2014年7月5日土曜日

2014 INDYCAR レースプレビュー 第11戦ポコノ:去年はスコット・ディクソンが優勝!ホンダ・エンジンが燃費のアドバンテージを見せ、1-2-3フィニッシュ

今年からレースは500マイルに!

 三角形で全長が2マイルのポコノ・レースウェイは、「インディアナポリス・モーター・スピードウェイや、デイトナ・インターナショナル・レースウェイとは違うものを!」と作られたコース。
 インディーカーのレースは、去年が1989年以来の開催だった。路面の荒れ具合などでコースとシリーズが揉め、ポコノはストックカーのレースをメインとするオーバルに変わってしまっていたのだ。それが、ようやく路面の改修も行なわれ、インディーカーのレースを再び開催する話がまとまった。
 テレビの放送枠の関係もあって、去年のレースは400マイルで争われた。それが今年は500マイルになる。フォンタナでの最終戦も500マイルで、去年復活したトリプル・クラウンが、今年からは3レース全部(インディー500含め)が500マイルとシリーズ最長レースとなった。
エンジン対決、燃費のアドバンテージは今年はどちらに軍配?

 去年の優勝はストット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。ホンダ・エンジン使用でだった。燃費の良さをアドヴァンテージとしての勝利。今年の彼らはシボレー陣営に移っている。
 去年のレースで目立った速さを見せていたのは、ペンシルバニアを地元とするマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)だった。彼らは去年はシボレー・ユーザーだった。それが今年はホンダにスイッチしている。エンジンのパワーはほぼ互角。燃費ではホンダがツインターボになっても優位をキープしている印象だが、去年ほどの差はないようにも見えている。今週末、レース展開によっては両者の差がより明らかになる。
 ライアン・ハンター・レイ(アンドレッティ・オートスポート)も昨年のポコノで速かった。今年のインディー500で優勝している彼は、トリプル・クラウン制覇という偉業をやってのける、そのための2レース目優勝を果たすかも。

佐藤琢磨、昨年好走するもハンター-レイとクラッシュ!
 去年、ハンター-レイにレース中にぶつかってしまったのは佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。琢磨も速く、予選は7位だったがレースでは3位、4位を走っていた。しかし、ピット・インのアプローチがホットに過ぎた。急減速したが間に合わなかった。結果は2台ともリタイア。もったいなかった。
 昨年のディクソンは勝利は、彼にとってシーズン最初のものだった。そこからディクソンはタイトルを獲得した。今年もポコノ前までで勝利がないディクソンだが、歴史は繰り返されるだろうか? ディクソンのポイント・スタンディングは9位。トップのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とは168点も差があるので、かなり難しそうだ。昨年はランキング7位で、トップだったエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)とのポイント差は92点だったから。そして、去年はポコノの後に8レースあったが、今年は1戦少ない7レースだ。もっとっも、今年は500マイル・イベントはポイントが2倍と、クイズ番組の最後の問題みたいな話になっているが……。


NASCARでポコノに慣れ親しんだモントーヤの走りも注目

 昨年の2位はチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)で、3位はダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。ペンシルヴェニアが地元のオーナー、チップ・ガナッシにとってはとても嬉しい1-2-3フィニッシュとなっていたワケ。4位はパワー、5位はジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)、6位はシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)だった。7位は最後列22番手スタートだったジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)。
 今年のインディー500ポール・ウィナーで、テキサスで優勝しているエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)は、ポコノでも優勝候補。
 では、今年のインディー500とテキサスでのファイアストン600、両レースでトップ5入りしているドライヴァーが一人だけいますが、誰かわかります?
 ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)です。彼のインディーカー復帰初勝利がポコノで見られるかも。NASCARでずっと走って来たコースでもあるし。
以上

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