2013年8月31日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント62 第16戦ボルティモア Day1 プラクティス1、2:「もうちょっとこうしたい……とかいうエリアはあるけれど、悪くないですね。自分たちのストリート・コースのいいカンジのグリップ感が得られてます」

8ターンにアプローチする琢磨 Photo:INDYCAR (John Cote)クリックして拡大
グランプリ・オブ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイ・SRT
8月30日 Day1 プラクティス1 1分21秒8487 15位 16周走行
          プラクティス2 1分20秒0934 8位 17周走行
 
走行初日、快晴の下、2回の走行で順調にタイムアップ

 ボルティモアは3デイ・イベントで、金曜日にはプラクティスが2回スケジュールされる。
 快晴下、どちらのセッションも完全ドライコンディション。
 過去2年のレースで2回ともポジションをグイグイと上げて行く戦いぶりを見せた佐藤琢磨にとって、ボルティモアのストリートコースはシリーズの中でも気に入っているもののひとつだ。
 最初のセッションでの琢磨は15番手のタイムをマーク。走行を終え、エンジニアとのミーティングを終えたところで琢磨にインタビューした。


「最初の年と同じシケインに戻ってますけど、縁石は高くなってる気がする」

Jack Amano(以下――):いい滑り出しにできていますか?

佐藤琢磨:そうですね。少なくとも先のロードコース2戦よりかは滑り出しとしては良かったですね。

2013 INDYCARレポート 第16戦ボルティモア Day1 プラクティス2 :最速はトゥリスタン・ボーティエ!佐藤琢磨は8番手

プラクティス2でトップに浮上したボーティエ Photo:INDYCAR(Chris Jones)

天候:快晴
気温:31~32℃

トップ3はボーティエ、レイホール、ニューガーデン
ホンダドライバーがトップ5を独占
 

 午前中より暑くなったが、蒸し暑さのレベルは上がらないコンディションで午後2時半からのプラクティス2は行われた。この45分間のセッションでトップタイムを記録したのはルーキーのトゥリスタン・ボーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。タイムはプラクティス1のトップ・タイムより1.348秒も速い1分19秒4792だった。彼はこのラップを15周をこなしたうちの11周目に記録した。
 2番手は午前中も4番手と速かったグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。ボーティエとの差は0.0838秒という小ささ。そして、3番手にはジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)が1分19秒6662=トップと0.1870秒差でつけた。

2013 INDYCAR レポート 第16戦ボルティモア Day1 プラクティス1: ボルティモア得意のパワーが最初の走行でトップタイムをマーク! 佐藤琢磨は15番てとまずまずのスタート

シケインを豪快にショートカットするパワー Photo:INDYCAR (John Cote)
プラクティス2番手はヴィソ、3位にはセルビア!

 カリフォルニアからアメリカ大陸を一気に横断、メリーランド州ボルティモアへとやってきたインディーカー、最初のプラクティスでは先週久々の勝利を挙げたばかりのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が1分20秒8632のベストを9周しただけでマークし、トップだった。ボルティモアでは過去2回の開催で両方ともポールポジションを獲得しているパワーだけに、今回も最速タイムでのスタートには何の不思議もない。ボルティモアの空は快晴。気温は27℃ながら蒸し暑いコンディションとなっている。
 トップのパワーとの差が0.2624秒差で2番手につけたのは、EJ・ビソ(アンドレッティ・オートスポート)だった。チーム移籍をした今年は目立った走りをほとんど見せて来ることができていないが、ストリートは得意。今回は奮闘を見せるか? 彼のベスト・タイムは1分21秒1256。16周回をして、その最後のラップに記録した。

2013年8月30日金曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨 第16戦ボルティモアに向けて:「マシンを速くし、力強い週末を送る。ボルティモアを楽しみにしています。不運、悪い流れというものはないはずなので」

佐藤琢磨に――ボルティモア編
(AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレスリリースより)


