2013年6月1日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント35 第6戦、第7戦 デトロイト Day1 予選「エリオがスピンした時点で僕らはファスト6に入ってた。あのまますぐに赤旗が出ていれば僕らはファイナルに進めてた。あるいは、ターン3のローカルイエローはそのままでコースはグリーンという状態を保ってくれてたら、そっちでもファスト6入りはできていましたね」


予選でユーズドブラックでのコースチェックを終え、レッドにチェンジするためピットに向かう Photo:INDYCAR (Chris Jones)クリックして拡大
シボレー・インディー・・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク
5月31日 Day1 予選1 8位 第2セグメント敗退 1分22秒7164


「最終ラップにすべてを賭けたんです。いい状態で走れていたんだけど……」

Jack Amano(以下――):予選直前になって雨が降りました。

佐藤琢磨:雨は良かったと思います。Q1に関していえば、両グループともウェット・タイヤでの奏功になっていました。雨量はそれぞれで違っていましたけど、ウェットでの走行というのはまったく問題なくて、実際Q2にトップで進めました。

――1回ピットしたのは?

佐藤琢磨:あれはフロントウィングをもっとつけてもらいました。十分に時間はあったし、コースに出てからすぐに1周でタイムが出せました。

――そして問題のQ2ですが……

佐藤琢磨:意味わからないよねアレ、本当に。

――どんな状況があったんですか?

2013 INDYCAR レポート 第6戦、第7戦デトロイト 5月31日予選 デトロイトのダブルヘッダー、レース1のポールポジションはダリオ・フランキッティ 佐藤琢磨は予選8位

今シーズン、いまいち走りに精彩を欠いていたフランキッティが、通算31回目のポールを獲得 Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大 

シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク
5月31日 Day1 予選
天候:雨 のち 曇り
気温:26~27℃
 

予選セグメント1開始直前に激しい雨
第1グループはフルウェットでコースイン


 新しい試み、ダブルヘッダー。予選も当然2回行われる。
 土曜決勝のシリーズ第6戦用の予選は、いつも通りの3段階方式で争われた。
 セグメント1開始直前に雨。コレが結構激しく、路面は完全なるウェットに。第1グループはフルウェットで走り出し、徐々に乾いて行く展開になった。


Photo:INDYCAR(John Cote)クリックして拡大
 ここで頑張ったのはプラクティスでもトップタイムを出していたアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ-アガジェニアン)で、次がルーキーのトゥリスタン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、3番手がライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)で、4番手はシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)。そして、朝のプラクティスでクラッシュ、ほとんど走れていないダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)がギリギリ6位でセグメント2への切符を掴んだ。

2013INDYCAR佐藤琢磨コメント34 第6戦、第7戦デトロイト Day1 プラクティス1 「結構飛び跳ねてて、クルマが収まらないので、この後データを見て、もうちょっと良くしないとなりませんね」

ターン2を行く琢磨。今年、この先のストレートが長くされた Photo:INDYCAR(Chris Owens)クリックして拡大
シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク 2.346マイル(=約3.775㎞)
5月31日 プラクティス1 1分19秒1403 10位 25周走行


コースレイアウトが部分的に変更されたが
予選前のプラクティスはこの1回だけ
 

気温27℃、高い湿度、しかし吹き付ける風……というコンディションでデトロイトのプラクティス1回目が行われた。今年のコースはターン2の先のストレートが伸ばされたレイアウトに変わっている。CART時代の後半に使っていたレイアウトだ。部分的にだがコースも新しくなっているというのに、プラクティスは短時間で、すぐに予選に突入する。

「ほとんど走れなかったですね

持ってきたクルマが今いちで、もうちょっと煮詰めたい」 
Jack Amano(以下――):今日のプラクティスはいかがでしたか? この走行だけでもう予選という大変なスケジュールになってますが? 
佐藤琢磨:しかも、赤旗……何回? 4回か5回出たでしょ?
 

――6回でした。 
佐藤琢磨:ほとんど走れなかったですね。ちょっと、持ってきたクルマが今いちで、もうちょっと煮詰めたい。結構飛び跳ねてて、クルマが収まらないので、この後データを見て、もうちょっと良くしないとなりませんね。もうこの次が予選……結構トリッキーですね。
 

――セッションの最後の走行では、マシンが良い方向に行ってたんですか? 
佐藤琢磨:ウーン、ニュータイヤ装着でちょっとタイムが良くなってたけど、あまり良くはなっていなかったですね。根本的な改善が必要かもしれない。
 

――では、予選はガラリと違うセッティングということですか? 
佐藤琢磨:……ですね。
 

以上

2013 INDYCARレポート 第6戦、第7戦デトロイト 5月31日 プラクティス1:最速はアレックス・タグリアーニ 佐藤琢磨は10番手

タグリアーニがプラクティス1のトップタイムをマーク Photo:INDYCAR(John Cote)

シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク
5月31日 プラクティス1
天候:晴れ
気温:27〜28℃


プラクティス1回目は赤旗の連発に!


