2014年7月25日金曜日

2014 INDYCAR ニュース 7月24日:火曜ではなく、木曜に発表されたトロントのペナルティ

レース2のスタートを待つフィリッピ車。レース1の予選終了後に最低重量違反が発覚していた! Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) 
フィリッピ車のウェイトと琢磨車のウイング出口高に違反が
 トロントの後は1週末レースがないからノンビリしてたのか、インディーカーは恒例なことが問題視されているレース後の火曜日のペナルティ発表、今回は2日も更に遅らせて木曜日に行った。違反件数も少ないし、違反内容も2日余計に必要だったとは思えないものだった。そもそも、何日かかるとかインディーカーは一切気にしてないってことのようだ。

2014年7月24日木曜日

2014 INDYCAR レポート 第13戦・14戦トロント:レース1延期は正しい判断だったのか? レース1延期の顛末

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
不可解な最初の赤旗。新しいアスファルト部分の水を心配したというが……

 トロントの雨は、本当にレース1がスタートできないほどのものだったのか?
 最初のスタートは、ウォーム・アップ2周の後に赤旗が出されてレースは始まらず。「水溜まりもあるし、雨が弱まるか止む期待を持って10~15分待つ」とインディカーは理由を説明したが、ポール・トレイシーがテレビで、「天気は今のまま3~4時間は変わらなさそうなのに」と誰もが感じていた疑問を呈していた。案の定、雨は弱まらず、スタートを待ったことでコース・コンディションは悪くなってしまっていた。


2014 INDYCAR フォトレポート:第13戦・14戦トロント:チームグリーンの二人が再会! 

Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
トロント、レース1、ウェットレース開始直前のレッドフラッグ……情けない話です。

「水たまりもないし、なんで赤旗なの? ウェット・タイヤを履いてるのに」byタウンゼント・ベル。
「この先3時間とか4時間、天気変わらなそうだし、なんで待つ必要あるのか。水しぶきひどかったら前車との間隔開ければいい」byポール・トレイシー。まったくもって、どちらも正論です。そして、実に人ごとと取れないこともありませんが、それでいいんです。
 現役時代にそういうレースをPTが行えたかどうかは甚だ疑問ですが。

 そのトレイシーと、今回久々にインディーカーレースに来ているフランキッティが一緒に朝ご飯を今日食べていたので、写真撮影!
 私だけのエクスクルーシブです(笑)。
 PTはテレビの解説者、ダリオはガナッシのアドバイザーという仕事でトロント入りしています。
 このシーンはホンダのホスピタリティでのもの。ダリオはシボレーのロゴを隠して入って来ました。
 今回レースを訪れているHPD初代社長のトム・エリオットらが大歓迎をしていました。
以上

2014年7月22日火曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 52 第13・14戦トロント レース2:「粘り強く、当たりにも強く、戦えたと思います。これで不運は完全に吹き飛びました。次のミッド・オハイオ、その次のミルウォーキーと、自分にとって良いレースが続きますから、更に好いリザルトを残せるように頑張りたいです」

「タフなレースを戦い抜いて5位フィニッシュできたことは、
本当に良かったと思います」
Jack Amano(以下――):5位フィニッシュはホンダ勢のトップともなりました。かなり我慢強く戦っていたレースと見えました。

佐藤琢磨:はい。ようやくですよね。ここに来るまで本当にたくさんの不運と厳しいレースを送って来ましたけど、ようやくタフなレースを戦い抜いて5位フィニッシュできたことは、本当に良かったと思います。チームとしてもここまで辛いレースがたくさんあったけど、一度もモチベーションを失うことなく、素早いピットストップと的確な判断で今日もコンディションが目まぐるしく変わる中、コースに送り出し続けてくれました。非常にいいレースができて、5位という結果はとても嬉しいです。

――非常に早い段階でレッドからブラックにスイッチしましたが?