「忙しく、体力消耗度が高いコース
オーバーテイクポイントはターン1とターン3がメイン」

――ボルティモアのサーキットについて

佐藤琢磨:「高速と低速のコーナーのバランスが良く、私はこのコースのドライビングを毎回楽しんでいます。路面がとてもスムーズな場所もありますが、全体的に見ればバンピーです。速く走るにはブレーキングでの安定感と良好なトラクションが必要。典型的なストリートコースですから、アンダーステアを小さくしておく必要もあります。コースの中の線路を横断する前のところに、とてもユニークなシケインがあります。開催初年度だった一昨年と昨年でこの部分のコースデザインは変わりましたが、今年はどうやら2011年に似た、とても縁石の高いものになるようです。ここのシケインを素早く駆け抜けることのできるマシンを作り上げることも大切です。
 路面の舗装が新しくされた部分はグリップは高くなっているでしょうし、古い路面のままの場所でもグリップは結構ありますので、忙しく、体力的な要求度も高いコースです。
 オーバーテイクポイントは何箇所かありますが、ターン1とターン3のふたつのメインになるでしょう。ボルティモアはお客さんも多く、みんなレースに対して情熱的です。去年までの2回と同じくエキサイティングなレースになるに違いありません」

「すべての面で頑張り続ける必要があります」

――どうやって悪い流れを断ち切る?

佐藤琢磨:「速く走ることで! すべての面で頑張り続ける必要があると思います。マシンを速くし、力強い週末を送る。ボルティモアを楽しみにしています。不運、悪い流れというものはないはずなので」

「レースだけでなく街も楽しんでもらえるといいですね」

――ボルティモアの好きなところは?

佐藤琢磨:「コースが町の真ん中にあり、たくさんのイベントが同時に行われるところがいいですね。港の周りには良いレストランもたくさんあって、レースウィークエンドには本当にたくさんの人々がコースに来てくれます。彼らがレースだけでなく、街も楽しんでくれているといいですね」

――ボルティモアでのこれまでのパフォーマンスは?

佐藤琢磨:「2011年(スタート26位、18位フィニッシュ)は、予選の第1セグメントで3番手の速さだったのですが、駆動系にトラブルが出てストップ。イエローを出したので速い2ラップを取り消され、予選はそこで終了となってしまいました。決勝レースはエキサイティングで、一時は6番手まで順位を上げたのですが、レース終盤に壁に接触してしまい、その2周後に止まってしまいました。
 2012年(スタート24位、21位フィニッシュ)はもっと状況が良かったんです。ファイナルプラクティスで4番目に速いラップを記録。予選を楽しみにしていましたが、僕らのグループでは早い段階でレッド・フラッグが出て、ニュー・タイヤを暖めている段階だった僕は、まだちゃんとしたラップを計測できませんでした。それに加えて、僕には予定外のエンジンチェンジによるペナルティもありました。
 決勝レースでは雨が僕らを助けてくれ、ポジションを上げることができました。僕はトップを走ったんです。しかし、燃料ポンプのトラブルが僕らの1日を終えさせてしまいました。本当に残念でした」

AJ・フォイト・エンタープライゼスの戦績

 2011年:ビトール・メイラが12位スタート、9位フィニッシュ。
 2012年:マイク・コンウェイが予選2位(しかし、エンジン・ペナルティで12位スタート)、レース序盤にエリオ・カストロネベスにヒットされて後退しながら6番手まで挽回。しかしレース終盤、コンウェイ・ストリートのタイヤ・バリアに突っ込んで完走できず、16位。

*2005年からAJ・フォイト・エンタープライゼスのプライマリー・スポンサーを務め続け、今年で9シーズン目を迎えているABSサプライは、今週のボルティモアでのレースに800人のゲストを招きます。これまでにABCサプライがレースでもてなしたゲストの数は50,000人を優に越えています。
以上

2013 INDYCARレースプレビュー 第16戦ボルティモア:昨年度ウィナーはライアン・ハンター-レイ!2011年に優勝したのはウィル・パワー

アンドレッティのプロモートで観客数もイベントの盛り上がりも上々!

