2014年7月12日土曜日

2014 INDYCARレポート 第12戦アイオワ Day1 予選 スコット・ディクソンが今シーズン初のポールポジション!チップ・ガナッシ・レーシングがフロント・ロウ独占

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
7月11日 Day1 予選
天候:曇り 気温:22℃


圧倒的な速さを見せたディクソン、チームメイトを押し出してPP

 昨年度チャンピオン、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)がすごい走りでアイオワのポールポジションを獲得した。
 ポコノでは次々とトップが変わって行く予選となっていたが、今日は4番目にアタックしたトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が、最初のアタッカーだったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)をトップの座から押し出し、そのまま最速であり続けていた。しかし、そのカナーンの185.891mphというスピードを、ディクソンは軽々と破る186.256mphをマークした。アタック前のウォームアップ・ラップが182.555mphという速さだった。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント46 第12戦アイオワ Day1 プラクティス2:「良いポジションと思います。もうちょっとクリアにしないといけない点が幾つかあるんですけど、ここまで取りあえずは順調です」

ジャック・アマノ、琢磨コメント取材中 Photo:Gustavo Rosso クリックして拡大
第12戦 アイオワ・コーン・インディー300
Day1 プラクティス2
17秒5279(183.616mph) 4位 59周走行

「最後はニュータイヤで予選トリムでした」
Jack Amano(以下――):順調なセッションだったと言っていいでしょうか? 最後に4番手のタイムが出ましたが?
佐藤琢磨:う~ん、そうですね。最後はニュー・タイヤでクォリファイング・トリムでしたけど、まぁ、そこそこ良いスピードが出たと思いますけど、ちょっとまだ完全に満足っていうワケではないですね。

――それは予選用セットが……という意味じゃなく、決勝用についてですか?
佐藤琢磨:そう。スタビリティの問題があるので。ここはやっぱり2コーナーのバンプが大きいので、それがまだうまく越えられていないです。クルマが不安定になっちゃう。

2014 INDYCARレポート 第12戦アイオワ Day1 プラクティス2:最速はファン・パブロ・モントーヤ! 佐藤琢磨が4番手!!

Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)
第12戦 アイオワ・コーン・インディー300
7月11日 Day1 プラクティス2
天候:曇り 一時 雨
気温:22℃


プラクティス直前にまた雨
1時間待機のあと、午後3時前から走行開始

 スケジュールが変更されて午後1時45分からプラクティス2回目が行われることとなったが、雨が完全に止むことがなく、走行開始直前にまた雨が少し強めに降った。
 それから待つこと1時間と少し、午後2時47分にプラクティスは始まった。最初の変更でのセッション終了時刻は3時15分とされていたが、インディーカーはプラクティスを3時45分まで延長した。セッションは終始風の強いコンディションであった。

2014 INDYCARレポート 第12戦アイオワ Day1:雨のためスケジュール変更!予選は午後6時からに





プラクティス1で琢磨は9周しか走れず19位。プラクティス2でタイムアップを狙う Photo:INDYCAR (Chris Jones)
 インディーカーはスケジュール変更を行い、今日の午後に予定されている予選とプラクティス2を入れ替えた。夕方に行なうはずだったプラクティスを午後1時45分から1時間半に渡って行い、日中に予定されていた予選は夕方の6時からのスタートに変わった。今朝のプラクティス1が雨で14分弱というあまりにも短い走行時間となったため、レースに向けてプラクティス・タイムを充分に取ることが重視された。
 なお、今夜の7時30分にNASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズのレースがスタートする予定で、同レースは全米にライブで放映されることになっているため、天候次第ではインディカーの予選は行なわれなくなる可能性もある。
 現在午後13時30分。走行開始15分前だが、ごく僅かながらポツポツと雨が落ちて来る状況が続いており、コースでは乾燥作業が続けられている。
以上