 IZODインディーカー・シリーズの新しい試み、1週末に2レースを開催するダブルヘダー。今年は3イベントで行われるが、その最初が今週末のデトロイト戦=シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト。残りの2イベントはトロントとヒューストンだ。
 金曜からの3デイ・イベントで2レースを行うが、予選もそれぞれのレース用に……となるとプラクティスの時間はどうしても短くならざるを得ない。今日のスケジュールは1時間25分のプラクティスを行ったのちは、もう予選という慌ただしさだ。
 そのプラクティスが赤旗だらけだった。スピンやトラブルでコース上にマシンがストップしたケースが5回と、アヒルの親子連れがコース上を彷徨い始めたための1回、合計6回もセッションは中断された。これではセッティングがなかなか進めにくい。

2013 INDYCARレポート 第6戦、第7戦デトロイト 5月31日:佐藤琢磨、デトロイトに向けて 「グリップが高い路面だけどバンピー。チャンジングな高速コースが気に入っています」

AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレスリリースより

「ベル・アイルはインディーカー・シリーズで最もフィジカルなコース
ダブルヘッダーはかなりチャレンジのしがいがあります」

――またストリートコースに戻ることについて

佐藤琢磨:ここ2週間ほどはオーバルだけだったので、ストリート・コースに戻るのはとてもリフレッシュされますね。でも、その後にはスピードウェイとバラエティの異なるショート・オーバルが続くので、この1ヵ月もまた忙しくなります。

――デトロイトでのダブルヘッダーについて

佐藤琢磨:イギリスF3時代にダブルヘッダーは経験しています。いつもどおり、体を鍛え、食事と睡眠もしっかり取って、体を休めないとなりません。デトロイトはインディーカー・シリーズでも最もフィジカルなストリートコースですから、そこでのダブルヘッダーというのはかなりチャレンジのしがいがあります。

――デトロイトで成功するための鍵は?

佐藤琢磨:良い舗装の部分を走ること! いや、今年は大丈夫でしょう。デトロイトのコースは、グリップが高い路面だけれどバンピーというトリッキーさがあります。去年、僕は初めてベル・アイルを訪れ、あまり良いレースを戦えませんでしたが、チャレンジングな高速コースが僕は気に入っています。

「今年のインディーは競争が格段に激しくなっていました」

――インディー500で学んだことは?

佐藤琢磨:いつもレースから学んでいます。去年のインディーでDW12でのオーバルレースを初めて経験しました。チームも僕も、今年は新しいセットアップを試したいと考えており、1ヵ月の間に大きな進歩を遂げることができました。パフォーマンスが向上するのを確認できたのは大きかったと思いますが、幾つかの新しいことを確認しなくてはなりませんでした。レース展開は去年と異なっていました。競争が格段に激しくなっていましたね。スティント毎にマシンのバランスチェンジが違った形で出ていました。
 今年もインディー500はすごいレースでした。僕らは幾つかの分野が自分たちの考えていた通りにコントロールし切れていませんでした。それでも、そうしたことを経験するのもチームにとってはプラスだったと思います。僕らが力をつけることに繋がります。レース結果は少々残念なものでしたが、インディー500は偉大なイベントであり、また来年戦えることが今から早くも待ち切れないほどにエキサイティングなレースです。

路面再舗装でドタバタした昨年はアクシデントで20位

 第5戦インディー500を終え、琢磨のポイント・スタンディングは2番手。トップのマルコ・アンドレッティとの間にある差は11点だ。
 佐藤は開幕から5戦連続完走中。セント・ピーターズバーグでのストリート・レースは8位、アラバマの常設ロードコースでは14位、ロング・ビーチのストリート・コースで優勝し、サン・パウロのストリートでは2位。そして、インディーのスーパー・スピードウェイでは13位だった。

