83周目のリスタートでアクシデントは発生。ホウクスワースとアンドレッティがフェンスに激突。ムニョスもウォールにヒット Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
安全なはずのシングル・ファイルなのにアクシデントは起こった
今年からストリート&ロード・レースでのリスタートはシングル・ファイルで切られることになった。ダブル・ファイルは確かにエキサイティングだが、リスタート前までのそれぞれの順位に対して十分な敬意が払われていない。
シングル・ファイルでだって、うまくやれば目の前を行く1台ならパスできる。しかし、ダブル・ファイルなら一気にごぼう抜き! なんてシーンも有り得る。エンターテインメント重視なら、間違いなくダブル・ファイルだ。
問題は、“一攫千金”を夢見る中団以降で起こる。グリーンのタイミングにヤマを張って加速を始める面々が多重アクシデントを引き起こすケースは少なくないのだ。
スポーツとしてのフェアさも考慮して、インディーカーはシングル・ファイルにスタート方式を戻した。そして皮肉なことに、シングル・ファイル復活の最初のレースで多重クラッシュは起こった。
開幕戦セント・ピートを優勝で飾ったパワーだったが…… Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大 |
ペナルティにも相当する行為だったが……
あのシーン、トップのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はスピードを落とし過ぎていた。止まりそうなほどの減速だった。後続は急ブレーキ。止まり切れなかったのがルーキーのジャック・ホウクスワース(ブライアン・ハータ・オートスポート/BWM・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)で、カルロス・ムニョスとマルコ・アンドレッティ(ともにアンドレッティ・オートスポート)に激しくヒットした。
あの急減速ぶりでは後続にトラブルが起きて当たり前かも。ペナルティが科せられても文句は言えない状況だった。しかし、そうはならなかった。リスタートのスピードをコントロールするのはレースリーダーに与えられた権利だが、後続を安全にスタートさせる責任も彼には科せられている。パワーは重大なルール違反を冒してはいないが、アクシデントの責任の一端はある。もっとも、彼のマシンはヴェライゾンがメインスポンサー。そして、セント・ピーターズバーグでのレースは、ヴェライゾンがインディーカーのシリーズスポンサーについて最初のレースだった。こりゃあペナルティは無理か……。シリーズスポンサーが一部のチームのスポンサーも兼ねると、こういう問題が起こる。シリーズ主催者は公平な決断を下しにくい。どんな判定の後でも、手心が加えられたのでは? との疑いを世間に持たれる可能性がある。
ブレーキには触れてもいないというパワー
急減速した本当の理由とは
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パワーはギヤを1速に入れていた。彼はそれを認め、アクセルを戻したことと、その理由もスンナリ話した。
「エリオが列から外れて行っていた。だからアクセルを戻した。彼は何で列から外れて行ったのか? 去年みたく、完全なフライングをしてトップに立とうってことだろう? そんなことは絶対にさせないって思っていた。あれはまだリスタートゾーンにも入っていない時点だった。アクセルを戻したのは、エリオがフライングをしようとラインを外れたのが誰の目にもわかるようにしたかったから。そして、その後に俺は加速を始めた」とパワーは説明した。
今日、また一つ学んだと語るカストロネベス
この二人のトリックの応酬に注目!
Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) |
この二人の戦い、今シーズンはコース上でも、コース外でもさらにヒートアップをして行って欲しい。
以上
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