Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) |
3年連続のメーカータイトルにも王手
スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)のミッド・オハイオでの勝利は、シボレー・エンジンにとって今季9勝目となった。
2014年シーズンは全18戦なので、ボウタイ軍団はすでにその半分の勝ち星を挙げたということ。残り3戦のうちのひとつでも勝てば、今シーズンもイルモア製シボレー・インディーV6ターボが最多勝エンジンとなる。ポール・ポジションは今回ミッド・オハイオでセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)が獲得したことにより、シボレーが10回目=シーズン最多を確定させている。
今シーズンからマニュファクチャラーズ・ポイントはルールが新しくされ、トップ5フィニッシュがカウントされることになったが、15戦終了時点でのポイントはシェビー2,161点、ホンダ1,352点(6勝)。7回目の1-2フィニッシュ(3回の1-2-3フィニッシュ以上を含む)を記録して来ているシボレーは3年連続のメーカー・タイトルに王手をかけていると言っていいだろう。
ガナッシ勢が勝てない状況の中でも
勝ち星を重ねる充実のチームラインアップ
2012年からインディーカー・シリーズに復帰して来たシボレーは、初年度はホンダとロータス、2年目はホンダを相手に戦い、続けてマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得して来ている。2012年にはドライバーズ・タイトルもシボレーを当時使っていたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が獲得。2013年にはインディー500での優勝も同じくマイケル・アンドレッティのチーム、シボレー=ハンター-レイが果たした。
ミッド・オハイオでの勝利は、シボレーがガナッシと手を組んでから初めてのものとなった。前年度チャンピオンのディクソンが開幕から14戦も勝てなかったのは意外だった。新しい相棒のトニー・カナーンも今季は未だ勝利がない。それでもシェビーは開幕戦からずっとポイント・リードを保ち続けて来ている。エド・カーペンター・レーシングが3勝を挙げる大活躍を見せ、シーズン後半戦に入ってからはKVSHレーシングが好成績を安定して残せるだけの力を備えて来ており、彼らのチーム・ライン・アップは開幕の時点で元々つけていたホンダとの差を更に広げている。
高い信頼性もシボレーの武器
ディクソンのピットに陣取る作戦参謀はジェネラル・マネジャーのマイク・ハル。彼の作戦も天晴だったが、第一にマシンの仕上がりレベルが非常に高かったことがポイントで、ディクソンのスマートかつ確実なドライビングと燃費セーブの巧みさも加味されて勝利は実現されていた。22番グリッドからの優勝はもちろんミッド・オハイオのインディーカー・レース史上最も後方からのもの。これまでのレコードは8位だった。まさに歴史が大きく塗り替えられたのだ。
ガナッシが勝てずにいたのに快進撃を続けていたシボレーだが、彼らのエンジンは信頼性でライバルに対して優位に立っている。ミッド・オハイオでのレースは90周の長さだったが、このレースのほぼ中間地点でディクソンのエンジンは今年のルールで定められている2,500マイルの最少走行距離に到達していた。彼らのエンジンは結局2,594マイルをトラブル・フリーで走破した。それだけでなく、走行距離が2,500マイルを越えた後にもライヴァル勢を突き放すディクソンのパフォーマンスに寄与していた。2位でゴールしたブルデイもシボレー・エンジン搭載だったが……。
以上
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