2015年3月18日水曜日

2015 INDYCAR レポート バーバー・オープン・テスト 2日目プラクティス4:佐藤琢磨は最終プラクティスで7番手に

セッション4の最後にマシンをまとめ上げることに成功! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
夕方5時過ぎ、5セット目のタイヤで暫定2位、ホンダ勢トップとなる好タイムをマーク

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は最終プラクティスの終盤になってタイムを一気に縮め、最終的に7番手に。2日間4セッションの総合では10番手につけた。
 走行2日目。午前10時からのプラクティス・セッション3ではルーキーのステファノ・コレッティ(KVレーシング・テクノロジー)が1分07秒5224を出して世間を驚かせたのに対し、琢磨は1分08秒4308のベストで21台出走中の18番手だった。
 昨日からの3セッションで得たデータを使い、琢磨は4セッションも半ばを過ぎてからマシンのセットアップを変更し、夕方5時過ぎに5セット目のタイヤを装着してコース・インした。2日間のテストで使用が許されるタイヤは6セットだ。


 「さぁ、今度こそ速いタイムを出してくれ!」とクルーたちが祈り、コースを走る14号車を見つめていた。琢磨は慎重に1分11秒台で1ラップ目を走り、2周目に1分8秒台に入った。そして3周目、琢磨は1分07秒8443をマーク。この時点でのセッション2番手となった。クルーたちがガッツ・ポーズを作り笑顔を弾けさせた。
 4周目、琢磨は1分07秒6638をマーク。セッション2番手、そして、この時点までのホンダ勢のトップに躍り出た。
 ここで琢磨は一旦マシンを降りた。タイヤはまだもう1セット残されている。これを使って最後のアタックを行なうこととなった。残り走行時間が15分を切り、気温や路面温度が若干下がってコンディションがベストとなる時まで待機した。

「今日の午後にすべてのデータをうまくまとめることができた
2台体制が大きくものを言っての前進だ」

 このころから他チームもタイム・アップを目指した走りを行うようになり、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が1分7秒6495でトップに躍り出た。パワーは1分07秒7606、1分07秒4984を連続してマーク。ディクソンを逆転することはできなかったが、琢磨の順位は3番手に落ちた。

 午後5時46分、琢磨がゆっくりとコース・イン。ここでも彼は2周をかけてウォーム・アップ。3周目に7秒台に載せ、それを2ラップ続けた。しかし、今回のアタックでは1分07秒7671がベスト。惜しくも自己ベストの更新を果たせずにピットに戻った。
 そして午後5時55分、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が1分07秒6203のベストをマーク。ほんの僅かのゲインだったが、ホンダ勢のトップを手に入れた。
 「今日は収穫の多い1日になった。この2日間で凄い量のデータを集め、今日の午後になって全ての要素をうまくまとめることができた。新しいエアロキットを装着したマシンがどういうものなのか、その理解をおおいに深めたと言っていいと思う。このマシンは空力的にとてもトリッキーで、非常にセンシティヴ。チームのエンジニアリング・スタッフたちが一生懸命に働き、去年に比べて二倍の量が集まっているデータを解析してくれた。2台体制が大きくものを言っての前進だった。合同テストでのトップ10入りはチーム全体を勇気づけてくれる結果だ。今回集めたデータをこれからもう一度分析し直し、開幕戦には強力なマシンを用意したい」と琢磨は語った。苦戦気味で始まったテストだったが、2日目の後半にマシンを大きく向上させたことにより、琢磨は今シーズンの戦いに対する手応えを掴んだようだった。

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