佐藤琢磨:単独走行になったので、クルマのセッティングをこのレースに向けて変えたところをジックリと見ることができました。そして、その後に雨が降り出しました。展開としては、僕にとては良い方向になりました。ただ、残念ながら雨の中でのマシンの動きは今日はあんまり良くなくて、実際には非常に苦労をしていました。まぁ何とかポジションはキープして、ドライタイヤに換えてから、一度順位を落としもしましたけれど、今日は粘り強く、当たりにも強く、今日は戦えたと思います。マシンには最後は少しダメージがあったんですが、こうしてフィニッシュできて良かったですね。

「コースの内側だけが滑りやすい。だから抜こうとして内側に入ると止まれない
そういう状況でアクシデントの連鎖が起こっていたと思います」

――後ろにエリオ・カストロネヴェスが来たり、ライアン・ハンター-レイが来たり、最後はジャック・ホウクスワースと、ぶつかって来そうな人、危ない人が来てたので大変だったと思います。

佐藤琢磨:そうですね。実際かなりのコンタクトがありました。非常に滑りやすい路面でしたから。でも、全体的に滑りやすいんじゃなくて、コースの内側だけが滑りやすい。だから抜こうとして内側に入ると止まれないっていう状況でアクシデントの連鎖が起こっていたと思います。それでも今日は、多重クラッシュも午後はうまくかわせたし、自分自身もトラック上で何度もオーバーテイクに成功できたので、それはやっぱりポジティブに捉えたいですね。

――これで不運は吹き飛びましたね。
佐藤琢磨:はい。完全に吹き飛びましたね。次のミッド・オハイオ、その次のミルウォーキーと、自分にとって良いレースが続きますから、更に好いリザルトを残せるように頑張りたいです。

――シーズン終盤戦、楽しみにしています。
佐藤琢磨:ありがとうございます。頑張ります。
以上

2014年7月21日月曜日

INDYCARレポート メールマガジン・プレミアム:トロント レース2 決勝:マイク・コンウェイがタイミング良いタイヤ交換で今季2勝目!佐藤琢磨は22番グリッドから今季自己ベストの5位フィニッシュ!!


Photo:INDYCAR (Chris Jones)
7月20日 ホンダ・インディー・トロント レース2
天候: 曇り 一時雨
気温:21~22℃

なぜかレース1終了時点でのエントラントポイント順でグリッド確定
 レース2のスターティング・グリッドは、レース1終了時点のエントラント・ポイント順とされた。昨日の時点では今週末のイベントに入った時点でのポイント順という話だったが、それは変更になった。そこにどういう基準があるのか、インディーカーは明快なる説明をしてくれない。
 去年のヒューストンでもポイントでグリッドが決められたケースがあった。その時には、「ダブルヘダーはシリーズの公式戦2レースで構成されるものの、ひとつのイベントとして捉えられるため、エントラント・ポイントでのグリッド決定がなされる場合には、それが仮に週末の2レース目であっても、1レース目の終了時点のポイント・スタンディング(エントラント・ポイントの)ではなく、週末を迎えた時点のものが採用される」という話だったが……。


結局PPはカストロネヴェスで2番グリッドはパワー
 ということで……ってどういうコトなのかハッキリわからないが、レース2のポールポジションはポイントリーダーのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)、ポイント2番手のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がフロント・ロウ外側グリッドからスタートすることになった。今年の――いや “今週末の” と言うべきか――ルールで3番グリッドはシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)のものとなり、4番グリッドにはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がついた。去年の――というかヒューストンでの――ルールだったらこの2人のポジションは入れ替わっていた。きっとこのあたり、インディカーのレース・コントロールは些細な差ぐらいにしか考えていないんだと思う。
 ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は5番手スタート。その隣りはルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)。昨年のトロントで2レースとも優勝したスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は7番グリッドで、今日行われたレース1で勝ったばかりのセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)は10番グリッドとなった。去年のルールだったらブルデイはもう1列後ろからのスタートとなるところだった。

ポイントリーダーのカストロネヴェスが雨にもめげず序盤を独走
しかし、終盤スリックタイヤの方が速いコンディションに急速に変化

 スタート時の路面はまだドライで、スタンディング・スタートは安全に行われた。そして、レース2はポイント・リーダーのカストロネベスによる独走となった。序盤の10周目辺りからポツポツ雨が降り出し、路面は徐々にウェットへ。タイヤ交換をギャンブル気味に行なった面々がポジションを上げることもあったが、彼らより遅めの、慎重なタイミングでのタイヤ交換を行なってもカストロネベスはトップを守り続けてみせた。
 しかし、ポイント・リーダーがポール・トゥ・ウィンを飾ることはできなかった。それどころか、彼はなんと12位フィニッシュと、レースのほぼ3分の2をリードし続けたとは思えない結果しか得られなかった。
 42周目にパワーがついにチームメイトのパスに成功。ターン3入り口でホイールをぶつけ合っての、少々荒っぽいバトルとなったが、2台がともにスピンに陥るような最悪の事態とはならずに済んだ。パワーは逆転優勝に向けて逃げ切りたいところだった。しかし、65周から80分へのタイム・レースに変わった戦いは、終盤になってスリックタイヤの方が速いコンディションへと急速に変化。絶妙のタイミングでピットに飛び込み、レッドタイヤを装着したマイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)が優勝をさらった。


