているところがあった。

――ウィング交換の後が苦戦でした。

佐藤琢磨:今日は最初のスタートから慎重に行っていて、1回目のリスタートでは逆に慎重に行き過ぎて順位を落としちゃった。その後のリスタートではセバスチャン・ブルデイのイン側にもう飛び込んでいたので、順位を上げる感じで1コーナーに入ってったんですけど、あの時にピット・ストップをしてないジャックがいたのかな? で、そこで何かすごい玉突きみたいにみんながなっちゃって、パジェノーが内側ですごいブレーキングをして、それをブルデイが避けるような感じで、僕はそのさらに内側にいたので前にパジェノーがいて止まり切れなかった。ギリギリ避けれるかなって思ったんだけど、ブルデイがどんどん内側に来て、そこで2台が接触しました。あの接触自体は軽かったんだけど、フロント・ウィングの翼端版はあまり強い部分じゃないのでダメージを負っちゃったみたいで、グラグラ揺れ始めちゃいました。そうなったら、もう壊れちゃうので、イエローの間にそのまま走るのか、どいうするかを無線で話してました。もうウィングのスペアが無かったので。そうしたらデイル・コイン・レーシングが貸してくれたので、そのウィングを着けて、“最後尾からもう一度追い上げるぞ”となりました。ただ、貸してもらったフロント・ウィングはコンフィギュレーションが僕らのものとは違ってたので、僕らが目指しているものとは合ってませんでした。クルマのバランスとしてはかなり崩れちゃってました。

――フロントのグリップが大きく落ちた状況でしたか?
佐藤琢磨:簡単に言うとそうです。ダウンフォースが足りてない。フロント・ウィングって単純にフロントのダウンフォースじゃなくて、マシン後方に向けての空気の流れも作っているので、パッケージとして、違う仕様だとうまく働かないんですよね。それで苦しいレースになりました。

――徐々にスピートは上がってっていました。
佐藤琢磨:はい。最後尾から幾つかコース上でポジションを上げることもできました。でも、あれが限界で、残念な結果になってしまいました。

「今日のレースは落ちているパーツを避けるのに必死でした」
――今日のレースではぶつからないのがカギになってましたね?

佐藤琢磨:そうなんですけど、みんな誰もぶつかりたくないと思って走ってるんですけどね。確かに、今日のレース出はものすごくいっぱい破片が飛び散ってました。パンクが出なかった点は良かったと思います。落ちているパーツを避けるのに結構必死でした。

――ホンダのエアロ・キットの方がぶつかった時に大きくダメージを受けていました。
佐藤琢磨:そうでしょうね、翼端版にしがみついているフラップがいっぱいあるので。そういう意味では、ちょっと当たった時のダメージは大きいですね。

――接触の前に話を戻したいんですが、スタートからのマシンのフィーリングはどうでしたか?
佐藤琢磨:スタートしてすぐは4位に浮上してましたが、もちろん最初の数周だけでしたけど、トップ3とほぼ同じペースで走れていましたよね。抜くのはまず無理だったでしょうね、あの状態から。しかし、着いて行くことはできたと思います。

――決勝用セッティングの仕上がりは悪くはなかったということですね?
佐藤琢磨:はい。悪くはなかったですよね。ただ、やっぱり各スティントの中でちょっとずつ、ちょっとずつ離されていたので、もしかしたらタイヤのデグレデーションも含めて、スティントのトータルのパッケージとしてはもうちょっと煮詰めないとトップ・グループと同じペースで走れなかったかもしれないです。

――序盤にアクシデントに遭ったため、自分のマシンが本当に良い状態でブラック・タイヤとレッド・タイヤ、あるいは双方のタイヤを装着してのマシンというものを評価することはできませんでしたが、限られた中で得た印象はどういったものですか?

佐藤琢磨:ウーン、そうでしたね、車体のコンフィギュレーションが変わってしまってましたからね。あとの部分でも他のクルマとのバトルで目一杯で、あんまり単独走行ってなかった。常に誰かが自分のすぐ前を走ってましたから……。

「このオフはフル・タンクでのロング・ランもやってなかったですが、
レースで自分たちはシッカリと走れてたんじゃないかなと思います」

――エアロ・キット装着で初めて多くのマシンと接近して走ったのが今回のレースだったわけですが、そちらの印象は?

佐藤琢磨:結構頑張れますね。結構頑張れるんだけど、フロントのダウンフォースの抜けが少ないのは結構印象的でしたね。でも、前はくっついて行くんだけど、後ろが厳しくなっちゃう。誰かの後ろにつくと、やっぱり全体のダウンフォースが抜けてる感じが出て、バランス的には結構オーバーステアが強くなって来ますね。だから、それをやってるとタイヤの摩耗も大きくて、なかなか抜くのは難しかったです。

――今日のレース、AJ・フォイト・チームは2台とも完走しました。データ収集という面からも、その成果は大きいですか?
佐藤琢磨:はい。フル・タンクでのロング・ランもオフの間にはやってなかったですから。その状態から見ると、今日のレースで自分たちはシッカリと走れてたんじゃないかなと思います。もちろん、5位からスタートしてるので、上位入賞を目指してました。それが実現できなかったのは非常に残念です。それでも、ある程度の手応えを掴むことはできました。

――ピット・ストップはどうでしたか?

佐藤琢磨:あまり良くなかった気がするな。1回ぐらい速いのがあったけど。燃料補給は終ってるのにピットから出れないっていう、ちょっと遅れるのが2回ありましたね。そのあたりをもうちょっと、流れるような作業をコンパクトにまとめる、そういうのは大事だと思いました。

――では、次のニュー・オリンズ、好レースを期待しています。

佐藤琢磨:はい、頑張って行きます。
以上

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