 インディーカー・シリーズが最初にベル・アイルでレースを行ったのは2007年(CARTは1992~2000年まで開催)。AJ・フォイト・エンタープライゼスの14号車に乗るダレン・マニングは8番手スタートから4位でフィニッシュした。翌2008年、マニングは15番手スタートから12位となった。
 2009年から3年間はデトロイトでのレースはなし。去年カレンダーに復活し、14号車にはマイク・コンウェイが搭乗。彼は15番手スタートから9位でフィニッシュした。佐藤はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから参戦し11番手スタート。決勝ではアクシデントを起こし、リザルトは20位だった。
以上

2013年5月31日金曜日

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6月はデトロイトの第6戦、第7戦のインディーカー初のダブルヘッダーに始まり、翌週からはテキサス、ミルウォーキー、アイオワとオーバルが3週連続で開催。1か月で5戦というシーズン前半の集大成といえる1か月です。毎週、間断なく続くレースの状況を、本ウェブでその都度チェックする必要なく、インディーカーの今を日本に居ながらにして知ることができます。
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2013 INDYCAR レポート 第6戦、第7戦デトロイト:第6戦はホンダ・ユーザー4人が10グリッド降格のペナルティ

ホンダ勢はロングビーチのヴォーティエに続き2度目
対するシボレー勢はいまだグリッド降格ペナルティなし

 今週末にデトロイトで開催される今シーズン第6戦では、4人のドライバーたちにグリッド降格のペナルティが課せられる。それらはダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、チャーリー・キンボール(ノヴォ・ノルディスク・チップ・ガナッシ・レーシング)、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の4人だ。彼らはインディー500開催期間中に許可されていないエンジンの交換を行った=規定走行距離を終えずにエンジンを新しいものに換えること=ため、彼らはスターティング・グリッドを10個後退させられるペナルティを受けなくてはならない。この4人は全員ホンダ・ユーザー。ホンダはロング・ビーチでトゥリストン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が上記と同じペナルティの今年第一号となった。シボレーはグリッド降格のペナルティをまだ誰も今年は受けていない。

2013 INDYCAR ニュース 第6戦、7戦 デトロイト:インディーカー初のダブルヘッダーへのエントリーは25台! パンサー・レーシングにライアン・ブリスコー、デイル・コイン・レーシングの18号車にマイク・コンウェイが搭乗

パンサーにシートを得たブリスコー Photo:INDYCAR (Chris Jones)

パンサー、ヒルデブランドとの年間契約を破棄してブリスコー起用
 明日から始まるデトロイトでのインディーカー第6戦、そして第7戦からパンサー・レーシングの4号車に乗るドライバーはJR・ヒルデブランドではなくライアン・ブリスコーになる。

2013 INDYCAR レポート:実は存続の危機にあったKVレーシング・テクノロジー!! インディー500制覇で存続の危機は回避された!?

シーズン中と撤退の危機も回避し、ジミー・ヴァッサーの喜びもひとしお Photo:Naoki Shigenobu

明日なき戦いを続けていたKVレーシング

 な、な、なんと~! KVは今シーズン、トニー・カナーンを全戦出場させられるかどうか、ハッキリわからないままシーズンインしていた。こんな衝撃の事実が彼らのインディー500優勝直後に明らかになった。それも、TK自身の口から。

2013年5月30日木曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500:トニー・カナーン・ストーリー 後編 誰もが喜んだカナーンの優勝


Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大

インディー500での不運ぶりにようやく終止符

 今年のインディー500の最後のリスタート前、スピードウェイのアナウンサーがファンに聞いた。「ハンター-レイの優勝を見たい人」。続いて、「TKに勝って欲しい人!」……ファンの声はTK支持が断然大きかった。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500:トニー・カナーン・ストーリー 前編 インディーカー・デビューから17年目、ついに掴んだビッグ・ウィン

Photo:Naoki Shigenobu
インディーカー16勝目、そしてインディー500参戦12年目の勝利

 04年インディーカー・チャンピオンのトニー・カナーン=TKは、今年のインディー500前までに15勝を挙げてきていた。
 彼の幼なじみのエリオ・カストロネヴェスと同じタイミングでアメリカへとやってきて、インディーライツでの彼らはチームメイトだった。CARTシリーズへのステップアップも同時。それが、アチラはインディー500で3勝、TKは勝利ナシと差がついていた。
 エリオはインディーで最初からメチャ速かったし、何といっても所属チームがインディー最強のペンスキーだから。CART時代にペンスキー入りしていた彼はCARTで6勝、通算勝利数は27勝(CARTのもの含め)とTKに大きく水を開けている。ただ、エリオにはタイトル獲得経験がない。インディーライツでチャンピオンになったのもTKの方だった……1997年のことだ。
 インディーでの速さなら、TKにも定評がある。しかし、伝統あるレースで肝心の優勝はナシ。11年連続で出場をしてきての成績は2位1回、3位2回、4位1回、5位2回……とかなりの高値安定ぶりだったが……。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月27日:ウィナー、トニー・カナーンの賞金は235万3,355ドル