勝負を分けたスリックへの交換タイミング
コンウェイ、残り2分30秒の須プリン℃でも首位を守りきる


 パワーたちはスリックへの交換が遅く、ウェットタイヤのままゴールを目指した4人にも先行を許す結果となった。そこからの追い上げでパワーは3位フィニッシュを果たしたが、中団に埋もれたカストロネヴェスは他車との接触でフロントウィングを破損。アンダーステアのマシンでポジションキープができず、12位まで後退してのフィニッシュとなったのだった。
 何やら妙に暴れん坊的な走りをしていたチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)は、ターン3でウエルタスに接触し、彼と彼のそのすぐ後ろを走っていたチームメイトのライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)をスピンさせた。ペナルティは課せられなかった。この多重アクシデントにはディクソンやハンター-レイ、ムニョスが巻き込まれた。

 フルコースコーションのままゴールになるのを避けるべく、インディカーは赤旗を出してレースを止め、残り時間2分30秒プラスでグリーンフラッグを振った。ゴールまで3周のスプリント、コンウェイは危なげなく今季2勝目へと逃げ切った。 2位はトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、3位はパワーだった。
 「難しいレースで僕らは実は苦戦をしていた。それがレース終盤、ドライのラインを見つけて、ここはスリックしかないと思った。赤旗が出た時はちょっとナーヴァスになったが、リスタート後もタイヤ温度はすぐに上昇、あの3周はおおいに楽しめた」とコンウェイは語った。

佐藤琢磨、22番グリッドから5位!今季最高順位でフィニッシュ
 レース1での超不運を振り払い、佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が22番グリッドから5位フィニッシュを達成した。レース序盤に降り出した雨により、得意のウェットコンディションでトップ10に食い込んで行った琢磨は、スリックタイヤに戻してからの終盤戦で更に順位を上げ、今季の自己ベストとなる5位フィニッシュを果たした。
 「今日はレース1でも不運に見舞われましたが、チームのクルーたちは頑張ってくれていました。モチベーションを高く保ってレース2でも素晴らしいピットストップを行なってくれていました。今日はドライからウェット、そしてまたドライへと路面のコンディションが変わって行くトリッキーな戦いになっていました。しかし、我々はホンダ勢のトップとなる5位フィニッシュを達成できました。これはとても嬉しいことですし、誇りにも感じています。さぁ、不運は吹き飛ばせたので、シーズン終盤戦は上位で戦い続けたいですね」と琢磨は久しぶりに笑顔を輝かせていた。
 ポイント・トップはカストロネベスで変わらず。そして、2番手のパワーとの差はアイオワ終了時点より広がって13点差になった。ポイント3番手には再びハンター-レイが浮上し、パジェノが4番手だ。ハンター-レイとカストロネベスと差は69点で、パジェノーはハンター-レイと2点差なので、トップとは71点の差となっている。

2014 INDYCAR レポート 第14戦トロント:レース2 スタート・タイヤ

1  エリオ・カストロネヴェス  オルタネート
2  ウィル・パワー  オルタネート
3  シモン・パジェノー  オルタネート
4  ライアン・ハンター-レイ  オルタネート
5  ファン・パブロ・モントーヤ  オルタネート
6  カルロス・ムニョス  オルタネート
7  スコット・ディクソン  オルタネート
8  マルコ・アンドレッティ  オルタネート
9  トニー・カナーン  オルタネート
10 セバスチャン・ブルデイ  オルタネート
11 マイク・コンウェイ  プライマリー
12 ライアン・ブリスコー  オルタネート
13 ジェイムズ・ヒンチクリフ  オルタネート
14 ミカイル・アレシン  オルタネート
15 ジャスティン・ウィルソン  オルタネート

16 チャーリー・キンボール  プライマリー
17 ジョセフ・ニューガーデン  プライマリー
18 ジャック・ホウクスワース  オルタネート
19 グレアム・レイホール  オルタネート
20 カルロス・ウエルタス  オルタネート
21 セバスチャン・サーヴェドラ  オルタネート
22 佐藤琢磨  オルタネート
23 ルカ・フィリッピ  オルタネート

