2014年5月17日土曜日

2014_INDYCAR レポート 第98回インディー500 5月16日ファスト・フライデイ:最速は230mph台でエド・カーペンター!佐藤琢磨も227mphをマーク

Photo:INDYCAR (Jim Haines)
走行開始直後、なんとヒンチクリフが最速をマーク

 今日も朝は雨。インディー500のプラクティスは正午にではなく、午後2時50分に開始された。多くのマシンが一斉にコース・インしたのは、今日から予選ブーストで走るため、そのチェックをバッチリ行なっておきたいからだ。
 走行開始間もなく、今年最速の228mph台が出た。なんと、それはジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)によってだった。しかし、そのスピードがトップにいた時間は短かった。シモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)がそれをすぐさま上回り、さらにもう1周、228mph台で走った。


 パジェノーの天下も長くはなかった。ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)が今年初めての229mph台に載る229.082mphを出し、次のラップは229.205mphとさらに速かった。まだ走行開始から9分しか経っていなかった。
 次にトップに立ったのは、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)だった。コース・インして2周目に229.798mphをマークし、次の周には229.772mphとほぼ変わらないスピードを出し、ピットに向った。

エド・カーペンター、2003年以来11年ぶりとなる230mph!

 午後3時8分、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がトップに躍り出た。230.522mphで。ついに230mphが出た。次の周も彼は229mph台で走った。そしてこの直後、スピードウェイはまたしても雨に見舞われ、イエロー・フラッグが出された。見る間に雨は強くなり、コースは水浸しに。プラクティスはとうとう再開されることなく、午後4時21分に今日の走行終了が宣言された。長い時間をかけてコースを乾燥させる努力があったというのに、ファスト・フライデイのプラクティスは僅か18分間で終わってしまい、走れたのは26台だけ。7台が走行ナシだった。
 インディーカーが230mphを越す平均速度を記録するのは、実に2003年以来11年ぶりとなる。2013年は多くのドライバーが230mph台を記録しており、ポール・デイのプラクティスではロビー・ゴードンやスコット・ディクソンが223mph台をマークしており、ポール・ポジションはカストロネヴェスによる231.725mphだった。スピードの上がり過ぎを心配したインディー・レーシング・リーグ(当時のシリーズ主催団体)は、スピードを下げるためのレギュレーション変更を次のシーズンに向けて行なった。



 「1台前にいたのでスムーズに加速して行けた。コンディションも完璧で230mphが出た。チームメイトともども今週の僕らのマシンはずっと速かったし、明日の予選が楽しみだ。今日までで最速だと貰える賞金10,000万ドルも嬉しいボーナスだ」とカーペンターは語った。
 2番手はカストロネヴェス、3番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)の229.419mphだった。
 去年の最速はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の229.808mph。ポール・デイの午前中のプラクティスで記録された。明日、予選前の最後のプラクティスでは今日より更に速いスピードが記録される可能性アリだ。

エンジンを新品に交換した琢磨、227mphで15番手

 琢磨陣営は昨日のうちにエンジンを新品に交換していた。マイレッジは完全に使い切ていなかったが、念入りに時間をかけてエンジンを積む道を選んだ。エンジン・サプライヤーのホンダには、規定マイレッジに届かない時点でのエンジン交換でペナルティがつくが、もうライフが終わりかけているエンジンにハイ・ブーストをかけて高速走行を行なうのは、多くの面でメリットを得られるものではないからだ。5周を走った琢磨は、ベストとなる227.741mphをその5周目にマークした。今日の順位は15番手だった。
 「エンジンを換えておいて良かった」と琢磨。「インストレーション・ラップを行なって、その後にすぐにスピード・アップ。計測3周しかできなかったのは残念だったけれど、マシンはとても良く、エンジンはピットロードを出たところで体感できるぐらいパワフルだった。今日はタイヤがユーズドダッタのにスッと227mphが出たから、明日はコンディションさえ良ければ、ニュー・タイヤを履いて230mph出せる」と好感触を語っていた。

以上

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