好天の下、2015年シーズンがスタート! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
ポール・スタートだったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は110周のレースの80周目までを完全にコントロール下に置いていた。レース序盤の2番手はエリオ・カストロネベス、中盤からはそれがファン・パブロ・モントーヤに変わった。どちらも自分のチームメイトだったが、彼らはチームメイトであるからではなく、パワーに並びかけるだけのパフォーマンスを備えていなかったため、レース・リーダーの座を奪い取るべくアタックを仕掛けることは一度もなかった。レース終盤までチャンスを待つしか道はなかった。同じチームだからマシンの実力は拮抗、打つ手なく後方を走り続けていた。
モントーヤ、ブラック・タイヤでパワーに迫り、早目のピット作戦でトップに
グリッド上位のドライバーたちはユーズド・レッド・タイヤでスタートし、レース中盤の2スティントをブラック・タイヤで走った。ここでパワーは序盤ほどの差を後続につけることができなかった。2番手に浮上して来たモントーヤがブラックで速さを見せたからだった。
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そこでモントーヤ陣営は、ピット作戦でトップを奪うことを狙った。パワーより先にピットに入り、双方のピット作業を終ったところで前に出ていようという作戦だ。
81周を終えるところでモントーヤはピット・イン。ここでタンクに入れる燃料の量を絞り、作業時間を短くしてコースへ復帰した。
パワーがピット・インしたのは次の周。そして、作業を終えてコースに戻ると、彼の前方3.2秒をモントーヤが走っていた。
トップを保ち続けられる確信をパワーは持っていたはずだ。それが作戦の差によって2位へと後退しただけでなく、大きな差をつけられてしまった。彼は鬼神の追い上げを開始した。
パワー猛追!しかしそこにはモントーヤの老獪な罠が!!
モントーヤとの差は着実に縮まって行った。89周目に3秒を切り、91周目には1.5秒を切った。93周目には1秒を切り、97周目には0.6秒以下になった。あと一歩でアタック可能。そう思ったタイミングで0.7113秒へと差が広がった。ペースを落としていたモントーヤが少し差を広げるべくスピード・アップをしたのだ。
パワーの急追は、モントーヤが敢えてチームメイトを自分に引き寄せる作戦だったようだ。タイヤを酷使させ、逆転のチャンスを減らしてしまおうという考え方だ。老獪かつ、自信に満ちた作戦だ。いかにもモントーヤらしい。
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3位にはチップ・ガナッシのカナーンが入りペンスキーの上位独占を阻止
ペンスキーの1-2。そして、終ってみれば3位にはチップ・ガナッシ・レーシングのトニー・カナーンが入っていた。彼らはペンスキー勢による表彰台独占を防いだ。
4位はカストロネヴェスで5位はパジェノー。ペンスキー・ドライバー4人がトップ5入りを果たしたということだ。そして、6位のセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)までがシボレー勢だった。ホンダのトップはライアン・ハンター-レイによる7位で、ジャック・ホウクスワースも8位に食い込んだ。
以上
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