セレブレーションバンケットで、フランキッティとカストロネベスからシェービングフォームの祝福を受けるカナーン。 Photo:INDYCAR (Leigh Spargur)
賞金総額は日本円で12億円オーバー

 第97回インディー500の賞金総額は1,202万65ドル! 相変わらずお見事だね。
 今日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ内でビクトリー・セレモニーと銘打たれた恒例の表彰式が行われて、今年のウィナー=トニー・カナーンには2,353,355ドルが贈られた。円に換算すると2億3800万円強。さすがインディー。
 ルーキーながら2位フィニッシュして、当然インディー500の“チェイスルーキー・オブ・ザ・イヤー”も獲得したコロンビア出身のカルロス・ムニョスの賞金は96万4,205ドルという大きな額になった。21歳でこの額……すごいなぁ。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月27日:ウィナー撮影会 延々と続く撮影、お疲れのウィナー……

Photo:INDYCAR(Bret Kelley)クリックして拡大

「まだ自分が勝ったレースをビデオで見ることさえできない」
夫人とツーショット Photo:INDYCAR(Jim Haines)

 インディー500の翌日は、恒例のウィナー撮影会。今年もレーシング・コース上、パゴダの正面、レンガで作られたスタート/フィニッシュ・ラインのところにマシンを置いて、あのボーグ・ウォーナー・トロフィーも置いて、大撮影会が延々と行われた。
 朝9時のスタート……のはずが、大抵遅れて始まるんですよ、コレ。ウィナーは寝坊しても怒られたりしないし。
 今日のトニーも遅刻したワケだけど、彼は昨日、レースの後に夜10時まで取材がビッシリで、その後にやっと食事し……とほとんど休めていなかった。「こんなに大きなレースに勝ったんだから、忙しかったり大変だったりは仕方ないんだよ」と彼は笑っていたけれど、顔は眠そうだった。
 コース上での撮影には長い時間がかかる。帽子をとっかえひっかえ、トニーとマシンだけ、トロフィーも一緒に、オーナーと、エンジニアたちと、クルー全員と、クルーひとりひとりと、スポンサーと、シボレーのスタッフと、ファイアストンのクルーたちと……と続くからだ。
 

Photo*INDYCAR(Michael Roth)
「忙しいけれど、その忙しさも全部楽しんでいる。まだ自分が勝ったレースをビデオで見ることさえできないでいるけど、最高の気分だ。夢が叶った」とトニーは語った。
以上

2013年5月27日月曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント33 第97回インディー500 決勝 :「チームはできる限りのことをしてくれていました。ピットストップも非常に良かった。あとはクルマ作り。インディーでのレースは本当に勉強になったので、今後のレースに繋げたいと思います」

Photo:INDYCAR(Jim Haines)クリックして拡大
「ムニョスがコースの内側に入った後に急に外に出てきたため、
そのタービュランスで一気にコントロールを失って、スピンしてしまいました」


Jack Amano(以下――):57周目のスピンまでとその後と、ふたつのレースになっていたように見えました。

佐藤琢磨:そうですね。まぁスピンの前は順調といえば順調だったんですけど、トラックがグリーンな状態では結構よくて少しずつポジションを上げていたし、ペースそのものも悪くなかったと思うんです。ただ、ちょっと兆候が見えていたんです。他のクルマの後ろに入るとマシンがナーバスになる。そういうところが見え隠れしていたので、かなり気になっていました。

――スピンが起きたのは?

佐藤琢磨:カルロス・ムニョスは独特のラインを使っては走ってたでしょう? 彼は2コーナーで前のクルマを狙ってたのかコースの内側に入った後に急に外に出てきて、そのタービュランスで一気にコントロールを失って、スピンしてしまいました。

――壁にはまったくぶつかりませんでした。

佐藤琢磨:はい。あそこで何のダメージもなくレースに戻れたのはよかった。でも、ラップダウンになってしまったんですよね。それはピットストップのシークエンスを変えることで取り戻せたんですが、今度はタイヤにブリスターが出てしまって、何とか追い上げをと試みたんですが、バランスが悪くて、グリップダウンも激しくて、厳しいレースでした。それで真ん中までポジションを戻してゴールするのが精一杯でした。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディ500 決勝:勝負を決めた197周目リスタートでの的確な読み!記録尽くめのインディー500をトニー・カナーンが制す