 昨年まで最終戦のひとつ前のレースだったボルティモア(メリーランド州)が、今年は19戦の16戦目に変わっている。フォンタナでの最終戦との間にヒューストン(テキサス州)のダブルへッダーが入ったからだ。
 首都ワシントンDCにも近いボルティモアのレースは、初開催だった2011年から観客数もイベントとしての盛り上がり度もかなりよい。プロモーターのアンドレッティは冠スポンサーの確保に苦労をして来ているが、「西のロングビーチ、東のボルティモア」とファンの間に浸透するレースイベントに育て上げるべく奮闘中で、今年も大観衆の目の前でのハードバトルが見られることと期待される。


2013年8月27日火曜日

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ:ディクソン ペナルティ問題考察 ―その3 インディーカーの見解――

拙速な判断だったと言わざるを得ないインディーカーの裁定

 インディーカー競技長のボー・バーフィールドは、ソノマでのレースでスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)にペナルティを課した理由を次のように説明した。

「私たちはピットレーン上にいる人々全員を安全に守る義務があります。もし誰かがピット・ボックスを去るところで素晴らしいとは言えない判断を下して事故を起こしたら、私たちとしてはペナルティを課すことで自分たちの意図を明らかにしなければなりません。今回は異なるアングルから撮影されたビデオがありました。9号車は明らかに12号車のピットボックス内に入って行き、そこで違犯(接触)が発生しました。彼は12号車のピットボックスに半車身以上入っていました」。

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ:ディクソン ペナルティ問題考察 ―その2 スポーツマンシップはどこに行った?――

「あそこまで露骨なやり方は見たことがない」

 ソノマでのレース後、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)はインディーカーの裁定に憤慨し、ビデオで件のアクシデントの状況を確認した後、ストレートに意見を述べた。
 「彼は僕らのマシンに向って真っすぐ歩いて来たように見える。僕らより前に停止していたマシンが見えていたが、彼は僕らに向って、意図を持って歩いて来ていた。あそこまで露骨なヤリ方は、もうかなり長いこと見た記憶がない。ほとんどのピット・クルーは、他チームのマシンに対しても道を開けようと努力をしている。僕らのマシンはレースを通して速かった。彼らがあのような手段に出ても勝ちたかったのだとしたら、それはとても悪いことであり、不快に感ずる。僕はまっすぐピット・アウトできる状況にあり、彼は僕らに向って歩いて来た。裁定を下す人々、すなわちレース・コントロールで働く人々にも世間は注目をして欲しい。彼らがどんな説明を聞かせてくれるのか楽しみだ。近頃のインディーカーは、トラブルに対する裁定の安定感がまったくなっていない」。


2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ:ディクソン ペナルティ問題考察――悪かったのはスコット・ディクソンだけか?――

パワー優勝を喜ぶ12号車のクルー。彼らはこの勝利をどう感じているのだろうか?Photo:INDYCAR (Richard Dowdy)
インディーカーがまたも不可解な裁定

 スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)はレースをほぼコントロール下に収めていた。
 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のアタックを凌ぎながら、相手に対して燃費セーブでも優位を保って見せていた。
 しかし、レース終盤にフルコース・コーションが出された。パワーと彼の陣営の期待していたチャンスが到来したのだ。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント61 第15戦ソノマ Race Day 決勝:「今週ここで悪かった部分ていうのをキッチリと勉強したいですね。来週のレースは必ず勝ちます!! 気持ちを入れ替えてボルティモアのストリート・コース、頑張りたいと思います」

9位までポジションアップしたが、レイホールとの不運なクラッシュでサスペンションを痛めてしまった Photo:INDYCAR (Chris Owens)
ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月25日 Race Day 決勝 23位完走 67周走行(18周遅れ)

「新品のレッドで出て行くことでゲインできるか

少なくとも自分のポジションを守るっていう戦略でした」
 

Jack Amano(以下――):スタートからうまく行っていたレースでしたが?
 