2014 INDYCAR レポート 第12戦アイオワ Day1 プラクティス1:トップはジェイムズ・ヒンチクリフだったが……

Photo: INDYCAR (Chris Jones)
雨のためわずか13分余りで走行終了
 アイオワ・コーン・インディー300のプラクティス1が終了し、トップは昨年度ウィナーのジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)だった。しかし、このプラクティス、実はたったの13分34秒のグリーン・タイムで、雨のため終了となってしまっていた。一応書くと、2番手はトニー・カナー
ン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、3番手はカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)だった。
 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)はエンジンがリミッターに当たっていた上、サスペンションにトラブルもあったため、システム・チェック2周も含めて9周しか走れなかった。
 トップは183.647mphで、これはすでに去年、一昨年のポール・スピードを上回っていた。NASCARのトラックが走ってラバーが載っていた(グッドイヤーのものだが)ことと、気温の低さ、エンジンの今年のパワーが影響してのことか。琢磨のベストは177.333mphだった。

以上

2014年7月11日金曜日

2014 INDYCAR レポート :佐藤琢磨にQ 第12戦アイオワ編 「アイオワ・スピードウェイはファンタスティックなショート・オーバル。色々あって難しいのですが、アイオワでのレースをいつも楽しんでいます」

AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレス・リリースより
「自分のレースキャリアでも最大のGがかかるコースです」
――アイオワ・スピードウェイの第一印象は?

佐藤琢磨:とてもタイトなコーナーなのにすごく急なバンクがつけらていることに強い印象を受けました。それまでの自分がまったく見たことのないものでした。走り出してすぐにコースを好きになりました。ドライバーにとってチャレンジングなだけでなく、体力的にも大変なコースです。予選では強烈なGがかかり、それは6Gにも達します。自分のレースキャリアで最大のGです。

2014年7月7日月曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨 コメント45 第11戦 ポコノ Day2 決勝:「レース走行中には何も異常はなく、唐突にエンジンが止まりました。でも、ポコノで良かったことは、アイオワに向けてもポジティブです。ポールポジションを狙っていきたいですね」

ブリスコーと2ワイドでコントロールラインを駆け抜ける Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大
「ターン3で “停電” しました」
Jack Amano(以下――):トラブルでの残念なリタイアになってしまいましたね。

佐藤琢磨:はい。電装系のトラブルでした。

――まだ序盤でしたが、唐突にエンジンが止まってしまったんですか?

佐藤琢磨:そうです。ターン3で“停電”しました。

2014 INDYCAR レポート 第11戦ポコノ Day2 決勝:モントーヤついに優勝!

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モントーヤ、実に13年9ヵ月ぶりのインディーカー・ウィナーに
 ワールドカップ・サッカーではブラジルに敗れたコロンビアだったが、ポコノではコロンビアンがブラジリアンを倒して優勝した。燃費作戦でギャンブルに出たトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)と、正攻法で勝負を挑んで来たチームメイトのエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)、2人を敗ってポコノでの優勝を飾ったのはファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)だった。
 彼の今季初勝利は、CART時代のものと合わせて12勝目となった。CARTインディカー・ワールド・シリーズでの彼の最後の優勝は、2000年9月のゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイでのもの。あれから13年9ヶ月20日という長い時間を隔てて、今日モントーヤは再びインディーカー・ウィナーとなった。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント44 第11戦ポコノ Day1 予選:「プラクティスから積み上げて来たものが、しっかりとリザルトに残った。今日のクルマというのはすごく良くなっているので、明日に向けて好調は維持できていると思います」

Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
「自分の後、3台に抜かれたのは残念でした」
Jack Amano(以下――):惜しかったですね、フロント・ロウ獲得を惜しくも逃しました。
佐藤琢磨:そうですね。最後で逆転されちゃいました。

――予選での走りはとても良かったですよね?
佐藤琢磨:はい。すごく良かったと思います。プラクティスから積み上げて来たものが、しっかりとリザルトに残った。自分が走った時点でトップタイムだったというはとても良かったですね。その後の10数分の間のコンディションがどれぐらい良くなっていたのか。気温は少しずつ落ちて行ってたんですけど、それがどれぐらい影響したかはわからない。まぁ、自分の後に走った3台に抜かれたというのは残念でしたね。ただ、モントーヤの2ラップはもう別格でした。223.8mphは出ないなぁ。見えないですね、ちょっと。ギヤも含めて。だけど、そこに至るまでのクルマ作りっていうのは今日は非常にくまく行ったと思うので、大きなトラフィックとかは今日やってないですけども、去年の感じから見ると今日のクルマというのはすごく良くなっているので、明日に向けて好調は維持できていると思います。