Photo:INDYCAR(John Cote)
レース中盤、133ラップアンダーグリーン!
平均時速も187.433mphに

 「雨が降り出す前にゴールまで突っ走りたい!」
 そう考えたからでえもないだろうが、今年のレースは曇り空の下、非常に速いペースで進んでいった。アクシデントが序盤に続いたが、その後には新記録となる133周に及ぶグリーン状態が続き、レースは2時間40分3秒4181で終了した。イエローでのゴールとなりながらも、90年にアリー・ルエンダイクが勝った時の平均時速=185.981mphを破り、平均時速187.433mphという新記録が樹立された。
 去年のレースでリードチェンジは34回あった。それはインディーの長い歴史における新記録となったが、今日のレースではそのレコードの倍、68回ものトップ交代劇があった。14人のドライバーたちが変わるがわるレースを引っ張ったが、その14人というリーダーの数も、93年の12人を上回る新記録となった。
 優勝はトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)。挑戦12回目での優勝も57年のサム・ハンクスに並ぶタイ記録。26台が完走したのも、そのうちの19台がリード・ラップだったのもタイ記録だ。
 5台を走らせるアンドレッティ・オートスポートと、3カー体制のチーム・ペンスキー、強豪2チームと渡り合ったのがカナーンとポールシッターのエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)だった。
 
197周目、4回目のリスタートでカナーンが
トップに立った直後にフルコースコーションに

 カナーンはレースを通してスピードと安定感を維持していた。レースはもう終盤土壇場に入った194周目にグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)のクラッシュによってイエローに。そこからのリスタートが切られたのは197 周目で、ゴールまで4周の死闘が繰り広げられる期待で満員のインディアナポリス・モーター・スピードウェイは沸き立った。
 しかし、そのリスタートが切られた直後、ターン1でまたもクラッシュが発生! 驚くべきことに昨年度ウィナーのダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)が壁に激突。レースにはこの日5回目のイエローが出され、そのままレースはゴールとされた。
 リスタートはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がトップで迎えられたが、2番手につけていたカナーンが絶妙のタイミングで加速して先頭に躍り出た。彼に続いてカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)が2位に浮上し、そこでイエロー・フラッグ。カナーンがウィナーとなり、コロンビア出身ルーキーが2位。ハンター-レイは優勝に最も近いポジションからアッという間に3位に転落し、逆転のチャンスは与えられなかった。
 
KVレーシングテクノロジー、インディーカーに移ってからの初勝利

 カナーンは過去11回のインディ500出場で2位1回、3位2回、4位1回、5位2回という素晴らしい成績を挙げてきていた。インディアナポリス・モーター・スピードウェイでの速さは折り紙付き。あとは少しの運が必要なだけだったのだ。
 「勝てる時って何もかもがスムーズにいくんだよ。今日がまさにそれだった」とカナーン。KVに移籍して3シーズン目の優勝は、チームに取っては08年にインディーカーにスイッチしてきてからの初勝利となった。
 「残り6周でイエローが出た時、今日こそ勝てるかも、と思った。自分がトップじゃなく2番手だったからだ。自分は何度もこういう状況でトップだった。そして逆転をされた。今日、最期のリスタートを迎える時には絶対にトップに立つ! と決意していた。その後にイエローが出てレースが終わりになる可能性が高いと考えたからだ。そして、現実はその通りになった」。
 運も味方していたかもしれないが、今日のカナーンの勝利はベテランらしい的確な読みと、抜群のリスタート・テクニックが威力を発揮していた。そしてもちろん、レースを通して安定感を保つマシンに仕上げるセッティング能力も重要だった。


