2014年7月3日木曜日

2014 INDYCAR レポート 第9・10戦ヒューストン Race2 レビュー その2 佐藤琢磨のコメントを織り交ぜつつ

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
佐藤琢磨、6番手に浮上した後、マルコと接触しクルマの動きが悪化

 レース2の後半戦、佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、一度落とした順位を挽回し、上位フィニッシュを目指していた。

 「エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)のクラッシュとかがあって6番手まで上がった。そこまでは良かった。でもその後、再スタートでマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)がターン4でインに飛び込んで来て、こっちとしては2台で曲がれるよう十分にスペースを与えて行ったんだけど、この間のデトロイトと同じで、内側から当たって来て、僕は外に押しやられた。それでまた3台ぐらいにまた抜かれた。その頃からクルマの動きが少しおかしくなったから、大事を見てピットに入って、タイヤ交換をしてコースに戻った。接触があったせいで、タイヤがまたパンクしたのかと思ったのでね。そうしたら、この時には燃料がちゃんと入らなくて15秒とか20秒とかの長いストップになってしまった。おかげでもうほとんどラップダウン状態に陥ってしまった。またそこからもう一度追い上げようとして、頑張って色々とやってたんだけど、結局最後は縁石に大きく乗り過ぎちゃって、そのまま空中に飛んでおしまいになった」(琢磨)。

「あのままいいリザルトが取れていても不思議はなかった」
 
Photo:INDYCAR (Chris Jones)
 前日のレース1ではウェット・コンディションでブッチギリの速さを見せた琢磨。レース2は完全ドライ・コンディションとなったが、ここでもマシンの状態は良かった。ストリートでの競争力はまずまずのレベルを保てているようだ。
 「マシンは悪くなかったと思いますよ。レッド・タイヤで結構みんなが苦しんでいる時に引っ張ることもできた。でも、ブラックでは僕らより速いクルマがいっぱいいた。そこそこのペースでは走れていたと思うし、トップ6まで行けた。あのままいいリザルトが取れていても不思議はなかった。でも、今回も不可解なペナルティがあったり、そういうのが多かったですね。ピットストップもうまく行かなかったし、最後はとてもフラストレーションが溜まっていました。今週は色々とうまく行かなかったですね」(琢磨)。

アレシン、ピットタイミングが功を奏し上位に浮上
 カストロネヴェスが姿を消し、セバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)はフロント・ウィングにダメージを受けてスピードがややダウン。パジェノーのトップは安泰となった。
 レースはそのまま終盤に向かい、2番手には予選2位だったルーキーのミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が上がって来た。序盤のバトルでグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)に追突。相手のギヤ・トラブルによる急減速が理由という不運なアクシデントでフロント・ウィングを破損したアレシンは、ピットに入って15番手以降に下がっていたが、カストロネヴェスのアクシデントで出されたフルコース・コーション中にピットした作戦が正解で、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)やファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)、アンドレッティらがグリーン・ストップを行ったことで上位進出がなったのだ。
 チームメイトのパジェノーをパスすれば初優勝。レース1での琢磨を相手にした時のような戦いをすれば2台もろともリタイアの可能性があったが、アレシンはチームメイトに仕掛けることはなかった。「1本のタイヤから空気が漏れてたようだった。アタックできる状況にはなかった」とアレシンはレース後に語った。

パワー、レース大詰めでスピンし表彰台を逃す
ハンター-レイは我慢の走りで6位フィニッシュ


 ゴール前2周でパワーにトラブル発生。表彰台フィニッシュを目前にしてスピン、ストップした彼は11位まで順位を下げてのゴールとなった。ポイント・リードを一気に広げられるはずだったパワーだが、中盤にリタイアしたポイント2位につけているカストロネヴェスに対してつけられた差は6点だけとなった。
 ポイント3位につけているライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、ヒューストンではほとんど目立つ走りを見せることができなかったが、しぶとさを発揮してレース2では6位フィニッシュ。トップのパワーとは41点差、ポイント2位のカストロネヴェスとの差は2点となっている。まだまだかなりのバンピーさが残っているNRGパークのコースだが、去年よりスムーズにされた路面によってレースは大変エキサイティングなものになっていた。相変わらずドライバーたちの戦いぶりは少々ラフに過ぎるところがあるものの、今年最も激しいバトルが2レースを通じて繰り広げられていた。

キンボール、バトルの末モントーヤを下す
ホウクスワース、最下位スタートから3位表彰台を獲得

 ヒート2終盤の3位争いは激しかった。73周目にアンドレッティを抜いて5番手に上がったモントーヤは、ダラスからの3連続表彰台を達成できると考えていたかもしれない。しかし、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)、そしてルーキーのジャック・ホウクスワース(BHA/BBM・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)が終盤土壇場でスピードを発揮、モントーヤは何度も彼らをパスしたが、パスし返され、最終的にはブルデイ、ハンター-レイにも抜かれて7位でのゴールとなった。
Photo:INDYCAR (Chris Jones)

  チームの選んだピット・タイミングが良かったことで、ホウクスワースは最下位スタートから3位フィニッシュ。キャリア初の表彰台に上った。前日のレース1でも、ルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)が最後尾スタートから同じく3位でゴールしている。
 それにしても今年のルーキーはレベルが高い。ヒューストンでは1人が初優勝を飾り、合計4人が表彰台に上った。
以上

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