佐藤琢磨:スタートはレッドタイヤで行って、うまくポジション・アップができていました。リスタートも何とか混乱を抜けてポジションを上げました。周りとも遜色ないペースで走れていたと思います。ただ、数周おきにイエローが出てリスタートというレース展開だったので、まだ完全にペースは乗る前でした。それでも、長いレースになるけど、いい滑り出しだったと思いました。 

2013年8月26日月曜日

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ Race Day 決勝:ウィル・パワーが今シーズン初勝利!レースを完全に支配していたディクソンはペナルティで勝利を逃す

Photo:INDYCAR (Chris Jones)
ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月25日 Race Day 決勝
天候:快晴
気温:24~27℃


15戦目で今季10人目のウイナーが誕生

  85周のレースの70周目、予選3位だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がトップに立った。彼はそこからゴールまでトップを守り切り、昨年4月の ブラジル以来となる勝利を手に入れた。2013年シーズンのインディーカー・シリーズは、実に10人目のウィナーを15レースで生んだのである。


盤石と思えたディクソンだったが…Photo:INDYCAR(John Cote)
 しかし、その勝利はインディーカー・ファンに大歓迎をされるものではなかった。今日のレースで最速の存在だったのは、予選2位のスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。34周目にトップに躍り出た彼はレースを完全に支配下に置いていたが、64周目に行った最後のピットストップでパワーのピットクルーと接触したことでペナルティを科せられ、勝利を諦めることとなったのだ。パワーの勝利は、ディクソンがペナルティを受けたことによって転がり込んできたものだった。 3位はポール・スタートだったダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。4位にはそこらじゅうで他のマシンにぶつかっていたマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)だった。
 ポイント・リーダーのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は安全運転に徹して7位フィニッシュ。
 ポイント3位のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、1回目のピットタイミングを遅らせる作戦が裏目に出て優勝争いから脱落。それでも粘り強く戦い抜いて6位でゴールした。

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ Race Day 決勝スタートタイヤ更新版:トップ6は全員オルタネート。予選3位のパワーだけユーズドをチョイス

1  ダリオ・フランキッティ      NEW    オルタネート
2  スコット・ディクソン       NEW    オルタネート
3  ウィル・パワー          USED    オルタネート
4  ライアン・ハンター-レイ     NEW      オルタネート
5  エリオ・カストロネベス      NEW     オルタネート
6  チャーリー・キンボール     NEW      オルタネート

 7  ジャスティン・ウィルソン     NEW   プライマリー
8  グレアム・レイホール      USED    オルタネート
9  ジェイムズ・ヒンチクリフ     NEW   プライマリー
10 シモン・パジェノー        USED   オルタネート
11 マルコ・アンドレッティ      USED   オルタネート
12 セバスチャン・ブルデイ     USED    オルタネート
 
13 佐藤琢磨              NEW      オルタネート
14 トゥリスタン・ボーティエ     NEW      プライマリー
15 EJ・ビソ               NEW    オルタネート
16 トニー・カナーン          NEW    プライマリー
17 ジョセフ・ニューガーデン    NEW   オルタネート
18 JR・ヒルデブランド        USED   オルタネート
19 ジェイムズ・ジェイクス      USED   オルタネート

20 セバスチャン・サーベドラ    NEW    プライマリー
21 ライアン・ブリスコー        USED  オルタネート
22 シモーナ・デ・シルベストロ    NEW   プライマリー
23 エド・カーペンター         USED  オルタネート
24 ルーカス・ルーア         NEW   プライマリー
25 ジェイムズ・ダビソン       NEW   プライマリー


*スタート前のグリッドで確認。
 トップ6は全員オルタネートでのスタートだが、パワー(予選3位)だけがユーズドを選んでいる。
 プライマリーでスタートする最上位は7番グリッドのウィルソン。
以上

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ Race Day 決勝スタート・タイヤ 上位陣はオルタネート。プライマリースタート最上位は予選7位のウイルソン

1  ダリオ・フランキッティ          オルタネート
2  スコット・ディクソン           オルタネート
3  ウィル・パワー              オルタネート
4  ライアン・ハンター-レイ        オルタネート
5  エリオ・カストロネベス         オルタネート
6  チャーリー・キンボール        オルタネート
7  ジャスティン・ウィルソン        プライマリー

