カストロネヴェスに羽交い絞めの祝福を受けるパワー Photo:INDYCAR (Chris Jones) |
「攻め過ぎないこと。それがソノマ攻略の鍵さ」と予選後に話したパワーだったが、彼の予選ファイナルでのアタックはその言葉とは真逆のものと見えていた。幾つものコーナーでマシンをスライドさせながら、ステアリングを右に左に切ってコントロールし続ける走りは、パワーだからこそ実現可能なものだった。
予選の第2セグメントで今日の最速ラップとなる1分17秒2851をマークしたのはジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)。彼の初ポール獲得にも期待が寄せられたが、ファイナル・ステージはユーズド・レッドでの戦い。パワーに一日の長があった。フレッシュ・レッドでのアタックなら今年のソノマでの最速はニューガーデンだった。しかし、ポールポジションを獲得するために必要なのは第2セグメントまででレッド・タイヤに与えるダメージを最小限に抑え、ユーズド・レッドで走るファイナル・ステージで誰よりも速く走ることなのだ。
「2012年は最後尾に近かった。トップから2秒も離されていた。それが2014年にはほとんとポールポジションという走りを実現できた。自分たちの進歩の度合いを感ずることができ嬉しい」とニューガーデンは語っていた。昨年まで一緒に戦っていたエンジニアをシュミット・ピーターソン・モータースポーツに引き抜かれ、今年の彼は昨年までのサブ・エンジニアとコンビを組んでいる。しかし、そこには継続性があり、ニューガーデン自体の成長もあって今年3回目の予選2位というパフォーマンスを引き出しているのだろう。
カストロネヴェス、「チャンピオンシップのことは考えないで走る」
ポイント2位のエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は、予選のファイナル進出こそ果たしたが、アタック・ラップでシケイン進入時のブレーキングをミスし、ベストが1分18秒8771止まりとなった。結果はファイアストン・ファスト6最下位の6位。明日のレースでパワーより上位でフィニッシュするのは容易ではなくなった。
パワーはPPのボーナス1点を稼ぎ、カストロネベスとのポイント差を40点へと広げ、「自分たちの戦い方はいつもと変わらなかった。予選ではポール・ポジションを目指す。それが優勝への最短距離だからだ。今週末は、自分たちの目指す通りの戦いを進めることができている。ポール・ポジションはレースを戦う上で間違いなく有利。前方グリッドからのスタートではプレッシャーも小さい。ただし、自分としては明日もチャンピオンシップのことは考えずに走る。自分のやるべきことをやり抜くだけ。全神経を集中し、勝利を目指して走るだけだ」と語った。
予選3位はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。予選4位はジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)。そして、予選5位はソノマが得意なライア・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)。カストロネベスはこれらの強豪たちをパスして行かねばならない。
もちろん、パワーとしてもこれらの俊足ドライバーたちとの戦いを乗り越えることが勝利のためには必要だ。ディクソンがソノマで速いのは誰もが知るところだし、今シーズン2勝目への意欲も強く持っている。彼の隣りの4番グリッドからスタートするヒンチも、昨年3勝したが今年は未勝利。明日のレースはアグレッシブに勝利を狙って来るだろう。
「レッドでのタイムの縮まり方が小さかった」と悔しがる琢磨
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、Q1でのレッド・タイヤ装着でのアタックで1ラップ目に1分18秒4440をマーク。2ラップ目は1分18秒4104。ブラックからのゲインが少なく、レッドでのアタック2周目もタイムの短縮度合いが小さかったため、11台走行中の10番手。予選20位という結果に終った。
「予選の最初はブラック・タイヤで走り、5番手と悪くない位置につけていた。しかし、レッドでのタイムの縮まり方が小さかった。思い切りアクセルを踏んで行けるだけのグリップが得られていなかった」と琢磨は悔しがっていた。
以上
0 件のコメント:
コメントを投稿