ホンダ勢最上位は5位のウイルソン
粘りのレースを見せた琢磨は悔しい13位、 

 プラクティスから優勝候補の最右翼に挙げられ続けたアンドレッティ・オートスポートは、2、3、4位という悔しい結果に終わった。
 シボレーはトップ4を独占。ホンダのトップはジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)による5位だった。ウィルソンはタイヤを酷使してレース序盤に27位まで順位を落としたが、そこからすさまじい追い上げをみせ、去年の7位に続いて上位フィニッシュを達成した。
 佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は13位でのゴールとなった。18番手スタートから序盤にして6位まで躍進したスピード、オーバーテイク・テクニックは切れ味抜群だった。しかし、今日のコンディションにマシン・セッティングがマッチしておらず、路面ができあがってライバル勢がスピードを伸ばし始めると苦戦を強いられるようになった。
 57周目に他車の作り出したタービュランスを浴びてスピン。見事なコントロールで壁との接触を避け、レースを走り続けることができたが、順位は27番手まで後退。そこからの戦いはレース序盤ほどスムーズではなく、なかなか順位を挽回できないまま周回が重ねられていった。
 それでも琢磨は着々とポジションアップ。ゴールまで30周を切ったところでトップ10圏内を走っていた。しかし、最終的に13位でのゴールとなった。
 「今回のレースはインディー500なので13位という結果はとても悔しい」と琢磨は語り、「難しいレースになっていましたね。プラクティスでは一度も出なかったタイヤのブリスターとかもあって、グリップが足りていませんでした。ピット作業は速かったし、クルーは本当に頑張ってくれていたんですが……」。やや暑くなったコンディションに対してマシンのダウンフォースレベルがマッチしていなかった。リードチェンジ回数がレコードの倍を記録したことが示している通り、今年のレースは去年を遥かに上回る接戦となっており、出場者全員がより長い時間、タービュランスを受けて走らなければならなかった。マシンは常に不安定な状況に置かれ、タイヤにはより過酷な条件が与えられていたわけだ。
 そうしたコンディションで最も安定したマシンを手にしていたのがアンドレッティ軍団とカナーンだった。ペンスキー勢はそれより僅かに劣っていた。そして最後はベテランの勘が冴えた。
以上

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月26日決勝:トニー・カナーン、悲願の初優勝! 佐藤琢磨は13位に終わる

カナーン、12回目の挑戦でインディー500初制覇 Photo:INDYCAR (Pete Howerd)クリックして拡大
197周目、渾身のリスタートで勝利をもぎ取る

Photo:INDYCAR(Michael Roth)
 第97回インディー500は、リードチェンジ68回、14人のレースリーダーが出るという展開の中で、KVレーシング・テクノロジーのトニー・カナーンが優勝した。カナーンは今回がインディー500に12回目の挑戦で、これまでの最上位は2位。
 予選12位からスタートしたカナーンは、ポールポジションスタートのエド・カーペンターやマルコ・アンドレッティ、ライアン・ハンター-レイらとレース序盤から激しくトップを争った。
気温の上昇などコンディションの変化するなかでもレース終盤までその速さは衰えず安定して上位をキープ。197周目、最後のリスタートでハンター-レイを豪快にパスしてトップに立つことに成功した。するとその直後に後方でダリオ・フランキッティが1ターンでクラッシュしてフルコースコーションが出され、その瞬間、悲願のインディー500初優勝が決まった。
 2位はルーキーのカルロス・ムニョス、3位はライアン・ハンター-レイ、4位にはマルコ・アンドレッティと、インディー入りしてから好調だったアンドレッティ・オートスポート勢が2位から4位までを占めた。

 ホンダ勢の最上位は5位のジャスティン・ウイルソン(デイル・コイン・レーシング)。ポールポジションのエド・カーペンターは10位でフィニッシュした。

佐藤琢磨は粘りの走りで13位フィニッシュ

僚友デイリーとストレートを走る琢磨。Photo:INDYCAR(Jim Haines)クリックして拡大
  佐藤琢磨は、序盤、なかなか順位を上げられないかったものの、第2スティントになってからは力強い走りを見せ48週目にはホンダ勢っプの6位にまで浮上。ところが57周目の2ターンでドラフティングのためリアが流れてスピンし、フルコースコーションを出してしまう。幸いマシンはどこにもヒットせず、ラップダウンには陥ったもののチームの判断もよくすぐにリーダーラップ最後尾の27位に順位を戻す。その後、思うようなハンドリングが得られず、オーバーテイクできない苦しいレースとなったが、粘って13位でフィニッシュした。

2013年5月26日日曜日

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その21 なぜこのブランド??

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)

プレスルームのおやつに出されたポテト・チップス。これがデイル・ジュニア・ブランドである必要、ないでしょ?

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その20 ロビン・ミラーからのプレゼント

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)クリックして拡大
 アメリカの名物テレビレポーター=ロビン・ミラーが琢磨の初優勝Tシャツを作り、プレゼント。
タクちゃんだけじゃなく、チームのクルーたちにも。
私たち日本人メディアにもくれましたが……、サイズはLとXLしかありませんでした。
「でも、縮むぞ」とロビン。

開幕戦でキャリア初優勝したヒンチにも、ロビンはこんなコトしたのかな?
いや、してないと思います。

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その19 トリプル・クラウン・トロフィー

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)

