2014年6月30日月曜日

2014 INDYCARレポート 第9・10戦ヒューストン Day2 Race2:シモン・パジェノーが今シーズン2勝目!ミカイル・アレシン、ジャック・ホウクスワースがキャリアベストの2、3位フィニッシュ!! 佐藤琢磨はアクシデントでリタイア

Photo:INDYCAR (Chris Owens)

6月29日
天候:晴れ
気温:29~31℃ 

カストロネヴェス、ポール・ポジションから48周をリードするがクラッシュ!
 ポールポジションからスタートしたエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)は、レース序盤をリードし続けたが、49周目に予選3位だったシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)に対してのブロッキングで警告を受け、その直後に彼にオーバーテイクされた。

49周目、カストロネヴェスがブルデイと接触しウォールにヒット Photo:INDYCAR (Joe Skibinsk) クリックして拡大


  これで熱くなってしまったのか、カストロネヴェスは次に背後に迫ったセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)の前で急激なライン変更を行い、ブルデイのフロント・ウィングをヒット。カストロネヴェスだけがクラッシュしてリタイアを喫した。ブルデイはウィングにダメージを被りながらも走り続けた。
 ポイント2位につけているカストロネヴェスとしては、ヒューストンでのダブルヘッダーでチームメイトとのポイント差を縮めたいところだった。昨日からウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は思うような走りができていないからだ。しかし、カストロネヴェスは序盤のリタイアによって21位。パワーは作戦の良さも味方につけ、トップ3を走っていた。


パジェノー、危なげない走りで今シーズン2勝目
2位にアレシンが入りシュミット・ピーターソン・モータースポーツが初の1-2!

 ここから先、パジェノーはトップを守り続け、今季2勝目へ逃げ切った。最終的に彼の後ろの2位に上がって来たのは、ロシア人ルーキーのミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。昨日の佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)とのアクシデントを例に挙げるまでもなく、アレシンは短いキャリアの中で様々なドライバーたちと接触を起こして来ている。しかし、さすがにチームメイトに対しては無謀な攻めを見せなかった。レース終盤にはリスタートが繰り返されたが、パジェノーに不必要にプレッシャーをかけることはなかった。実は、そのころの彼はタイヤの空気圧が僅かながら下がっており、アタックするだけの力を備えていなかったという。



Photo:INDYCAR (Chris Jones)
 そんな状態でもアレシンはパワーを引き離した。早目のピッとストップなど、作戦の良さもあって3番手まで浮上。快調と映っていたパワーだったが、レース終盤はマシンが言うことを聞かない状況に陥っていた。
 アレシンはキャリア・ベストの予選2位からスタートし、ギヤボックス・トラブルで急減速したグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)に追突、フロント・ウィングを傷めるハプニングに見舞われながら、キャリア・ベストの決勝2位でゴールし、初めての表彰台に上った。シュミット・ピーターソン・モータースポーツは初めての1-2フィニッシュを達成した。

3位にはホウクスワースが入り、連日2人のルーキーが表彰台に
ホンダエンジン、今シーズン初の1-2-3フィニッシュ


 昨日の表彰台にはふたりのルーキー、カルロス・ウエルタス(デイル・コイン・レーシング)とカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)がいたが、今日は昨日とは違うルーキー2人がトップ3フィニッシュを果たした。アレシンの後ろの3位でゴールしたのは、イギリス出身のジャック・ホウクスワース(BHA/BBM・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)だった。最後尾23番手スタートだったというのに、レース終盤に彼の見せたスピード、そしてバトルを闘い抜く力は素晴らしかった。早目のタイミングで最後のピットストップを行なうチームの作戦が当たって5番手まで順位を上げた彼は、ファン・パブロ・モントーヤ、ウィル・パワーといった強豪を相手に、クリーンに、しかも一歩も引かないファイトを見せ続けた。そして最後には3番手を走っていたパワーが単独アクシデン
ト。ホウクスワースがキャリア10戦目にして表彰台に手を届かせた。

 パワーの脱落、それによるホウクスワースのポジション・アップにより、ホンダは今シーズン初の1-2-3フィニッシュを達成した。 カストロネヴェスが脱落したレース、パワーは表彰台フィニッシュで差を大きく広げられるところだった。しかし、彼は11位までダウン。6点しか差を広げることができなかった。


 ホウクスワース同様にレース終盤に激しい走行を見せていたチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)が4位。5位はブルデイのものとなった。6位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)で、モントーヤは7位まで順位を落としてのゴールとなった。パワーはそれよりも更に後方、11位でヒューストンでのレース2を終えた。

佐藤琢磨、レース終盤粘りの走りで6位まで浮上するがクラッシュ
 琢磨はスタート直後のバトルで「シケインをショートカットした」との判定を受け、ポジションを明け渡すようインディカーから指示された。順位を明け渡す際に多くのドライバーにパスされ、順位は15番手まで後退した。しかし、そこからの走りでポジションを挽回。1回目のピッとストップを終えるとスタート時と同じ10番手に戻っており、その先では6位まで順位を上げて行った。
 しかし、タイヤのパンクに見舞われる不運があり、レース終盤には縁石への乗り上げが失敗。ヒューストンでのダブルへダーは2戦ともアクシデントによるリタイアという不本意なものとなった。

 ポイント・スタンディングは、前述のとおりパワーが405点で依然としてトップ。2番手はカストロネベスの366点で、今日のレースで粘り強さを見せ、6位フィニッシュしたハンター-レイは、カストロネヴェスに2点差まで迫る364点。今日勝ったパジェノーは、ランキングこそ4番手のままだが、346点までポイントを伸ばした。5番手は少し離れ、289点のモントーヤだ。

以上

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