8  グレアム・レイホール          オルタネート
9  ジェイムズ・ヒンチクリフ        プライマリー
10 シモン・パジェノー            オルタネート
11 マルコ・アンドレッティ          オルタネート
12 セバスチャン・ブルデイ         オルタネート
13 佐藤琢磨                  オルタネート

14 トゥリスタン・ボーティエ         プライマリー
15 EJ・ビソ                    オルタネート
16 トニー・カナーン              プライマリー
17 ジョセフ・ニューガーデン        オルタネート
18 JR・ヒルデブランド            オルタネート
19 ジェイムズ・ジェイクス          オルタネート

20 セバスチャン・サーベドラ        プライマリー
21 ライアン・ブリスコー           オルタネート
22 シモーナ・デ・シルベストロ       プライマリー
23 エド・カーペンター            オルタネート
24 ルーカス・ルーア             プライマリー
25 ジェイムズ・ダビソン           プライマリー

*シリーズへの申告義務があるのはタイヤの種類のみ。フレッシュかユーズドかはスタート前にグリッドで確認するしかありません。
以上

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント61 Race Day ウォームアップ:「レッドタイヤは使えなかったけれど、確認としてはいいものができたと思います」

ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月25日 Race Day ウォームアップ 1分20秒7140 17位 12周走行


「ベストを出したときはユーズドタイヤでの走行でした」 

Jack Amano(以下――):どのような思惑で臨み、何ができたセッションでしたか?

佐藤琢磨:昨日の予選で失敗してしまった部分を戻して、それの確認という感じでした。ちょっとレッドタイヤは使えなかったですけど、確認としてはいいものができたと思います。

――どうも、このセッションでレッドを使ったチームはなかったようなんですが、温存したいという意向をみんな持っているということですね?

佐藤琢磨:そうだと思います。

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ Race Day ウォームアップ:最速は予選2位のスコット・ディクソン、2番手に予選4位のライアン・ハンター-レイ!PPのダリオ・フランキッティは5番手、佐藤琢磨は17番手

ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月25日 Race Day ウォームアップ
天候:快晴
気温:21~22℃

好調ディクソン!ただ一人1分18秒台をマーク 

 週末の3日間で一番暑いコンディションとなっている決勝日、朝10時過ぎに30分間のウォームアップ・セッションは始まった。
 珍しく赤旗による中断ナシだったセッション、トップタイムは予選2位、ポイントランキングも2位につけているスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が1分18秒9674のトップ・タイムをマークした。彼はこの最終プラクティスで17周をこなし、ロングランでのマシンセッティング、タイヤのデグレデーションなどを確認していた。ベストラップが記録されたのは11周目だったが、彼のこの1分18秒台のラップは飛び抜けた速さだった。2番手となったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)のベスト=1分19秒4041との間には0.4367秒もの差があった。
 3番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、4番手はトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)と、予選で不発だった二人がレースモードでスピードを見せた。マルコは予選11位、TKは予選16位から上位進出を目指す。
 ポールシッターのダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は5番手。トップだったチームメイトのディクソンとの間には1.1003秒もの差がある1分20秒0677が彼のベストだった。決勝ではディクソンが有利か?

ポイントリーダーのカストロネベスはトップ10に入れず 

 6番手以下に並んだのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー:予選3位)、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング:予選6位)、セバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング:予選12位)、EJ・ビソ(アンドレッティ・オートスポート:予選15位)、ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング:予選7位)。ここまでがトップ10。
 ポイント・リーダーのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は1分20秒5072がベストで、トップとは1.7156秒差の16番手だった。5番グリッドからのスタートを切るエリオはレースでそのポジションを保ち切れるかが心配な状況となっている。

