2014年8月27日水曜日

2014 INDYCARニュース 8月25日:インディーライツ・チャンピオンはギャビー・シャヴェスに決定

シャヴェスはマイアミ在住のコロンビアン、弱冠21歳だ! Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)
わずか12ポイント差、シャヴェスとハーヴェイ
21歳同士のタイトル争い

 今週末のインディーライツはダブルヘダーだった。今シーズン4回目のこと。バーバー、インディアナポリス・ロードコース、ミッド・オハイオがダブルヘダーだった。
 そして、ソノマでのレース#2は彼らの2014年シーズン最終戦だった。ポイント・スタンディング・トップはコロンビア出身の21歳、インディーライツは2年目のギャビー・シャヴェス(ベラルディ・オート・レーシング)。2番手はイギリス人ドライバーで同じく21歳のジャック・ハーヴェイ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)。こちらは去年までGP3を走ってて、インディーライツではルーキーだ。4勝しているシャヴェスのポイントは507点で、前日のソノマでのレース#1で3勝目を挙げたばかりのハーヴェイは495点。2人の間には12点の差しかなかった。

 インディーライツはインディーカーとほぼ同じポイント・システムを採用している。各順位でのポイントに関して感覚的な慣れを持たせようとの意図もあってのことだ。ただし、ボーナス・ポイントは両者で微妙に違っている。インディーライツではファステスト・ラップに1点が与えられ、最多リード・ラップは2点じゃなく1点。1ラップでもリード・ラップを記録したら1点……というボーナスはない。
 ポイント・リーダーのシャヴェスがチャンピオンになる条件は、2位以上。彼の予選順位は2位だった。そして、逆転タイトルを狙うハーヴェイはポール・ポジション。彼にとってはシャヴェスより上位でフィニッシュすることがマスト。エントリーは10台しかおらず、10位だと20点が稼げるから、優勝の50点を狙うしかないに近い状況だった。そして、それは充分に達成可能な目標と見えていた。昨日のレース#1で彼は大逃げしての圧勝を記録している。ミッド・オハイオでのダブルヘダーでも彼は見事な両レース制覇を飾っている。

ハーヴェイ、優勝するもシャヴェスは2位でタイトル獲得
 スタートには緊張感が漲っていた。ハーヴェイのチームメイト、ルイス・ラジアとファン・ピエドラヒータがシャヴェスに激しくアタック。オープニング・ラップで先行しようと狙っていたからだ。フラッグ・スタンドのオフィシャルがいい仕事をして、隊列が奇麗に整わなかった最初の2回にイエロー・フラッグを振った。そして3回目のスタートでれーすはようやく始まった。これらすべてでハーヴェイはきっちりトップを守った。そして、3回目のクリーン・スタートでシャヴェスも2番手を冷静に確保した。
 ハーヴェイはそこから逃げの体制を作り上げ、ブッチギリのポール・トゥ・ウィン。2位に18秒以上の差をつけ、2日連続の圧勝を記録した。やるべき仕事を完璧にやってのけたのだ。しかし、タイトルはシャヴェスのものとなった。スタートで2番手をキープした彼は、トップを追いかけながら3番手以下との間に差をつけると、タイトル獲得に必要な2位の座を守り抜く走りにスイッチ。マシンをゴールまで運んだ。シャヴェスもまた自らに与えられた仕事をミスなくこなしたのだった。

コロンビア人4人目のインディーライツ・チャンピオン
 コロンビア人チャンピオンがインディーライツに誕生。インディーカーに現在4人が出場中のコロンビア。今やブラジルを完全に押しのけて南米の最大勢力になっている。上記レポートに名前の出ていたピエドラヒータもボコタ出身だ。
 2013年のセイジ・カラム(アメリカ)、2012年のトゥリスタン・ヴォーティエ(フランス)、2011年のジョセフ・ニューガーデン(アメリカ)、2010年のJK・ヴァーネイ(フランス)、2007年のアレックス・ロイド(イギリス)、2006年のジェイ・ハワード(イギリス)、そして2004年のチアゴ・メデイロス(ブラジル)と過去10年間で7回もチャンピオンを輩出しているシュミット・ピーターソン・モータースポーツ(一昨年まではサム・シュミット・モータースポーツ)だが、今年は新興のベラルディ・オート・レーシングが初タイトルを獲得した。
 ソノマの最終戦で3位争いを制したのはアンドレッティ・オートスポートのザック・ヴィーチ(アメリカ)で、彼はシーズン・ランキングも3位となった。まだ19歳。
 オーストラリア出身の元F1チャンピオン、ジャック・ブラバムの孫であるマシュー・ブラバム(アメリカ国籍)は、ヴィーチと同じくアンドレッティ・オートスポートからエントリーし、ルーキーながら1勝してランキング4位となっている。と言っても、フル・シーズン出場は8人しかいなかったが……。アンドレッティのインディーライツ・タイトル獲得は2008年のJR・ヒルデブランド、2009年のラファエル・マトスの2回。
 スタイリッシュな新型ダラーラ・シャシーと、AER(アドヴァンスト・エンジン・リサーチ社)製の直列4気筒ターボ・エンジン搭載となる来シーズン、インディーライツのエントリーが増えますように。
以上

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