2014年7月11日金曜日

2014 INDYCAR レポート :佐藤琢磨にQ 第12戦アイオワ編 「アイオワ・スピードウェイはファンタスティックなショート・オーバル。色々あって難しいのですが、アイオワでのレースをいつも楽しんでいます」

AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレス・リリースより
「自分のレースキャリアでも最大のGがかかるコースです」
――アイオワ・スピードウェイの第一印象は?

佐藤琢磨:とてもタイトなコーナーなのにすごく急なバンクがつけらていることに強い印象を受けました。それまでの自分がまったく見たことのないものでした。走り出してすぐにコースを好きになりました。ドライバーにとってチャレンジングなだけでなく、体力的にも大変なコースです。予選では強烈なGがかかり、それは6Gにも達します。自分のレースキャリアで最大のGです。

――アイオワでのレースを振り返っていかがですか?

佐藤琢磨:いつもアイオワでのレースはとても楽しいと感じます。難しいレースでもありますが。いい思い出も多いコースですが、自分に対して常に良いサーキットというワケでもありません。最初の年は3位を走っていましたが、楽観的になり過ぎ、周回遅れをパスしようとしてレースを終える結果となりました。インディーカーのキャリアで初のポール・ポジションを参戦2年目に獲得したのもここでしたが、ピット・ストップの後にバンプに足をすくわれてウォールにヒットした……といった感じです。去年の我々は力強いレースを戦っていましたが、不運にもマシンにトラブルが出てしまいました。色々あって難しいのですが、アイオワでのレースは私はいつも楽しんでいます。アイオワ・スピードウェイはファンタスティックなショート・オーバルです。

「コンディション変化が大きく、トリッキーで難しいアイオワ」
――アイオワ・スピードウェイの難しさはどこにありますか
佐藤琢磨:マシン・セッティングは、オーバルとロードコースのミックスといったところです。とても急なバンクがついたコーナーと、ロードコース用の空力(ハイ・ダウンフォース)のパッケージがもたらすのは強烈な縦Gで、マシンは地面に抑えつけられるのですが、それでもスピードは185mphに達します。レースでの作戦は、コースが大変短い全長になっているので、ピット・ストップを行うと2ラップも失ってしまいます。それに関してできることはないのですが、イエローの出るタイミングが悪いと大きなダメージを被ります。
どれだけ攻撃的に走るかですが、その点では他のコースと変わりません。しかし、アイオワはナイト・レースですから、夕方のスタートでは暑く、陽が沈んだ後のレースでは気温が下がります。その結果マシンのリアクションが変わり、それに対して常に注意を払って走らねばなりません。例えば、気温が下がってからは、マシンは速くなり、空気の密度が上がってマシンはより低く沈むようになり、バンプにキッスするようになります。マシンがボトム・アウトする可能性があります。

――アイオワ・スピードウェイは “ノー・アタック、ノー・チャンス” のトラックか、もしくは勇敢さより判断力が求められるコースか? 

佐藤琢磨:両方ですね。先に説明したとおり、コンディション変化が大きく、トリッキーなコースなんですが、ハードにレースを戦わなければ望む結果は得られません。そのバランスはどのコースでも必要です。

「自分たちはポジティブな姿勢を保ち、シーズン後半然もレースをハードに戦って行く」
――今シーズンは厳しい戦いが続いていますが?
佐藤琢磨:まったくそのとおりです。とても厳しいシーズンになっています。多くの不運に見舞われています。目の前でクラッシュした他車の破片を拾ったり、タイヤがパンクしたり、メカニカル・トラブルや電装系トラブル、他車にぶつけられたり、レーシング・アクシデントもありました。本当に多くのことが起こっていますね。しかし、私たちはほぼすべてのコースで速さを発揮して来ており、それには勇気づけられます。常に改良すべき点を見つけ、そこを進歩させ、避けることが可能なミスはできる限り起こらないようにする。そうしてプッシュを続けるだけです。

――2回のポール・ポジションを含め、トップ10スタートは5回。それがモチベーションを保っている?
佐藤琢磨:そうですね。僕らは予選が遅いワケじゃない。しかし、我々は事実に目を向け、全体で進歩を続けなくてはいけない。スピードがあることには勇気づけられるし、多くの状況で強さを見せて来ている。自分たちはポジティブな姿勢を保ち、シーズン後半然もレースをハードに戦って行く。

アイオワでの戦績:
琢磨は4レースを戦い、ベスト・スタートは2011年のポール・ポジション(KVレーシング・テクノロジーで)。ベスト・フィニッシュは2002年の12位(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングで)。
AJ・フォイト・エンタープライゼスは7回の出場で、ベスト・スタートは7位(昨年、琢磨と)。しかし、エンジンのトラブルにより162周でリタイア。ベスト・フィニッシュは2007年、ダレン・マニングとの5位。
以上

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