佐藤琢磨、マシンセッティングはまずまず
 

 佐藤琢磨(AJ ・フォイト・エンタープライゼス)は12周を走行。5周目の1分20秒7140がベストで17番手だった。ユーズドタイヤでの連続走行がメイン・メニューだったが、昨日の予選でのものに調整を加えたマシンセッティングはまずまずであることが確認されたようだった。
 参戦2レース目のルーキー、ジェイムズ・ダビソン(デイル・コイン・レーシング)はウォームアップを走らなかった。トラブルで走れなかったのではなく、予選21位だった彼らは残りシーズンの戦い方までを検討し、エンジン交換に踏み切った。すでにシーズン・リミットの5基を越える6基目を使用していた18号車は、そのエンジンも交換すべき走行距離が近づいていたため、フレッシュに交換し、今日の決勝レース、そして来週のボルティモアも戦う。
以上

2013年8月25日日曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント60 第15戦ソノマ Day2 予選:「あとコンマ1秒ちょっとでした。今週はそのコンマ1秒ちょっとを縮められそうで縮められないセッションがずっと続いて来ていますね」

Photo:INDYCAR(John Cote)
ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月24日 Day2 予選 第1セグメント敗退 (第1グループ7位 1分18秒9164 5周走行)

天候:快晴
気温:21~22℃

「今日は全部が裏目に出て、残念な予選になってしまいました」

Jack Amano(以下――):第1セグメント、第1グループで7番手。惜しくも第2セグメント進出を逃しました。

佐藤琢磨:はい。1分18秒7が3~4台ひしめいていましたね。あとコンマ1秒ちょっとでした。今週はそのコンマ1秒ちょっとを縮められそうで縮められないセッションがずっと続いて来ていますね、いたちごっこになって。だから、僕らも1分18秒台には入れましたけど、当然みんなもレッドタイヤで速くなっていました。最後のプラクティスでようやくいい感じに方向性が向いて来て、僕たちなりにうまくまとめることはできていたと思います。ただ、それを予選に向けて、もう一歩先に進めたら、少し行き過ぎたって感じでしたね。コンディションも午前と午後で、いつも通り風の向きが180度近く変わったんですよ。それも悪さをして、ちょっとプライマリータイヤ(ブラックタイヤ)では走れないぐらい、すごい暴れてしまうクルマになってしまって、ただもう残りが6分しかなかったので、どうしようもなかったから、そのままレッドタイヤをつけて行こうっていう感じでしたね。それでもう持ってるものは全部出し尽くそうっていう走りだったんですけど、第2セグメントには進めませんでした。

――レッドの感触は想像していたとおりだったんでしょうか? アタックは2ラップまで……という厳しい状況に見えていましたが?

佐藤琢磨:そうですね、2周目まで持っていました。でも、僕らはタイヤの内圧のマネジメントもできてなかったから3周目がなかったし、2周目でも高過ぎたみたいでした。今日は全部がもう裏目に出た感じでした。だから悔しいですよね。残念な予選になってしまいました。まぁ、行けてもあとコンマ2秒……。すべてが整ったとしてもですから、前の方を走ってるクルマは別次元です。


「レッドが本当にベストタイヤなのか確認のため
明日は久しぶりにウォームアップでレッドも履かなきゃならないかも」


――決勝ですが、レッドタイヤとブラックタイヤ、パフォーマンスはどういう差を持つことになるんでしょうか? 差は大きいですか?

佐藤琢磨:もちろん大きくあるますね。1秒近くあるんじゃないかですかね?

――では、その両方にマッチさせたセッティングとするのは非常に難しいことになりますか?

佐藤琢磨:プライマリーも決して安定したタイヤではない。ドロップオフもある程度あるでしょう。レッドタイヤがどれぐらいなのかっていうのは、もしかしたら久しぶりに明日は、僕らもウォームアップでレッドも履かなきゃいけない。まだレッドの性能がまったくわかっていない状況なので……。3ストップ=4スティントなので、本当はレッドを使いたくないですけど、レッドがベストタイヤなのかを見極めないと行けな
い。それを他のチームの誰かに委ねることはできないので、今は走ろうかって話をしています。

――タイヤの持ちという要素から4ストップに……というパターンはないですか?

