2014年3月31日月曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント4 第1戦セント・ピーターズバーグ Day2 予選 その2:「今回はプラクティス1、プラクティス2、プラクティス3でマシンを徐々に作り上げて来て、その結果としてのポールなので、確実度が全然違うと思いますね。だから明日は、強いレースができると思います」

Q1からファスト6までの完全制覇を果たした琢磨。タイヤチョイスと、それに合わせた完璧なマシンセッティングが最高の結果をもたらした Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大
 「Q3はほぼドライのセッティングにしました」

――Q3に向けてもセッティング変更は更にあったんですか?
佐藤琢磨:変えました。

――Q3は開始と同時にコースへ出て行きましたね? 今度はずっと走り続ける作戦だったんですか?
佐藤琢磨:いや、タイヤ交換をしてますよ。

――そこを見逃しました。
佐藤琢磨:最初はQ2で使った、まだ熱を持ってるレッドタイヤで出て行って、セッティングの確認を1周でして、ピットしました。Q2でレッドタイヤの性能を見ました。Q1からQ2に向けてはセッティングを少しだけ変えました。タイヤの種類も変わりましたから。あの時点ではセミウェットの状態でのドライタイヤって状況でしたから、それでも良かった。Q2でラップタイムが上がって来て、それと同時にフロントタイヤがギブアップをして来たのがわかったので、Q3に向けてはほぼドライのセッティングにしました。そういう作業をしたので、確認のために1ラップだけ計測をしてピットに戻って新品のレッド2セット目を出しました。

――ターン1で一度外側へ大きくラインを外れてしまうシーンがあって、その後にタイムがなかなか上がって行かないように見えていましたが、終盤に向けてはかなりリズムに乗って行けた感じですか?
 

佐藤琢磨:あれはチェックラップで、色々と試したかったんです。その後に新品のレッドを履いてからは、徐々にタイヤに熱を入れながら走りました。こういうコンディションでは熱の入り方がとても遅いので、前と後ろの暖まり方が相当違う。だからいつもよりもウォームアップを1周多めにして、イエローが出ないことを祈るしかないって感じでした。そして、1回タイムを出した後には、クーリングをしました。カナーンがスピンした時にバックオフしました。まだ時間は2分残ってたから、最後になるとわかった次のラップに集中して行きました。

――最後のラップは、狙って行って出したラップ、そしてベスト更新がなったんですね?
佐藤琢磨:はい。

――そうすると、非常に思惑の通りに進んだ予選だったということですか?
佐藤琢磨:そうですね。色々なことが大きく変わって行く状況の中で、リアルタイムで的確に反応をして行かなくちゃいけなかったし、イエローが出てしまったらポールは獲れないって可能性もありました。でもそうはならなくて、レッドで本気でアタックした2周では両方ともノーミスでいいラップが刻めたと思います。
 
「レッドは明らかにグリップが高いがその分性能低下もあるだろう
決勝にむけてそのへんを見極めるのは非常難しい」

――今日のようなコンディションでは、新しくなっているという今年のレッドタイヤに対する評価を行うのはなかなか難しいのではないですか? フィーリングとしては、どんなものだったんでしょう? 去年のここはブラックの方がレースでは良かったということもありましたが。

佐藤琢磨:ウーン、そうですね。バランスと相性だと思いますけど、レッドは明らかにグリップが高いと思います。ただ、その分性能低下もあるだろうし、それを見極めるのは非常に難しい。ロング・ランもしていないので正直わからないです。ただ、ここはロングビーチみたいにブレーキをしてキュッと曲がって脱出して行くような90度のコーナーじゃなくて、回り込むようなコーナーが多いので、フロント・タイヤに非常に厳しいんですね。アクセルを踏んで行くようなコーナーも多いので。インディーカーに来た最初の年だったかな? 物凄い勢いでタイヤにグレイニングが出ちゃって、ラップタイムが2~3秒も遅くなっちゃったことがありました。路面がグリーンだとそうなる可能性があるんです。もちろんタイヤが良くなっているので、あそこまではならないかもしれないけど、その兆候がもうQ2では見えたので、かなりセットアップを変えました。それを明日、そのまんまにしてブラックタイヤでうまく行くかっていうとわからないので、シッカリと今日のデータを見てエンジニアと決めたいと思います。

「明日はノーミスでしっかりと走りたい
隣が信頼できるカナーンというのもあって、最高のグリッドです」

――フロント・ロウ、それもポールポジションからのスタートとなる明日、後方スタートよりもプレッシャーは少ないんじゃないかと想像しますが、どうでしょうか?
佐藤琢磨:そうですね。プレッシャーはどこからのスタートでもあります。ただ、中団グリッドからスタートするよりも精神的には確かに楽ですね。勝利に対する拘り、プレッシャーは強くあります。昨年のヒューストンでのポールポジションは、プラクティスでは設置されていたシケインが取っ払われて、予選は一発勝負みたいな感じでした。それが今回はプラクティス1、プラクティス2、プラクティス3でマシンを徐々に作り上げて来て、その結果としてのポールなので、確実度が全然違うと思いますね。だから明日は、強いレースができると思います。でも、何が起こるかわからないのがレースなので、ノー・ミスでシッカリと走りたいですね。スタートで隣りがトニー・カナーンというのも、勇気づけられるというか……信頼できる相手ですからね。コース上では非常にタフなライバルなんだけど、とてもフェアに、クリーンに、でも激しく戦える相手なので、そういう意味では最高のグリッドじゃないかと思います。

――昨日からずっと良い状態が続いている。イニシアチブを持ってのポールポジション獲得です。そうするとチャレンジャーじゃなく、リードしているドライバーとしてスタートを迎えるって感じですか?
佐藤琢磨:そうですね。ただ、クリア・アドバンテージがあるワケじゃないので。何度も言って来たように、プラクティス3回とも100分の5秒とかの小さい差で上位は争われてましたよね。コンマ1秒の中に何人は行ってるのか……という接戦でしたよね。ただ、常にそれでも1000分の1秒でも僕は前にいた。そういう意味では、スピードはあると思うんですよ。クリアなアドバンテージはないけど、団子になっていても必ず前に今いれてるっていうのは、すごく良い流れなので、コレは大事にしたい。

――気持ちはチャレンジャーですか?
佐藤琢磨:まぁそうですね。ポール・トゥ・ウィンてインディーカーでやったことがないから。それはすごい昔に戻らないと、F3まで。だからちょっとドキドキもしますけど、レースは非常に楽しみですね。チームには安心できるメンバーが揃っているし、非常に良い状態に今の僕らはあると感じています。
以上

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