2014年6月12日木曜日

2014 INDYCARレースアナリシス 第8戦テキサス:リードラップ6人の最後のフルコース・コーション

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
トップのカーペンターはステイアウト
しかし、2位以下の3人もステイアウトを選択

 ゴール前7周で出されたフルコース・コーション。ここでリードラップ6人の作戦がふたつに分かれた。そして、勝利はトップからリスタートを切ったエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)のものとなった。
 先頭を走るエドは完全なるレイム・ダックだったが、2番手以下の3人が彼と同じ作戦を選んだことで救われた。あそこで2番手以下が全員、「エドがピットに入ったらステイ・アウトで、エドがステイ・アウトを選ぶのならタイヤを新品に交換」との決意を固めていたら、結果はどうなっていたか……。


 意外にも、新品タイヤに賭ける作戦に出たのは6位を走っていたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が最初で、それを見たシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)も1周遅れで同じ作戦をギリギリ採用。リード・ラップにいたのは6人だけだから、ピットに入っても順位は6位までにしか落っこちない。この時の上位6人は全員が30周以上を走ったタイヤで走っていたのだから、フレッシュ・タイヤのグリップは極めて魅力的に映っていたはずなんだが、後方の2人だけしかタイヤを換えなかった。2位にいたモントーヤだけは、エドと同じ作戦でもリスタートでの1チャンスを狙えたが、特にターゲット・コンビ、ユーズド・タイヤでのステイアウトは作戦巧者の彼ららしくない選択だったのでは?

見事だったカーペンターの走り
 カーペンターは見事に開き直ってましたね。情勢を冷静に見極めて、「2周ならトップというポジションをアドバンテージとして戦える」とステイ・アウトで腹をくくった。近頃の自信に溢れたエドらしい戦いっぷり。今回、パワーの急追を受けていたレース終盤でのピットストップ時にも、自らとクルーの力を信じて慌てず騒がず。逆にパワーが逆転を焦ってスピード違反を冒した。
 グリーンからゴールまでが2周。そこが決め手だった。もしそれが4周だったら、エドはトップの座を手放す可能性があってもピットに入る決意をしていたということだったようだ。じゃ、3周だったら?
 タイヤ交換でパワーはピットでのミスを帳消しにできた。6位から2位へ躍進。パジェノーはパワーより決断が1周遅かったために5位から6位に一端落ちたが、リスタート後にふたつポジション・アップして4位でゴール。換えなかったら6位だったろうから、こちらも作戦大成功。
以上

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