2014年7月6日日曜日

2014 INDYCAR レポート 第11戦ポコノ Day1 予選:ファン・パブロ・モントーヤがインディーカー復帰11戦目にしてポールポジション!佐藤琢磨は予選4位


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7月5日 Day1 予選
天候:快晴
気温:23℃

自信を取り戻してきていたモントーヤ、ついにPP獲得

 トリッキー・トライアングルでファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)がポール・ポジション獲得! インディーカー復帰11戦目でのことだ。これは早かった? それとも遅かった??
 随分と成熟したというか、大人しくなったかにも見えているモントーヤ。今年の彼の戦いぶりを見ていて、まったく焦っていないところに、なんだから丸くなり過ぎちゃいないか……とすら感じていた。
 モントーヤは自信を着々と取り戻して来ていた。ヒューストンあたりからそれを自分でも口にするようになっていた。そして、NASCARでもポールを獲得したことがある、テクニカルなオーバルで復帰後初のPP獲得を達成してみせた。


2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント43 第11戦ポコノ Day1 プラクティス2:「今、すごい速い状態で更に良くして行こうとやっている状態です。本当に前の方で走れている!という感じがしています」

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「ミルウォーキーでよかったやつを入れました
実走行で結果に現れたっていうのはすごく勇気づけられますね」


Jack Amano(以下――):最後の最後でポジションは7番手になりましたが、安定して好タイムを続けて出せていたセッションでしたね。

佐藤琢磨:良かったですね。午前中にやりたかったのにできなかったものができました。午後一から始めて、手応えを掴んでいます。ミルウォーキー(のテスト)で良かったヤツです。それがここでもシッカリと、実走行で結果に現れたっていうのはすごく勇気づけられますね。純粋なスピードではちょっと負けちゃったけど、ライバルたちを見ると、ノン・トウ・フィルター(直前を走るマシンとの間隔も考慮してのスピード)をかけるとそんなにスピードは上がっていないから。多分、みんな引っ張ってもらってのスピードになっていたと思います。223mpはちょっと単独では無理ですね。僕も出し切って、パーフェクトなクォリファイ・トリムをやって221mphぐらいかな?

――去年よりかなり速いですね。

佐藤琢磨:全然速い。危ない、危ない(笑)。

――その理由のメインはエンジンのパワー・アップでしょうか?
佐藤琢磨:エンジンは大きいですね。コンディションも大きい。今年は涼しいのでエンジン・パワーが上がっている。それとシャシーに関する理解度が上がっていること。そっちでも1mph以上速くなってますね。それらのコンビネーションですね。去年の予選とか決勝でのベタ踏みの状態の1コーナーと3コーナーより、今のリフトしている状態の方が速いんだもん。危ないよ。

「ターン2はバンピーでマシンが跳ねているけど去年より9mphも速いです」

――ターン2ではマシンが跳ねていますね?

佐藤琢磨:ターン2のイン側はすごい洗濯板みたくなってて、あそこに行くとすごく跳ねるんだけど、でも、あそこに入らないとスーッと外に流れて行っちゃうんで、ちょっと怖いところですね。もうちょっと外から行けるのかな? みんなは(バンピーなところを)避けて行ってる? 行ってないでしょう? エイペックスと取らないと回り切れないから、今年は速くなってるので。去年より9mphぐらい速いんだもん。

――そんなに!?

佐藤琢磨:9mphってメチャクチャ速いですよ!