佐藤琢磨:5スティントにするとタイヤもないです。1回ピットストップすると時間がかかり過ぎるし。すごくタイミング良くイエローがいっぱい入ってとか、フュールセーブもすれば2ストップっていうのも可能なのかもしれないけど、そこまで深いストラテジー・ミーティングをやってないんだけど、今の状態の燃費とレース距離で行くと3ストップです。

「ここはイエローが少ないし、なかなか抜けないコース
ブラックとレッドを履く順番と、タイミングが重要」

――このコースってイエローは結構出る方でしたっけ?

佐藤琢磨:去年から全体的にイエローは減ってますよね。一昨年と比べてもがらっと変わってると思う。去年もここは1回ぐらいしか出なかったんじゃなかったかな?

――イエローが少ないと各スティントは長くなる。するとラップタイムの落ち込みも大きくなるでしょう?

佐藤琢磨:なりますね。でも、みんな落っこちるので、ピットストップのシークェンスが違ってないとオーバーテイクは難しいでしょう。でも、それをずらすっていのうは難しい。だから後は、ブラックとレッドを履く順番と、そのタイミングですかね? ここは抜けないです。なかなか抜けない。

――となると、なおさらピットタイミングをずらしたくなりますよね?

佐藤琢磨:本当はそうです。でも、それが難しい。

――作戦も絡んだ非常に複雑な戦いとなる明日、頑張ってください。

佐藤琢磨:はい、ベストを尽くします。そのためにも明日のウォームアップが大事ですね。

以上

2013 INDYCAR レポート第15戦 ソノマ Day2 予選:ダリオ・フランキッティが今季4回目のポールポジション!佐藤琢磨は予選13位


Photo:INDYCAR (Chris Jonnes)
ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月24日 Day2 予選
天候:快晴
気温:24~25℃

佐藤琢磨、第1セグメントのラストに泣く 


 午後2時半、昨日のプラクティス2終盤とほぼ同じトラックコンディションで予選は始まった。
 第1セグメントの第1グループはパワーが1分18秒0033でトップ。2番手はシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)で、3番手はジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)だった。そして、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が4、5番手。ポイント・リーダーのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)はギリギリの6番手で第2セグメントに進んだ。
 プラクティス1から思うようにスピード・アップができていない佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、ヒンチクリフが計測最終ラップで7番手から4番手へとジャンプしたことで7番手に押し下げられ、第2セグメント進出を逃した。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント59 第15戦ソノマ Day2 プラクティス3:「昨日から今日にかけて、少しずつですけど、狙っていた領域での進化が見られてます。だから予選では、それをもう一度トライするって感じですね」

ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月24日 Day2 プラクティス3 1分19秒0982 12周走行
天候:快晴
気温:21~22℃


「順位は落ちはいましたけどマシンは少しづつ良くなっている」
Jack Amano(以下――):昨日と比べ、ラップタイムがコンマ3秒ほど縮まりました。
佐藤琢磨:そうですね。もう少しで1分18秒台に入れるところでしたけど、入れなかった。

――マシンの進展具合はどうですか?
佐藤琢磨:順位は落ちちゃいましたね。マシンは少しずつ良くなってるけれど、悪い部分も同時に出てきてて、何とも言えないですね。

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ Day2 プラクティス3:2日目最初の走行でダリオ・フランキッティがトップに!佐藤琢磨はタイムを縮めるも順位は18番手

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月24日 Day2 プラクティス3
天候:快晴
気温:21~22℃


フランキッティ、合同テストでのベストラップタイムを更新

 予選日を迎えたソノマ・レースウェイは、今日も快晴と低めの気温、そして南の海側からの風というコンディションだった。
 45分間のセッションで最速ラップをマークしたのはダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。昨日、チームメイトのスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が記録したベストは1分18秒3145だったが、それより0.2157秒も速い1分18秒0998を叩き出した。プラクティス2での彼は終盤に2セット目のタイヤを投入せずに7番手に着けていた。フランキッティはマシンの仕上がりの良さを予選直前のセッションで示したわけだ。
 水曜日の合同テストでトップだったがフランキッティ。水曜のベストは1分18秒2945だったが、プラクティス3でそれを上回り、今週最速のラップをマークした。
 フランキッティは今朝のセッションで9ラップをしたのみだった。そして、ベストはその1ラップ目に記録されていた。