2014年4月25日金曜日

2014 INDYCAR レポート 佐藤琢磨 第3戦アラバマに向けて by AJ・フォイト・レーシング

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
バーバー・モータースポーツ・パークについて

――F1で走ったコースで、バーバーを走ることで思い出すところは?

佐藤琢磨:バーバー・モータースポーツ・パークは素晴らしいコース。近ごろのF1のコースと似てはいないけれど、伝統的コースであるイモラ(サン・マリノ)のミニチュア版と感じたり、狭いコースのブランズ・ハッチ(イギリス)なども思い出しますね。高速コーナー、大きなアップ&ダウン、美しい緑……こうした挑戦のしがいのあるコースが私は大好きです。
バーバーでの先月のオープン・テストの手ごたえは?

佐藤琢磨:テストはうまく行きました。去年テストできなかった、しかし、この冬の間にチームが学んだふたつの項目について、テストでトライをしてみました。マシンの進歩を目の当たりにできるのは、いつでも嬉しいものです。私たちは常に進歩をし続けなければなりません。時としてレースの週末には難しいシナリオが待ち構えていますから、テストでは好結果を残していたとしても、常にデータを正しく分析し、レースで対峙する異なるコンディションにも対応をして行かねばなりません。私たちのテストはポジティヴな結果が得られたものでしたから、力強いパフォーマンスを見せられるという自信を感じています。

バーバーで成功するための鍵は?

佐藤琢磨:バーバーはインディーカー・シリーズのレースが行われる中でも高速タイプのコースなので、空力のプラットフォーム・コントロールが大事です。そして、アンダーステアの出る量と、リヤの安定感をうまくバランスさせるのが難しい長いコーナーが幾つかあります。

GP・オブ・インディアナポリスについて

――2004年に3位フィニッシュしたUSGPのコース(インディアナポリス)と、4月30日にテストが予定されているGP・オブ・インディアナポリス用サーキットの違いはどこでしょうか?

佐藤琢磨:いちばんの違いは、F1ではインディー500のターン1のバンクを最終コーナーとして使い、逆向きに走っていた点。それはあのコースの特徴でした。あのコースを走るのは本当に楽しかった。インディーカーのロードコースでは、あのコーナーがなくされ、ターン1とターン2の間のインフィールドに作られたセクションを使う。そこを私はまだ走ったことがありません。F1で走ったのとは異なるコースになりますが、今からとても楽しみにしています。

――ロング・ビーチでのレース・デイのホット・ウィング専門店でのディナーはいかがでしたか?

佐藤琢磨:大変おもしろいプライヴェート・タイムでした。ABCサプライの友人に去年から誘われており、それがついに実現したんです。これまでに日本や韓国、インドの辛い料理を食べて来ましたが、あのホット・ウィングは上を行ってますね。おいしいんですが、辛過ぎて、息ができなくなるぐらいでした。口中が痛くなってしまうぐらいでした(この店では食べる前に誓約書を書かなくてはらなかった)。笑い、楽しい時を日本から来てくれていたファンの皆さんや、友人たちと過ごすことができました。とてもユニークな経験となりましたが、あれは1回で十分ですね。

――ロング・ビーチでのレースについては?

佐藤琢磨:とても残念な結果となりましたが、良い面もありました。予選までは苦境にありましたが、決勝日に競争力を獲得しました。それが素晴らしいかった。残念ながら好結果をもたらすことはできませんでしたが、そうできそうな戦いができました。それがレースというものですから、今後も頑張り続けて行きます。

――今年は“ローリング・プロフェッサー”を頼みますか? 2年ほど前、佐藤と日本のカメラマンはバーミンガムの日本食レストランのメニューに大笑いしました。店としては"巻き寿司スペシャル”という意味にしたかったようですが、書かれていた英語は"巻き寿司専門家”、あるいは"巻き寿司教授”というもので、琢磨は一緒にレストランに行ったアメリカ人の友人にそう通訳しました。

佐藤琢磨:あれはメニューの翻訳ミスでした。私が英語に翻訳したので、日本語で何と書かれているのかを一緒に笑うことができました。私たちはどのレースに行っても日本食レストランを探します。週末に1回は日本食を食べに行きますから、いい店もそうでない店にも出くわします。

 初開催となるGP・オヴ・インディアナポリスに向け、4月30日にはインディーカーがオープン・テストを催します。そこではルーキーのマーティン・プラウマンがカー・ナンバー41をつけるアルフェ・ヒート・トリーティング/ダラーラ・ホンダに乗り、琢磨と一緒に走ります。
 プラウマンは今年のインディー500に向けて5月5日に開催されるルーキー・オリエンテーション・プログラムにも参加します。今年のルーキーは5人。そちらでのプラウマンはカー・ナンバー41のABCサプライ/ダラーラ・ホンダに乗り、インディー500に向けた準備を行います。彼はインディアナポリス・モーター・スピードウェイの2.5マイル・オーヴァルで二度インディー・ライツのレースを戦った経験を持っています。ベスト・リザルトは2010年のもので、アンドレッティ・オートスポートで走った彼は4位スタートから5位でゴールしました。

AJ・フォイトは毎年参加して来ているケンタッキー・ダービーがあるため、オープンテストに来ることができません。フォイトのダービーでのベスト・リザルトは、彼の馬、"レアー・ブリック”のものでした。その馬は昨年の12月にテキサス州北部の牧場で亡くなりました。8戦全勝だったその馬は、1986年のアーカンソー・ダービー(ケンタッキー・ダービーの前哨戦)での優勝候補でしたが、トレーニング中に足首を負傷し、レースの10日前に出場をキャンセルしました。


バーバー・モータースポーツ・パークでの戦績

 佐藤琢磨のベスト・スタートは2010年の6位。ベスト・フィニッシュは2013年の14位。
 AJ・フォイト・レーシングのベスト・スタートは4位。ベスト・フィニッシュは7位。どちらも2012年、マイク・コンウェイによるもの。
以上

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