ファジーズのカクテル・パーティ@パゴダに出席。ボトルの写真もそこで撮りました。
ボトルの隣りのグラス(プラスティックですけど)はウォッカ&レッドブルです。

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その18 定例化したメディアインタビュー

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)クリックして拡大
 走行後の琢磨に話を聞くのがTVでもラジオでも定例化してる。もちろん、去年の今年だからネ、インディーに関していえば。注目度が俄然高い。AJ・フォイトのドライバーでもあるし。さらに、今年の琢磨はポイント・リーダーとしてのインディー入りだから。最近の2レースで1勝、2位1回と成績もトップなので当たり前といえば当たり前か。

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その17 タクマ選手の愛車

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)クリックして拡大

 TSの大型ロゴが貼られたゴルフカート=インディ500用。「1892」って番号の下にはCOYOTEのディカールもアリ。その右はインディアナポリス・モーター・スピードウェイから発給される登録証っていうか、使用許可証っていうか。スピードウェイ内での使用オッケーっていうのと、ピット&ガレージへの乗り入れも可能の2種類アリ。当然このカートは両方貼られてます。カーブ・デイの寒さ、琢磨選手がジャケット着てるとこに出てるでしょ?

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その16 リトルファン

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)
 (これはカーブ・デイの写真じゃないんですけど、)1歳程度と思われる赤ちゃんをピット裏のスタンドに発見。彼はかなりの御機嫌で、インディーカーの突っ走る音を聞いて拍手とかしてました。
このぐらいの小さい子供だと大きな音は拒絶反応するケースが多いんだけど……。

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その15 寒いカーブデイ

Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)
   カーブデイは寒かったのにピット裏のスタンドはかなりの満員。ピット・ロードもチームのお客さんで混雑してた。今年のお客さんは多い印象……気のせい? 去年のダリオvs.琢磨、一昨年のヒルデブランドのクラッシュ&ウェルドン優勝と、ファイナル・ラップのドラマが続いてるから期待感高く、お客さんが戻って来てるような……。

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その14 ファジーズ・ウォッカ インディー500記念ボトル

Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)

 これはエド・カーペンターのメイン・スポンサー、Fuzzy's Vodka のインディー500記念ボトルです。ラベルにインディーのスタート写真アリ……これがまるで映ってませんが、実は液体の向こう側、ボトルの反対側に貼ってあるラベルの内側にその写真があるんです。
 ウケるのは、スタートでトップを走っているのがエドだってところ。この1月に製作したラベルなんだそうですが、5月のポール獲得を予言したかカタチに。
値段は1本23.49ドル。インディアナポリスの消費税は7パーセント。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント32 第97回インディー500 5月24日 カーブデイ(ファイナルプラクティス)「今日はコンディションもすごく涼しくて、それによるバランスの変化もひっくるめて、ちょっと全部がうまく合っていなかった気がします。これからシッカリとデータを見て、決勝までにマシンを合わせていきたいです」

日本人少年ファンとハイタッチ Photo:INDYCAR(Chris Owens)
5月24日 カーブデイ ファイナルプラクティス
223.737mph(=約359.993㎞/h) 19位 39種走行 

オイル漏れのトラブルシュートに約20分 トラフィックでの時間帯を逃す

 年に一度のビッグレース、インディー500の決勝を前に行なえる最後のプラクティス、カーブデイの1時間の走行が金曜日に行われた。午前11時にグリーンフラッグが振られ、33台が一斉にコースへと飛び出していった。ここで佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)の14号車にトラブルが! オイル漏れでマシン後部から煙が上がり、すぐに消し止められたが小さな火災も発生した。ボディカウルが外され、クルーたちがトラブルの原因究明を急ぐ。
トラブルシュートには約20分が費やされた。オイルに乗ってマシンを壊してしまっては元も子もない。琢磨は慎重にスピード・アップをしていった。オイル漏れは止まったようで、ここからはセッション終了まで、琢磨は走り続けることができた。走行周回数も39周に達した。
しかし、20分のロスは大きかった。予定していたプログラムの幾つかはギブアップしなくてはならなかったはずだ。中でも、最も多くのマシンが走っていた時間帯を逃したのが痛かった。いちばん行いたかったトラフィック・テストの大きなチャンスだったからだ。


「タイムロスがなくて早めに集団の中で走れていたら……」

Jack Amano(以下――):ファイナルプラクティス、オイル漏れがあったようでしたね?

佐藤琢磨:ちょっとトラブルがありましたね。クルマを全部バラして組み直したので、そのあたり、慎重にもう1回チェックしないとわからないんですけど、どっかの(オイル・)ラインにトラブルがあったみたいですね。

――漏れた場所を確定して、完全に止められた感があったんですか?