2014 INDYCAR レポート 第13戦トロント Race Day レース1:ブルデイ、ポール・トゥ・ウィン!

天候:曇り のち 晴れ
気温:19〜21℃

昨日ローリング中に脱落したブリスコー、モントーヤ、パワー

後方のグリッドからのスタートに

 雨で1日順延され、周回数が20周減らされた65周で争われたホンダ・インディー・トロントのレース1は、セバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)の圧勝となった。
 曇り空の下、ドライ・コンディションでのローリング・スタート。ブルデイはフロント・ロウ外側からダッシュしたエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)を楽々リードしてターン1を曲がり、ターン3でもアタックする隙を一切与えなかった。
 昨日のレースが一切グリーン・ラップなしだったことで、今日のレースは完全なる仕切り直しとされ、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はあれだけの事故を起こしていながら、元どおりにフロント・ロウ外側グリッドに復活できるという話にもなっていたが、インディーカーのオフィシャルは「昨日のレースの続きとしての開催であるため」との理由からパワー、ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)、そしてライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)の予選結果によるグリッド復帰を許さず、ブリスコーが21番手、モントーヤが22番手、パワーが最後尾の23番手からスタートした。

佐藤琢磨、アクシデントに巻き込まれ走行不能に
 ブルデイは何の問題もなくターン3を走り抜けた。2番手のカストロネヴェス、彼に続くライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)とトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)も同様だった。しかし、その先のターン5へとアプローチする地点でルーキーのルカ・フィリッピ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)が接触。パジェノーはスピンに陥り、コース左側を塞ぐようにストップした。5番手争いでのトラブルが後続に与えた影響は大きく、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)が佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)に横から体当たりし、琢磨は後続のカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)に後ろからヒットされ、マイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)もスピンし、ストップした。
 このアクシデントで走行不能に陥ったのは、なんと琢磨ひとりだけだった。

ブルデイ、圧倒的な速さをキープ

 コースがキレイになるとレースは再開され、またもやブルデイがクリーン・スタート。そして、1ラップ目にして2位以下を大きく突き放してみせた。コールド・タイヤでのこの速さはセンセーショナルでさえあった。
 ブルデイはスタート直後も、ロング・ランとなったスティント終盤でもライバル勢の上を行く速さを実現していた。65周を終えてのゴール時、彼は2位に復活していたカストロネヴェスに3秒3408秒の差を持っていた。周回遅れに道を阻まれなければ、差はもっともっと大きくなっていたはずだ。
 1ラップ目にパジェノーがアクシデントに遭ったことが悔やまれる。今日のレース1でブルデイにチャレンジできるドライバーは、パジェノーしかいなかったように見えていたからだ。

統一シリーズでの初勝利で、通算32勝目!

 4年連続チャンピオンとなったチャンプカー・ワールド・シリーズでのものを合わせ、キャリア32勝目を今日ブルデイは記録した。2007年のメキシコ・シティ以来となる勝利だ。そして、彼は勝利数で歴代8位にランクされることにもなった。2008年にチャンプカーはインディーカーに吸収されたが、ブルデイは統一シリーズでの初勝利にやっとのことで手を届かせたのだ。
 「本当に嬉しい。多くの努力を重ねて来た結果だ。ずっと戦い続け、今日僕らにはすべてが揃っていた。自分のやるべきことをやり通そうと考えてレースに臨んだ。残り20周の辺りでコースに落ちていたマシンの破片を踏んだ後は、タイヤがおかしくなるんじゃないかなどと考え、起こってもいないコトを体が感じるほどドキドキしていたが、何もトラブルは出ずにゴールまで走り切ることができた」とブルデイは喜びを爆発させていた。去年は2レースで共に表彰台に上ったブルデイ。トロントではこれで3戦連続表彰台ということになった。次なる目標は、午後のレースでも勝ってのダブルヘダー完全スウィープだ。

 カストロネヴェスは、ブルデイにとうとう一度もアタックできずに2位でゴールした。レース内容には不満だろうが、チャンピオンシップ・ポイントでのリードを広げることとなった点では満足だろう。「苦しい週末でも自分たちはとにかく全力を尽くすだけだ」と彼は語った。「2位は悪くない結果。午後のレースに向け、マシンを少し良くしたい」と話していた。
 ポイント2番手のパワーは最後尾スタートから9位フィニッシュ。ポイント3位につけていたハンター-レイはリタイアでランキング4番手に後退。ポイント3番手にはパジェノーが代わりに浮上して来たが、彼もまたカストロネヴェスより後方の4位でのゴールしか果たせなかったため、彼との差も広げることに成功したのだ。

 午後のレース2でもブルデイの速さは保たれるだろう。しかし、レース2のグリッドはレース1終了時のポイント・スタンディングとされるため、10番手グリッドからのスタートとなる。カストロネヴェスはポール・ポジションから、ブルデイが上がって来るまでに逃げを打つしかない。2レース目は3番グリッドからスタートを切るパジェノーにとっても大きなチャンスだ。ひとつ前のグリッドからスタートする宿敵パワーとのバトルは果たして今回はどうなるか?

