2014年3月18日火曜日

2014 INDYCARニュース 3月15日:インディー500の予選フォーマットが変更に

ボールデイは予選2日目に
そしてパンプデイは何と予選初日に!

 伝統あるインディー500に出場する33台を決定する予選フォーマットが、今年の5月に行われる第98回大会から新たにされる。インディアナポリスで2014年の3月7日に新ルールがアナウンスされた。

 新フォーマットの予選は今年の場合、5月17日(土曜日)と18日(日曜日)の2日間に渡って行われ、その中で3回のタイムトライアル・セッションが開催される。最終的に9人のドライバーたちによってポール・ポジションが争われる点は2013年までと変わらないものの、彼らが栄えあるポール・ポジション、そして優勝の可能性が高い3列目までのスターティング・グリッドを競い合う予選日=ポール・デイは、伝統的な予選1日目の土曜日ではなくなり、予選2日目の日曜日へと変わる。また、世界最大のレースに出場できるか否かを懸けた戦いで幾多のドラマを生んで来たバンプ・デイは、これまでの予選最終日から一転、予選初日になる。古くからのやり方を重んじて来たインディーに劇的変革が施されるのである。

予選の2日間は完全に予選オンリーに
 予選方式のディティールは、以下の通り。
 土曜日:午前11時~午後5時50分を使って最速の33台が決定される。ただし、この日にはスターティング・グリッドは一切決まらない。各エントラントに少なくとも1回、4周連続のアタックを行うチャンスが与えられ、この日に最速と、それに続く8エントラント=合計9人エントリーが翌日曜日に行われるファスト・ナイン・シュートアウトへの出場権を手にする。
 予選初日にはポール・ポジションを日曜に争う権利を懸けた戦いと、決勝への出場権を懸けた争い、ふたつのバトルが繰り広げられる(エントリーが33台以上あった場合)わけだ。予選落ちを免れるべく奮闘する者と、ファスト9に食い込もうと意気込むエントラントたちが、時間の許す限りアタックを重ねることとなるだろう。ここには当然、例年と同じく天候というファクターが大きく関わって来る。各エントラントがアタックを行える回数など、ルールの詳細はまだ明らかにされていない。

 日曜日:午前10時15分~午後1時30分。土曜日の各自のタイムは抹消され、土曜日に10番手~33番手のスピードを記録したエントラントは再度4ラップ連続のアタックを行わねばならない。予選アタックが4連続周回であるというインディー独特のルールは新フォーマットでも継承される。
 日曜日のアタックでのスピードにより、10~33番手のスターティング・グリッドが決まる。アタック順は土曜日に記録したスピードの遅かった順で、アタックのチャンスは一度だけしか与えられない。

 ポール・ポジション、そしてフロント・ロウからの3列目までの合計9グリッドを決めるファスト・ナイン・シュートアウトは、日曜日の午後2時から午後2時45分の間に開催される。土曜日の記録スピードの遅い順で9人が4ラップ連続のアタックを行うのだが、2013年までとは異なり、ファスト9に与えられるチャンスはたった1回だけとなるようだ。

 ポール争いを予選最終日に持って来ることにより、従来のように予選初日にグリッドを確保したエントラントが、予選2日目に決勝を睨んだセッティングを進める……ということは行えなくなる。予選の2日間が完全に予選オンリーとされるのは良いことだろう。

 なお、近年ではインディー500の予選で特別なシリーズ・ポイントが与えられて来ていたが、そのポイント・システムにも変更がなされ、継続される。ポイントに関するルールの詳細は後日の発表になるという。

 従来の予選方式では、予選初日に最大限の速さを発揮することが求められたが、新フォーマットでは2日目までにファイン・チューニングを行えば良い。ただし、初日にトップ9に食い込むパフォーマンスを見せなければポール・ポジションを争う権利は得られない。

 決勝出場を許されるのが33台という点に変わりはない。昨年までなら、予選通過がギリギリというエントラントは2日間をかけてグリッドを争っていたが、新ルールでは初日がバンプ・デイとなるので、決勝レースへの進出ができるか否かが予選1日目にして決定される。

 これらの予選はABCが生で全米に放送する。土曜日は午後4~6時、日曜日は午後1~3時の放送枠が確保されている。もちろん決勝レースもABCが200ラップの熱闘をフルに放映する。ABCによるインディー500の生放送は今年が記念すべき50周年を迎える。さらに、ABCが放送しない時間帯の予選はESPN3が受け持つ。

 多くのドラマを生んで来たインディー500の伝統ある予選フォーマットに手を加えられる日が来ようとは……と驚く反面、それは成されるべき変革だったと考えることもできる。伝統を重んずるのも重要だが、より多くのファンにアピールし、今までインディーカー・レースを見たことのなかった人々にも伝統あるレースを楽しんでもらうためにはコンスタントにルールやフォーマットを変更して行く必要があるということだ。現代スポーツはそうした現実に直面している。アメリカで最も長い歴史を誇るインディー500とインディーカー・シリーズは、これまでは変化を嫌って来ていた。しかし、今回の変更は、インディー独特のエキサイトメントを保ちながら、最速のドライバーを絞り込んで行くフォーマットとなって、よりファンが楽しむことのできる予選になっていると思われる。

 予選日のチケットはすでに販売が開始されている。4月15日までに購入すれば、予選2日間のチケットは30ドル。1日毎のチケットであれば、それぞれが20ドルだ。
以上

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