佐藤琢磨:もちろん。止めなかったら走れないから。その確認のために何度かインスタレーションラップを繰り返して、大丈夫なことを確認してから走行に入りました。

――タイムロスは20分ぐらいありました。痛かったですね。

佐藤琢磨:そうですね、大きかったですね。あれがなくて早めに集団の中で走れていれば、あるいはもう1回走れていたら、ちょっとやりたいことがあったので。それが試せなかったのは残年です。

「トラフィックの中での車の動きはもう少しですね」

――最後にフルスティント的な連続周回をしてました。スピードは222mph台で安定していたようでしたが、マシンのフィーリングはどうでしたか? そして、222mphというスピードは?

佐藤琢磨:スピードそのものは安定してたんですけど、もうちょっとやっぱり伸びが欲しかった。あと、トラフィックの中でのクルマの動きが、完全に満足っていうものじゃなかった。ウーン、もう少しですね。だから、そのあたり……今日はコンディションもすごく涼しくて、それによるバランスの変化もひっくるめて、ちょっと全部がうまく合っていなかった気がする。

――では、満足度の低いカーブデイになったというところでしょうか?

佐藤琢磨:そうですね。最終チェックという段階だったんだけれど、もう少しクルマを良くしないとトラフィックの中で安定して走るのは結構難しそうです。

――今日はトラフィック、想定していた通りのものを経験できていたんでしょうか?

佐藤琢磨:まぁそうですね。ただ、もうちょっと大きな集団の中でも走りたかったですね。最後は追いつけなかった。

――少し前に大き目のパックがありましたね。

佐藤琢磨:はい。それでも、2~3台の中ではソコソコにポジティブな動きがあったので、これからシッカリとデータを見て、決勝までにマシンを合わせていきたいです。
以上

2013 INDYCAR ニュース 第97回インディー500 5月23日:ホンダとUSAC Vol.2

USACプレジデントのケビン・ミラーとHondaのスティーブ・エリクセンががっちりと握手 Photo:INDYCAR(Jim Haines)
かなり大々的なものなるUSACでのホンダの活動
 ホンダのUSACでの活動は、かなり大々的になるようだ。「最大の目的は、インディー500の2016年の第100回大会にUSACのチャンピオンを出場させること」とアメリカン・ホンダのモータースポーツ・マネジャー、T.E.マクヘイルはいっていたが、「今日の発表は、今後幾つか行われる予定のホンダとUSACのパートナーシッププログラムの最初のもの」とも話していた。
 ホンダによれば、まずはアメリカ全土で行なわれるミジェット・チャンピオンシップの幾つかで冠スポンサーを務め、次にはUSACイグナイト・ミジェット・シリーズでホンダは公式エンジン・サプライヤーとなり、さらには2014年からナショナル・ミジェット、イグナイト・ミジェット、クォーター・ミジェット・シリーズで冠スポンサーに。この時、イグナイト・ミジェットは”ホンダ・ミジェット”へと名称が変更される。ホンダの名を冠したシリーズがダートオーバルの世界で開催されることになるとは……。

2013 INDYCAR ニュース 第97回インディー500 5月23日 :ホンダとUSAC Vol.1 

USACのプレスカンファレンス。ジョニー・ラザフォード(左から二人目)、ボビー・アンサー(同4人目)。後ろのボードにはUSACとホンダのロゴが並ぶ Photo:INDYCAR(Jim Haines)

ホンダがUSACの長期的サポートと
USACシリーズにおける本格的レースプログラム開始を発表

 この木曜日、ホンダがインディアナポリス・モーター・スピードウェイで大きな発表をした。
 すみません、第97回インディー500に関してお伝えすべきニュースが多過ぎて、こちらのレポートは後回しになっちゃってました。
 ホンダはUnited States Auto Club=USACへの積極的なサポートをスタートさせて、ダート&舗装のオーバルレース(ダートオーバルって一語にアメリカではだいたい集約させちゃってるので、ここから先は当方もそれに倣います)の世界にホンダ・エンジンを大々的に提供していくという。
 これまでのホンダは、ロードレース系での活動がメインだった。砂漠での所謂オフロードレースにも出場してきているし、パイクス・ピーク・ヒルクライムなんてレースにも出るけれど、HPDのエンジン開発はインディーカー以外だと入門用フォーミュラカー、スポーツカー、レーシング・カート、ツーリングカー用で行われてきていた。それが今年から、ダートオーバルの世界へと進出。そして幅広く、大々的に活動をしていくワケだ。