以下のレポートが佐藤琢磨陣営からリリースされました。
佐藤琢磨、AJフォイト・レーシングのテストに参加
2013年2月19日 フロリダ州セブリング
本日、セブリング・インターナショナル・レースウェイで行われたテストで、No.14 ABCサプライ・ホンダを初めて駆った佐藤琢磨は、参加した13名のなかでトップのタイムを記録するという幸先のいい滑り出しを見せました。AJフォイトのマシーンを琢磨が走らせるのはこれが初めてのことで、琢磨にとっては昨年9月の最終戦以来、インディカーでの初の走行となりました。
「シーズンオフが終わり、またコクピットに戻ってこられたことを嬉しく思っています。本当に最高の気分でした」と琢磨。「今回はチームがこれまで試したことのあるセットアップで走り始めましたが、まずは僕が経験してきたこととの違いを感じる必要がありました。実際、違いはいくつかありました。そこから僕たちはテストプログラムを開始し、いくつかのセッティングを試しました。それらは、必ずしもすべてが上手くいったわけではありませんが、上手くいかなかったセッティングからも学ぶべきことはありました。朝の走行ではとても強い手応えを感じました。午後に入ってからも、コンスタントにいろいろなことを学んでいきました。今日はかなりの距離を走行したので、マシーンの信頼性は高いと思いますし、予定していたほとんどのプログラムを消化することができました」
「走行の最後にいいタイムが出たことは嬉しく思っていますが、まだこれはテストに過ぎません」と琢磨。「それでも、今後に期待が抱ける結果であり、ABCサプライ・チームを勢いづけるものだと思います。みんなで力をあわせて仕事ができたので、本当にいい1日でした」
琢磨のベストラップは51秒947で、同じホンダ・エンジンを用いるスコット・ディクソンの52.017秒を上回りました。シボレー・エンジンを用いるドライバーでもっとも速かったのはウィル・パワーの52秒153。やはりホンダ・エンジンで走行したダリオ・フランキッティは52秒322でした。5番手はジャスティン・ウィルソンの52秒327で、このため、トップ5のうちホンダ・エンジンを使うドライバーは4名を数える結果となりました。
チーム監督のラリー・フォイトは、ABSサプライ・チームの奮闘について次のように喜びを語っています。「たしかに今日はただのテストですが、それでもとてもいいと思われたことは、1日を通じてずっと進化し続け、よりよいマシーンに仕上げられたことにあります。オフシーズンにコース外で行った作業を通じて期待されてきたことが、今日のテスト
に結びついたように思います。チームのスタッフは協力し合っていい仕事をしました。今回は新しいドライバーを迎えてのテストでしたが、それでも、いままでやり残していたと思われることをいろいろと実施できました。琢磨はいい仕事をしてくれました。素晴らしいフィードバックをチームにもたらし、ドンとAJが変更を行ううえで大きな助けとなりました」
そのほか、本日のテストにはトニー・カナーン(52秒381)、エリオ・カストロネヴェス(52秒410)、グレアム・レイホール(52秒413)、チャーリー・キンボール(52秒439)、シモーナ・デ・シルヴェストロ(52秒442)、ジョセフ・ニューガーデン(52秒498)、AJ.アルメンディンガー(52秒618)、オリオール・セルヴィア(52秒690)らが参加しました(カッコ内はそれぞれのベストタイム)。
チームオーナーのAJフォイトは今日の結果に大変満足しています。「今日のテストはとても上手くいきました。琢磨との関係は良好で、彼は誰もやったことのない52秒の壁を唯一破ってみせました。とてもいい仕事をしたと思います。冬の間に学んできたことをもとに、今回はこれまでやったこともないほど多くのダンパー・セッティングを試しましたが、そうした努力が報われたように思います」
琢磨、AJ、そしてラリーの3人は水曜日にシカゴへ向かい、木曜日に行われるABCサプライの年次マネージャー・ミーティングならびにディナーに参加します。その後、琢磨とラリーは自宅に帰りますが、AJはフロリダに戻り、今週末に行われるデイトナ500に立ち会います。フォイトのレースシーズンは、3月24日にセントピータースバーグで行われるインディカー・シリーズ開幕戦でスタートを切ります。
リリースは以上です。
最初のテストでトップタイムをマークするというのは、実はとても凄いことです。昨年から乗っているのと同じマシン=ダラーラDW12・ホンダだとはいえ、違うチームのマシンですからセッティングはフィロソフィーから異なります。それに、琢磨は昨年の最終戦@フォンタナ以降インディーカーに乗っていませんが、他の多くのドライバーたちは冬の間もテストで走っていました。AJ・フォイト・レーシングはオフの間のテスト量も多い方ではなかったのですから、三つの不利な条件をはね除けての好パフォーマンスだったと言えるのです。近代化を進め、総合力を着々と高めて行っているチームと、参戦4シーズン目を迎える琢磨、このコンビネーションに向けられる期待が高まるテスト結果となりました。
以上