2014 INDYCAR レポート 6月4日 :シボレーにトラクション・コントロール疑惑
意図的ではなかったトラクションコントロールにより
マニュファクチャラースポイント10ポイント減算!?
インディーカーは6月3日、彼らがシボレーと行って来ていた、エンジン・レギュレーションに関する件の審査を終了したと発表した。インディーカーのリリースは以下の通り。
インディーカーは、シボレーがヴェライゾン・インディーカー・シリーズのエンジン・レギュレーション11.2(トルク・コントロール)及び12.1(トラクション・コントロール)を冒した件に関し、課していたペナルティ(20,000ドルの罰金と10点のマニュファクチャラー・ポイント)を無効とする。
エンジン・マニュファクチャラー(=シボレー :訳者注)は、意図的ではなかった技術的な違犯により、マニュファクチャラー・ポイントを10点減算される。
以下省略
なんか不思議でしょ? 罰金もポイント減算もナシにすると最初の段落で言っておきながら、次の段落では10点減算を改めて課している。その二段落目では、減算の理由を「意図的ではなかった違犯」と書いてもいる。
意図的じゃなくトラクション・コントロールが効いちゃうプログラムなんて、有り得るんだろか? 「“完全に真っ黒”だけど、コトは荒立てないから、もう二度とやらないでね」という大甘裁定か。
チーム・ペンスキーはグランプリ・オブ・インディアナポリスで3位フィニッシュした3号車に関し、上記の違犯をインディーカー・オフィシャルによって指摘された。インディーカーは、どのマシンに違犯があったかを明らかにしていない。3号車のディファレンシャルに関する違犯をしていた点は発表したが。
こんな重大な問題、インディー500に突入して暫くしてからの発表だったこともあり(そこも、そもそも疑問を呈するべきところなんだけど)、書こうと思っている間に色々起こっちゃって、当サイトではちゃんとレポートすることができていませんでした。反省してます。
シヴォレーが責任を追及された疑惑だけれど、違反の指摘を受けたのはチーム・ペンスキーということらしい。インディーカー発表のリリースにはチーム名が具体的にしるされていない。そこで疑問なのは、1チームにだけトラクション・コントロールが効いちゃうプログラムが存在したのか、という点。アンカー・チーム(エンジン・サプライヤーが指定するリーディング・チーム)だから先行開発を担当してたってコトじゃないだろう。どうしても穿った見方になってしまうのは、ペンスキーとイルモアの関係(ロジャー・ペンスキーはイルモアの創始に携わり、今も会社のオーナーのひとりである)。を考えると、ペンスキーの方が上・・・というのがあるからだ。エンジン・サプライヤーが1チームにだけアドヴァンテージを与えるようなことってするだろうか? それより、ひとつのユーザー・チームが、その立場の強さを利用して、書き換えたエンジン・マネジメント・プログラムを自分たちだけが使えるようプッシュした・・・と考える方が自然だ。 グランプリ・オブ・インディアナポリスでは、ホンダ・ユーザーに対するペナルティもあった。しかも、それはウィナーのシュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツに対してで、アンダー・トレイがルールに適合していなかったという。ただし、罰金は1,000ドルぽっきり。シボレーに対する20,000ドルより極端に低い額だってことは、違犯のレベルが両者でまったく違ったということという推察ができる。もっとも、ルールに合致してないマシンは失格になるのが普通で、小さな違犯だったら不問なんておかしい。これまた、去年のテキサスでのエリオ・カストロネヴェスの優勝がそれだったから、悪しき例が繰り返されてしまったという情けない話。ただ、今回の場合は、無理矢理にでもホンダ側に違犯を見つけて、彼らのライヴァル・エンジン・マニュファクチャラーによる重大なる違犯に世間の批判が集まるのを避けようとした……という、実によろしくない意図を感じてしまう。インディーカーが毅然としたシリーズ運営をしてくれること、ホント、切に望みますよ。
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