2014年7月20日日曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント51 第13戦トロント Day2 レース1:「明日は1日2レース、合計130ラップ。雨のレース2回ウエルカムです」

「確かに滑り易かったけど、やると宣言したのだから
雨でレースをやった方が良かったと思います」

Jack Amano(以下――):赤旗が3回出されたんですが、琢磨選手としては状況をドライバーの立場からどう見ていましたか?

佐藤琢磨:確かにバック・ストレートは水しぶきが凄くて、視界はほとんどゼロだったし、至る所にトロントのコンクリート・パッチがあって、その上はものすごい滑り易かったんですけども、僕らはそれらのパッチを避けるようにしてウォーム・アップ・ランというか、アンダー・イエローっていうかね、走っていて、レースは十分にできると思ってました。ただ、コーション中にドライバーがスピン・オフしてクラッシュしたりだとか、スタートの時に先頭のドライバーが失敗したりと、確かにものすごい滑り易いコンディションでしたけど、雨の量自体はそんなに激しくはなかったので、僕は赤旗になっても再開ができると思ってました。話が前後しちゃうけど、最初の赤旗の理由は、コーション・ライトの追加だったんですよね。スタンディング・スタートをやるのに、すべてのグリッドの間隔にコーション・ライトがないのは危ないって最初から言ってたんで、あの時にはそれを追加するために赤旗にしたんですよ(インディーカーから、この事情説明は一切なし)。それでスタンディング・スタートにする予定だったんだけれども、イエロー中にスタンディング・スタートをやめてローリング・スタートになった。そして、その後の2回の赤旗は意味がわからなかったですよね。確かに滑り易かったけど、せっかくウェット・タイヤがあるんだし、“雨でレースをやるよ” って言ったんだから、雨でレースをやった方が良かったと思います。

――オフィシャルからフィードバックを求められたりはしましたか?

佐藤琢磨:いや、僕個人にはないですね。何人のドライバーたちは抗議というか、止めた方が良いって言ってたみたいですけど。

――それはドライバーからチームに話が行って、それがオフィシャルに伝えられるパターンですか?

佐藤琢磨:はい、そうです。

――琢磨選手としては、走行してピットに伝えたとか、話したことって何かありましたか?

佐藤琢磨:バック・ストレートは見えないって言うのは言いました。だから、”ターン3で何かあったら教えて”とは言いましたね。一度スタートしたら、アクセルを緩めるワケにも行かないんですよ。みんなで移動しないと。前が見えないからってアクセル・オフするのも怖いですよ、後ろからも来てますからね。でも、"確かにコレ、スタートしたらとんでもないことになるかも”という予感もしてました。狭いしね。ただ、これまでも何度かそういうシーンはやって来たし、レースは進んで来ていたので、大丈夫だと思ってました。水溜まりはなかったのでね。

「雨の時は歯科医がある状態で始まるので
スタンディングスタートの方が適している」

――イエローででもスタートを切って、何周かすればラインも乾いて来て、そこでシングル・ファイルのローリング・スタートっていうのは安全面からもかなり妥当な線と思ったのですが?

佐藤琢磨:すごい残念でしたね、ローリング・スタート、それもシングル・ファイルだって聞かされた時には。

――でも、それが一番の選択肢だったのでは?