――じゃ、レース中もラインは1本になる。
佐藤琢磨:そうですね。去年は場合によっては2ワイドで行ったこともあったけどね。リスタート直後とかは。

「予選では2列目に入ることを目標にしたいです」

――今日、この後が予選ですが、上位を狙えそうですね?
佐藤琢磨:今のポジションである7番手は去年と一緒ですけど、もう1、2個上げて2列目に入ることを目標にしたいですね。最後のクォリファイング・シミュ(予選
シミュレーション)がうまく行ってなかった。タイヤのミスとかがあったので……。それがうまくまとまれば、もしかしたらフロント・ロウも狙えるかもしれな
い。それぐらい仕上がりとしては、今までにないぐらい好い位置にいますね。

――予選シミュレーションは2回行くつもりもあったみたいでしたが?
佐藤琢磨:もしタイヤがあれば……というところでした。でも、今のシミュレーションは今言ったような事情で不完全燃焼だった。それに、(シミュレーションが1回だけだったことによって)ダンパーについて1個迷っているところがある。ちょっとそれが難しいですね。予選にくっつけて行ったら、もう決勝はそれで行くしかないし、逆に外したら、予選のパフォーマンスが落ちるかもしれないし。ちょっと難しいところですね。これからデータを見てみます。いずれにしても、どっかがおかしいから直して……というのではなくて、すごい速い状態を更に良くして行こうっていうことをやっている状態なので、今、本当に前の方で走れているという感じです。

――気持ち良くセッションをこなせていますね。

佐藤琢磨:トラフィックはあまり走れなかったけど。

――今のセッションでは、あまりトラフィックができてませんでしたね?

佐藤琢磨:予選のことをみんな考えて、そうするとクルマは単独でもギリギリのところになっちゃうから。ヘヴィー・トラフィックっていうのは、セッションが始まっ
た直後にアンドレッティとペンスキーが一緒に走ってたけど、それ以外はほとんどなかったですね。

――では、予選でまた頑張ってください。
佐藤琢磨:はい、頑張ります。
以上

2014 INDYCARレポート 第11戦ポコノ Day1 プラクティス2:ウィル・パワーが最速!佐藤琢磨は7番手につける

Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大
佐藤琢磨、プラクティス2でこの日初の222mph台をマーク
 気温は21℃まで上昇。太陽は出続けているので、路面温度も46℃まで上がってプラクティス2は始まった。朝のセッションの開始時点と比べると、路面は16度も上がっていた。
 午後のペース・セッターは佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。プラクティス1で使ったタイヤで4周走った後にニュー・タイヤに交換、コース・インして2周目には221mph台をマーク、3周目に222.215mphを出してトップに立った。今日最初の222mph台が琢磨だった。
 このラップは暫くの間トップにあり続けた。琢磨は細かなサスペンション変更などを施し、決勝に向けた走りを続けていた。そして、219~220mph台でのコンスタントな周回を実現していた。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 43 第11戦ポコノ Day1 プラクティス1:「最後は集団に引っ張られてタイムは出ましたが、あんまりそれは気にしてなくて、それよりも午後のセッションでクルマをまとめ上げたいです」

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
「今日はもしかしたら走れないかもと心配していました」

Jack Amano(以下――):コースのコンディションはどうでしたか?

佐藤琢磨:ちょっと怖かった。いつ水が浮き上がって来るか、という心配があったので。走って30分くらいすると、路面が暖まって、そこに振動も加わって、インディーカーが走ることで空気が地面から吸い上げられるでしょう。それで路面の下から水が出て来ちゃうことがあるんですよね。でも、セッション中に2回ぐらいトラック・インスペクションが入ったでしょ? それで大丈夫だということだったので。みんなも走り続けていたので、自分としても大丈夫だろうと思って走ってましたね。

2014 INDYCAR レポート 第11戦ポコノ Day1  プラクティス1:最速はトニー・カナーン!佐藤琢磨は5番手と好スタート

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
昨年のポール・ポジション・タイムを早くも更新
 気温は17℃。風もあって肌寒いぐらいのコンディションとなったポコノ・レースウェイでの走行初日、1時間のプラクティス1で最速ラップ=平均時速221.344mphを記録したのはトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。トウを得てのスピードではあったが、去年のポール・ポジション・スピードは221.273mphだったから、最初のセッションでそれが早くも破られたということだ。彼のチームメイトで昨年のポコノ・ウィナー、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は219.304mphで11番手だった。