2014年7月13日日曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント47 第12戦アイオワ Day1 予選:「走りはよかったですがクルマが完全ではありませんでした。明日は実際に走ってないコンディションのレースなので、マシンに安定感を持たせ、粘り強く戦いたいところです」

第12戦アイオワ・コーン・インディー300 Day1 予選
16位 1周目17秒5714 2周目17秒5853 2周計35秒1567 平均速度183.089mph

「ターン2のバンプでお尻が突き上げられてすごい滑って行った」

Jack Amano(以下――):予選アタック2周、自身のドライビングはどうでしたか?

佐藤琢磨:走りは良かったと思います。でもクルマが完全ではありませんでしたね。自分のミスはなかったけれど、暴れるクルマを押さえつけるので精一杯でしたね、ものすごく滑っちゃってましたから。だから、モントーヤのスライドがあったでしょう? あれと同じ感じです。ターン2のバンプに乗ってポンッとお尻が突き上げられてリヤがものすごい滑って行った。それでターン3~4側では、“曲がれーっ!”って感じ。前が曲がって行かなくて、フロント・タイヤをスクラブして、引きずってスピードダウン。ツール類はウェイト・ジャッカーも大きく変えてましたよ。でも、このコースは何しろ短いのでね、間に合わってないところもあった。
「午前中はサスペンションが壊れていて
あのまま走行が進んでいたら僕らはジ・エンドでした」


――少し時間を巻き戻して、朝の話を聞きたいんですが、サスペンションが壊れていたんですよね?

佐藤琢磨:アレは危なかったですね。

――ある意味で雨が幸運をもたらしていましたね。あのままライバル勢は周回を続け、自分たちはプラクティス・タイムが激減という状況に陥らずに済みました。

佐藤琢磨:あのまま走行が続いていたら、僕らはジ・エンドでしたね。天候に助けられたという部分は多少はあったと思います。でも、本来あってはならないトラブルだったと思います。アイオワはマシン、サスペンションにいちばん負荷のかかるコースなので、対策部品を使わなくちゃいけないのに、そうじゃない部品が装着されていて、5周でギヴ・アップでしたね。危うく壁に張り付くところでした。何とかピットに戻って来れましたけど。

「ここまでやってきた方向性を見直さなくてはいけない感じです」

――といういことで、プラクティス1ではほぼ何もできなくて、プラクティス2がスケジュール変更によって午後に行われたのですが、スムーズにプログラムが進んでいるように見えていました。最後に予選シミュレーションをやって4番手のタイムも出ました。

佐藤琢磨:そうでしたね。でも実際には、決して万事が万事スムーズではなかったんです。やっぱり2コーナーのバンプが問題になっていたんです。このコースは毎年、冬を越えるとバンプがデカくなって来てるんです。そのせいなのか何なのか、ちょっとバンプを越える時の動きが、3~4コーナーの動きに比べると悪かったですね。予選でスピードが上がって、ダウンフォースが削った時に、その悪いところが余計に目立つマシンになってしまっていました。その結果、ここまでやって来たセットアップの方向性を大きく見直さないといけないような感じになってます。これは結構厳しい。ミルウォーキーでのテストでオーバル用セッティングの良いものを見つけた。ポコノでもそれは良いものとして使えてました。でも、それに良いところと悪いところ、やっぱり両方あるみたいですね。だから、バンプ越えに関しては悪さをしてしまっていて、今、頭を抱えてます。

――プラクティス2を走った時点では、良い方向性にあったと考えられえていたマシンのセッティングですが、明日は今日これまでに走ったのと違うセッティングで走るという考えに変わっているということですか?

佐藤琢磨:はい、そうです。

――実際の走りで確認していないセッティングで行くんですか?

佐藤琢磨:そうなりますね。オーバルって最後は4分の1ミリ単位で煮詰めて行くでしょう? それが今回のような場合、実走行を経ないでレースを戦うことになるので、すごく難しいものになりますよね。それはつまり、ある程度マージンを持ったセットアップにしないといけないということ。そして、マージンを持つ、イコール、パフォーマンスを捨てるということなので、その新しいセットアップの方向性をどこまで攻め込めるか……ですね。

――しかも明日はナイトレースです。実際に走っていないコンディションでの戦いにもなりますよね?

佐藤琢磨:はい。だから、事態は非常に複雑です。

――となると、やっぱり慎重にスタートをして、レースの中でマシンをコンディションに合わせて良くして行くという戦い方をしたいですね?

佐藤琢磨:スタート位置が後ろ過ぎますけどね。去年は予選7位だったけれど、エンジン交換のペナルティによる後方スタート(17番手)となってました。今年はちょっとすごいですよね、前の方のラップタイムがね。まるで僕らは届かなかったですね。

――レース用セッティングですが、どのように変えて行くか、もう考え方は決まっているんです
か?


佐藤琢磨:去年のデータも考慮して、そこに完全に戻しはしないけれど、そこからヒントは得ます。ただ、実際に走って合わせ込むことができないので、どうしよかね
、ホントに……って感じです。

――明日はスタート時とゴール時でコンディションはかなり変わるとの読みですか?

佐藤琢磨:7時スタートで、レースが進むに連れて空気がどんどん重くなって行きますね。あー、頭も気持ちも重くなってっちゃうな……。

――ライバル勢も同じように難しいレースを戦うので、何とかそこを突いて……。

佐藤琢磨:まぁそうですね。今、マシンに関してハッピーなのはトップ10か、トップ7ぐらいまでじゃないですかね? そこから下は何かしらありましたね。クルマが曲がらないとか、スライドしちゃったとかが。結構下の方はギリッギリの走りになっていたと思います。

――明日はマシンに安定感を持たせ、粘り強く戦いたいところなのでは?

佐藤琢磨:はい。

――渋い戦いになりますが?

佐藤琢磨:渋い戦いになりそうですね。ちょっとね、ポコノとはクルマの完成度が全然違うので、”頑張るか”って感じです。これからエンジニアとシッカリとデータを見て行きます。
以上

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