佐藤琢磨:はい、100歩譲って。ヒューストンの時なんて、もっと雨が降ってたのにレースはスタートしたし、事故にもならなかったよね? 雨の場合はスタンディング・スタートの方が適しているとも思いますしね。

――最初のスピードが遅いという面で。

佐藤琢磨:はい。視界がある状態で始まりますからね。

――ライトが装備されていなかったのがインディカーの最初の問題であったと。
佐藤琢磨:そうですね。追加作業が終ったので“よし、スタンディング・スタートだ”って思ってたら、ローリング・スタートに変更になった。それはちょっと残念でしたね。特にシングル・ファイルのローリングとなると、抜けないですからね、最初に。でも、"仕方ないから1台ずつ行くか”と。15番手から1台ずつ行って、80ラップもあるし、サバイバル・レースになるとも思ってましたけど、何とか最後まで生き残って前まで行きたいと思っていました。

――赤旗中に“10分間マシンをいじってもヨシ”という話が何度かありましたが、14号車陣営は何か変更をしましたか?
佐藤琢磨:僕も最初のスタート前に少し大きめのガーニー・フラップにしてたんですが、2回目の赤旗の時にさらに大きいものにしました。

「雨は歓迎でした。僕が一番走りたかったドライバーだったはず」
――色々チームも頑張っていたかれど、結局スタートしなかったのは本当に残念でしたね。

佐藤琢磨:ホント、今日レースをやりたかったですね。

――雨のレースは、”ヨシッ”と思ってましたか?

佐藤琢磨:もちろん。雨は歓迎です。グリッドで多分、僕が一番スタートしたがってたドライバーでしたね。

――今、雨ならインディカーで一番速いでしょ? かなり自信を持っていいんじゃないですか?
佐藤琢磨:僕が一番速いかどうかは皆さんが決めてください。確かに自信は持っていますが、それは1レースを除いて、ですね。バーバーは酷かったので。クルマも、タイヤの内圧も大きく外すと、ああいう風になっちゃう。でも、ストリートでソコソコちゃんとドライで走れるクルマになっていれば、ウェットタイヤ着けたら問題ないと思います。

――雨でチャンスは増えたと考えてたワケですよね?

佐藤琢磨:そうでした。特に今日は予選15番手だったから、雨になれば前に上がれると信じてました。

「雨のレースを2回やりましょう! 雨が僕らには必要です」
――65ラップを2レースというスケジュールに明日はなりましたが、その決定についてはどう思いますか?

佐藤琢磨:スプリントとロング・レースになるのかとも思ってましたけどね。

――1レース目が10時半スタートで、2レース目は午後4時15分スタートです。かなりドライバーにとってはタフですよね?
佐藤琢磨:合計130ラップ。それはちょっと……笑えないですね。

――インターバルをなるべく長く取ろうとした印象ですが?
佐藤琢磨:でも、1日に2レースってないもんね。

――週末2レースも大変なんですよね?

佐藤琢磨:予選レースをやって決勝もってコトはあったかもしれないけど、レース、その後にまたレースっていうのはかつてないですよね。

――予選は当然キャンセルになりましたが。

佐藤琢磨:でも、そのおかげでレース2のスターティング・グリッドはチャンピオンシップ・ポイント順なんでしょ? それじゃ僕らは最後尾だから……。

――後ろはルカ・フィリッピだけではないでしょうか。
佐藤琢磨:雨が必要ですよ。2回やりましょう、雨のレース。僕はそれをウェルカム。全然問題ない。

――では、明日は大変ですが、頑張ってください!
佐藤琢磨:はい、ありがとうございます。頑張ります。
以上

2014 INDYCARレポート 第13戦トロント Day2 レース1:ドタバタの末明日に延期に ドタバタの末に明日に延期

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
ローリングスタート、シングルファイルに変更!

 実についてない。午後になってから小雨が降り出して、インディカーのスタートが近づいた頃に雨脚が強くなった。
 それでも23台のマシンはコースへと出て行った。ウェットタイヤを全員が装着。85周か2時間、どちらか先に来た方でゴール……というルールでレースは戦われるはずだった。
 しかし、インディカーは「危険過ぎる」と赤旗を出した。「バック・ストレッチで上がる水しぶきが酷い」とのフィードバックがドライバーたちからあったという。


2014 INDYCAR レポート 第13戦トロント Day2 予選1:セバスチャン・ブルデイがポールポジション! 佐藤琢磨、全体のトップ10入りするタイムをマークするもQ2進出を逃す

第13戦 ホンダ・トロント・インディー 
7月19日 予選
天候:曇り
気温:18℃

ブルデイ、幸運にも恵まれ7年ぶりのPP獲得
 土曜日の天気は曇り。予選開始時の気温は18℃と低かった。しかし、昨日は風があって寒さを感じたほどだったのに対し、今日は涼し目のコンディションとなっていた。
 今日の予選ではセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)がインディーカーで初めてのポールポジションを獲得した。チャンプカーではPPを31回も記録しているので、すべてが合算されることになっている現在のルールだと、キャリア32個めのPPということになる。